Dum fata sinunt vivite laeti
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「ねえ花村、アンタって灰音ちゃんの事が好きでしょ?」
「ぶっほ?!ななな…っ」
「ちょ、きたなっ?!」
麗らかな昼食時に仲間より投下された爆弾に、陽介はその口に含んでいた飲み物を噴き出してしまった。千枝の言葉における動揺っぷりは何故、彼女に自分の恋心がばれたのかという疑問にも満たされている
今回の事件における被害者 りせの救出も果たし、作戦会議をする必要がない今、昼時間に自分達の教室に後輩がやってくる理由はない。一応、千枝や雪子もその辺の配慮をしてくれたのだと考えられる
「この前、千枝と話してたの。花村くんって絶対…って本心はどうなの?灰音ちゃん、好きなの?」
「あー…天城さん?目が怖いっす…」
「というか、嫌いって事はないよね?この前のりせちゃん救出の時のアンタを思うと」
「は?別に普通だったろ?アイツが気を失って、クマのシャドウが出て来て、あんな事になったんだからよ」
「良く言うよ……あんな事言ってたくせに」
呆れ顔で指摘された言葉に陽介はあんな事?と首を傾げる、本当に思い当たる節がないと言う態度に雪子と千枝は苦笑顔を見合わせる。思い当たる節がないという事は彼にとっては当たり前の事をしただけ、という証なのだろう
それは灰音がシャドウの攻撃を真正面から受けた事でペルソナを暴走させた後、灰音本人の知らぬ所で起こった出来事
『先輩!ソイツ、俺の方で預かった方がいいんじゃねぇッスか?!このままじゃ、神楽坂ごと吸い込まれちまうッスよ!』
『俺らの事は気にすんな!神楽坂をばあちゃん達から預かってる俺がコイツの面倒見るのは当たり前だろ!』
りせが自身の心の一部であるシャドウを受け入れ、それでこの事件は終わると陽介達は安堵し切っていた。そんな彼らの前に現れ、認識が甘いと指摘したのはまさかのクマのシャドウ
動きもせず、かと言って攻撃を仕掛ける訳でもないクマのシャドウは本体を吸い込み、陽介達を飲み込もうとブラックホールと化した。そんな事が起こっていると知らずに意識を失う灰音がクマの二の舞にさせまいと陽介は彼女を抱えた
その時の必死な行動と一連の言葉に雪子と千枝は彼が灰音が好きなのでは?という疑問を抱いた訳だ、疑問というには彼女達にとっては殆ど確証したも同然だが。女の勘とは恐ろしい物である
「その後は鳴上くんの申し出も断って、自分が灰音ちゃんを送っていくって聞かなかったでしょ?
…まさか、そこまで言ってんのに灰音ちゃんの事を嫌いって言うわけないわよね?花村」
「ちょっ、俺に拒否権はないわけ?!」
「でも花村くんって小西先輩が好きだったんだよね?…!まさか先輩の代わりに灰音ちゃんを…?」
「んなわけねぇだろ!」
失礼な誤解に陽介からとうとう、反論の言葉に声を荒げた。昼食時で人で賑わう教室に突如として響いた声はたくさんの人の眼を集める事となった、自分の声で静まり返った教室というものは大変、気まずいものだ
何でもない、悪い、と繰り返す事で漸く元に戻った教室の中で陽介は溜息と共に自身の頭を掻く動作を見せた。ここまで事を大きくしたからには、真実を言わなければならないだろう、自分の灰音に対する想いというやつを
「確かに先輩の事は好きだったよ。でも先輩がいなくなって、今まで先輩を見ていた目がアイツに向けられる様になって色々見える様になってさ
俺達に隠し事をして、壁を作ってる所見てると世話焼かずにいられねぇっていうか…あー…そういう所、見てたら好きになってたんだよ悪いか!」
「いや、悪いとまでは言ってないけど…意外に花村くんって純情なんだね、言葉だけだとまるで初恋に悩む男の子みたいだよ」
「嫌味かよ、お前ら…誰が好き好んで暴露しなきゃなんねーんだよ…俺はコイバナで盛り上がる女子高生かっつーの」
「ま、まあまあ!聞いた限りには応援とかするから!ね、雪子!」
「灰音ちゃん、見た感じは花村くんに懐いてるみたいだし…脈有りじゃないかなっ?」
聞いているとこちらまで顔が真っ赤になってしまいそうな、陽介の独白。確かに彼が灰音が好きだというのは殆ど気付いていたが、まさかここまでとは。殆どベタ惚れ同然ではないか
どうやら、今後は千枝達が応援や手伝いをしてくれるらしいがここで安心する事は出来ない、何せ相手はあの灰音だ、そう簡単にはいかないだろう。恋に疎そうだし、何より…彼女には忘れられない人間がいるらしい
「面白そうな話をしてるな」
「うおっ?!な、鳴上…!いつの間に…」
「さっき戻って来たんだけど、面白そうな話をしてたから観察してた
……これからはライバルとして、お互い頑張ろうな」
「…へ?!」
昼休みが入って、すぐに教室を後にしていた為に不在だった我らがリーダー 悠からの言葉は陽介にとっては今日二回目の爆弾投下となった
彼の恋路は思う少女の鈍感さと強烈なライバルの出現に更に過酷な、茨の道となることが宣告された
Exposure story at which is not known
(思い人は恋愛事に無頓着)
(対する好敵手は身近にいましたとさ)