#16 Madness is dirty, mind of that person
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「鳴上センパイ、来ましたよー」
「じゃあ、後は任せた」
「は?え…ちょっと呼び出されたわけは?」
りせ救出から後日、幸いにも暴走した後遺症も残らなかった灰音は学校にいる間、教室にやって来た悠に取り付けられた約束を果たしに放課後、辰姫神社へやって来ていた
…のだが、その約束を取り付けた相手はここに彼女を呼んだ理由も明かさずにさっさとその場を後にしてしまう。自分の放課後を潰す為の悪戯かと混乱する灰音の前に、華奢な影がご神木の裏から現れる、その影はやけに緊張した面持ちだ
「――あたしが呼んでもらったの」
「久慈川さん?」
「ごめんなさいっ!」
「え、何で謝られてるの?灰音さん」
突然、りせに頭を下げられて、灰音は半ば混乱気味だ。ここに取り残され、かと思ったら救出して久しく見たりせがここにいて、こうして謝られている…寧ろ正常でいろというのが無理な話だ
彼女に謝られる理由が思い当たらない存在から頭を上げて、と促され、りせは怖ず怖ずとその指示に従う。眉をしょんぼりと下げる表情も様になるのが、少し狡いなと同じ女子として羨ましく思ってしまうのに目を瞑って欲しい
「テレビの中でもう一人のあたしが、あなたの事を傷付けたから…」
「別に気にしてないよ、あっちの世界に行くのは怪我しに行くもんだし
久慈川さんの一件がある前にも、何回も怪我をしてきたし…うん今更ってやつ?」
「怒って、ないの?」
「元々、怒ったりなんかしてないよ。久慈川さんが元気で、こっちに戻って来てくれててよかった」
その言葉は本心である、こうして自分達が救出した人が元気な姿を見せてくれる――それが命を危険に晒した灰音達の行動へのこれ以上にない報酬だ
けれどそれが自分のせいで怪我をさせてしまったと顔を曇らせては台無しだ、出来れば彼女には笑顔でいて欲しい。あの日、倒れたとは思えない表情で灰音が微笑んだ事でりせの緊張も解けた様だ
「…あの日、初めて灰音ちゃんと会った時に言ってくれたよね」
ーアイドルのあなたの事も知ってるけど、休業してる身にアイドルの姿を強いるのはマナー違反でしょ
休業中もアイドルしてろなんて、休みの意味ないじゃん
「凄く嬉しかった…アイドルとしてのあたしじゃなくて、ただの久慈川りせとして接してくれたのが。この子となら仲良くなれるかなってその時、思ったの
だから、その…お友達になって欲しいなって思って。灰音ちゃんの前だと同じ学年の子達と一緒にいるよりも自然体でいれるから…そう言ったら、鳴上先輩が取り持ってくれるって言ったの」
「……」
「だめ、かな?急過ぎたよね…ごめん」
再びしょんぼりとりせは俯いてしまう、多分意識を失う程の攻撃を与えた自分と友達になんかなりたくないと灰音が考えていると思っているのだろう。寧ろその逆の印象を受けたというのに
不安そうに灰音の出方を待つりせにその相手はふ、と微笑む。こうやっていると引っ込み思案の妹を持った様だと錯覚してしまう、同年代なのにそう思うのはりせがやはりそういう属性を持っているからだろうか
「いーえ。ずっと憧れてた女の子だし、同級生で友達が増えるのは嬉しいから
……あ、そういえば、名乗ってなかったよね。神楽坂灰音です、これからよろしくね?久慈川さん」
「…!うんっ」
灰音から差し出された手に嬉しそうに飛びつくりせとが握手する姿を、神社の入り口で様子を見ていた悠が安堵した様に見守っていた
Madness is dirty, mind of that person
(ごめんなさい、あなたには届かない)
(ごめんなさい、まだ話せない)