#15 Flickers Thanatos clothes hem
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『どれよ?どれが本当のあんたよ?』
「本当の、あたし…?」
「くそー…眼鏡、眼鏡…」
魔法攻撃を封じられた灰音達が何とか物理攻撃で道を開こうと悪戦している一方、なくしたメガネを探し続ける完二。灰音達が戦闘しているのはその音や衝撃で分かるが、メガネがない為にそれを捉える事もできない
すぐ傍で自分の力を必要としている人達がいるというのに、それに答える事が出来ない。灰音達は自分をあの場所から助け出す為に奮闘してくれた、そんな恩人の力になると決めたのに、これでは意味がないではないか
「探し物は、これクマか?」
苦言さえも漏らしながら、焦燥によって探す手の動きが荒くなる完二の目の前に救世主が遅れてやって来た。その手から完二に手渡されたのは彼が何よりも今、必要とする物。おふざけの鼻眼鏡ではない、彼専用に用立てられたメガネ
それはメガネというよりはサングラスの部類に入る、けれど普通のメガネよりはその造形は完二に似合う事だろう。鼻眼鏡の時の様に無駄な付属品がない、掛け心地に思わず笑みがこぼれる
「良いじゃねぇか…」
今まで霧に煩わされていた霧が晴れ、良好な視界を得た完二の前に固執のファズの大群が押し寄せる。捜査隊に入って初めて腕を振るう前哨戦には調度良い
「ぶちのめす…!ペルソナァ!」
今まで何も出来ずに手を拱いていた分の鬱憤を晴らすかの様に、自らのペルソナ「タケミカヅチ」を完二は勇ましく解き放つ
これでやっと苦戦する恩人へ助っ人として、加勢する事が出来るというものだ。嬉々として完二の足が駆け出す、今までの憂いがなくなって羽根の様になった気分である
「くそ…!」
「こっちの火力が圧倒的に足りないっすね…」
物理攻撃を振るえる数に限りがある灰音達とは違い、無限を誇る数の固執のファズ達を前にオルフェウス達の攻撃だけではその数を減らす事もままならない、このままでは物量に押し負けてしまう
その不利的状況を打破する為、召喚されたタケミカヅチの重い拳が固執のファズの軍団の進行を横から妨害する。一体だけと言わずにその攻撃は集団の半数の数を抉り取っていった
「お待たせッス!」
「巽くん…!メガネ、できたんだね」
「おうよ!後は俺に任せとけ!おら…おら、おらおら!」
危機に参上した完二は不適に微笑む、そんな完二のペルソナに一番隊がやられたにも関わらずに再び固執のファズは隊を組んで押し寄せてくる。数を増やして押し通せたのはここまで
タケミカヅチが灰音達に加勢したからには、もうその戦術は塵になったも同然。一人押し寄せてくる固執のファズ達を迎え撃ち、粉砕する完二と追従するタケミカヅチの迫力には敵ではない仲間さえも圧倒される
「ひぇー…すっげぇ…」
「ブルドーザーね…」
「あのシャドウがこんな風に逞しくなるなんて…」
「触れないでやれ、灰音」
その間にもりせはシャドウからの言葉、七人の中で誰が本当の久慈川りせなのかという問いかけによる精神攻撃に苛まれていた
『さあ、言ってみなさいよ!本当のりせって?』
『『『『『『あたしが本当のりせよ』』』』』』
「分かんない!本当のあたしってなに?!」
本当の自分を誰も見ていない、と憂いていたりせだが、彼女自身も本当の自分とは何なのか分からないのだ。その疑問等を預かっていたシャドウにはそれが一番、本体が触れられたくない部分と分かっていた
実際、シャドウの言葉はりせの精神を蝕む。思惑通りに混乱する本体にシャドウは畳み掛けるように容赦なく言葉を紡ぐ。もう後何個か言葉を浴びせれば、自然とりせは自分から自壊の道を辿っていく事だろう
『本当のりせはあたし…あんたはあたし、あたしはあんた』
「違う!違うってば!」
『べったべたなキャラ作りして、作り笑顔なんてまっぴら!よく見なさいよ、本当のあ・た・し』
「いや…!あなたなんて…っ」
「言っちゃだめ!」
違う、違うのだとシャドウからの言葉を受ける度にその思いは強まっていく。自分はこんなのじゃない、こんな女が自分な訳がない、本当の私なんかじゃない――
シャドウの言葉によって追い詰められ、混乱状態に陥ったりせはとうとう、先走って言ってしまう。千枝の制止も振り切って、嫌悪と拒絶の意志でシャドウを否定する
「あんたなんて、あたしじゃないっ!!」
『来た、来た来た…!来たー!!』
今まで通りに本体からの否定の言葉はシャドウの意志に力を宿してしまう、「本体が自分を認めないなら、自分が本体に成り変わる」という願望は本体を殺す為の存在へと姿を現した
人工衛星に良く見られるパネルを顔にした、複数の蛍光色のまだら模様に塗りつぶされた体でポールに纏わり付く姿、それこそがシャドウりせの本来の姿。辛うじて残るツインテールが元々の原型を止めていた
《我は影、真なる我…》
「何、これ…」
「りせ!」
「鳴上、先…輩…?」
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