#15 Flickers Thanatos clothes hem
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「ここに…りせが?」
「びんびん匂うクマよ」
悠がどこからか持って来たがんもどきのストラップ付きの携帯電話、それは持って来た当人が言うには今回の救助者・りせのものだという。もし刑事である堂島にこの事が露呈したら、厳重な処罰と怒声は免れないだろう
そうならない様に祈りながら、クマの嗅覚に導かれた灰音達は目の前に大きく聳える店の灯りに目が眩む。刺激的すぎるピンク色のネオンが頭痛さえも発症させた
「いや、これって…温泉街とか、そこにある旅館につきもののやつ?って…そんな目で見るな、神楽坂!」
「!う、うちにはないからね?!」
「大丈夫っすよ、天城センパイの事をそういう目で見る人はいないですよ」
「そ、そう?本当に?」
「おい、神楽坂?俺の言い分は無視ですかー?!」
華麗に陽介の言い訳にスルースキルを披露しながら、灰音は雪子の思い違いをフォローする。大方陽介の発言によって、自分の実家がそういう旅館と一緒だと思われてるのではと勘違いをしてしまったのだろう
何だよ、と自分の扱いの悪さに口を尖らせる上級生に思わず笑みが溢れてしまう。こういう子供っぽさが彼の良い所で、灰音がついついからかってしまう要因なのを本人は分かっていないのだろう
「あー、くそ!良く見えねぇ…」
「あ、完二くん、まだ眼鏡貰ってないじゃん!」
「およよ~、忘れてたクマ!はいよ」
どうやっても完二の視界は良好とはいえなかった、それもその筈。彼にはこの世界の探索で重要なメガネを受けとっていないのだから、それがない完二の視界は霧が立ちこめ、目の前の建物も良く見えていないのではなかろうか
忘れていた、と言って、クマが取り出したのは確かにメガネだった。だが少しだけ灰音達のかけるものとは違う趣だという事は、かけた本人が一番疑問に思った事だった
「何か…違うくねぇか?」
それはメガネというにはあまりにも付属品が多過ぎた、鼻と髭…そう、言わずと知れた鼻眼鏡というやつだ。かける前からその全体図が見えており、どうなるかも予想がつきそうなものを何故、完二はかけてしまったのか
実はこの鼻眼鏡、雪子の大好物なのである。単品で見るだけでも笑いを誘ってしまうというのに筋肉質な体といかつい顔をした完二がそれをかけてしまった事で、雪子の笑いのツボが爆発した
「に、似合うー!」
「ぶふ…っ!くく…!」
「おいクマ!何で俺だけ、こんなやつなんだよ?!」
「よよよ…いらないク「当たり前だ!」」
雪子だけでなく、灰音までもが完二の姿に噴き出す有様。このままでは進行に支障が生じてしまい、探索も探索所ではなくなると考えつく。シリアスな場面もその姿ではシリアルだ
笑い者にされてしまった完二の怒りの矛先は勿論、これを取り出したクマへ向けられる。あまりの迫力に思わず悠の背中に隠れたクマをちゃんと追えている辺り、ちゃんと霧を晴らす役目を果たしている様だ、…外見はギャクだが
「何か…ドキドキしてきた…」
「はー…中ってこうなってんスねー…」
機能に問題がない事、そして他に代用品がない為にしぶしぶ、完二は鼻眼鏡姿を意地している。少しは耐性がついてきたのか、灰音と雪子が噴き出す事はなくなったが、直視する事になると…ご想像にお任せしよう
目に宜しくないピンクネオンでMARUKYUと示された店内へ乗り込む。マヨナカテレビの時といい、ちゃんと実家の宣伝も抜け目なくしている所がちゃっかりしている
『レディース、エーン、ジェントルメーン!』
「「「「「「「?!」」」」」」」
『ようこそ!これより、めくるめく世界へご案内しまーす!』
シャドウの妨害もなく、滞りなく進んだ先にあったのはこの店のメインブースと思われる開けた場所。灰音達の到着に合わせ、店のジャンルに沿う様に作られたポール付きの舞台をスポットライトが照らし出す
何だ何だと突然、場に起こった変化に体を強張らせる灰音達の前で更に変化は続く。舞台の下から現れたのは様々な衣装で工夫を凝らした六人のりせ、勿論全員が彼女のシャドウだ
「りせちーが…いっぱい……」
「うおー!全部、見た事ある!」
同一人物が六人存在している、という状況を普通なら可笑しいと思う所なのだろうが、元々りせの大ファンである陽介にとっては些細な事らしい。寧ろこんなにいっぱいりせがいる事に至福すら感じている様子
いずれもどこかで見た事がある衣装を着用するりせ集団の目の前に、七人目となるりせが現れる。彼女もまたシャドウだが、マヨナカテレビで見た水着姿という事は彼女がシャドウ達の大玉なのだろう
『お・ま・た・せ♪』
「うおぉぉぉ!り・せ・ちー!!!」
「里中センパイ、鉄槌お願いします」
「任せて。…うるさいっ!!!」
「お帰りはあちらでーす」
七変化とはまさにこの事を現すのだろう、七人のりせが舞台上に揃った展開に唖然とする灰音達の中でやはり彼だけは通常運転。浮かれまくる陽介の五月蝿さに堪忍袋の緒が切れた千枝の肘打ちで退場処分を喰らった
一応、りせや店の内容的には陽介が正しい客の在り方というものなのだろうか。陽介の声援などに気分を良くしたのか、一人のりせが更に暴走を加速させていく
『今日はもう、りせの全てを見せちゃうよ♪
え?どうせ嘘だろうって?OK、OK!嘘か真か、特とご覧あれ!本当のあ・た・し!』
「お、俺もあんな風だったのか…?これ、きついぜ…」
「あれはりせって子が抑圧してる思念クマ!」
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