#14 Emergency, to the midst of the girl's secret
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散々に主に男心をくすぐる口上を並べ立て、お別れのリップサービスを残してりせを映していた映像は切断。後に残るのは静寂、自分の知る人間の意外な本音や本質の前に圧倒される事でこの微妙な空気は生み出される
しかし雪子から始まったこの番組、回を追う事に過激さを増している気がしなくでもない。マヨナカテレビにも視聴率があって本音駄々漏れ系のバラエティが受け、更に視聴者を取り込もうと躍起になっているのかと思える程に
まあそうではなく、中にいれられた人間の影が暴走しているのが一番の原因と言うのは灰音にも分かっているが。けれど本当にこの番組の構成スタッフがいたら、やり過ぎだと指摘したいものだ、特に完二の時の事で
「……これ、止めないと…本人にもお年頃な男子達にも刺激強すぎるわ…」
マヨナカテレビが過ぎ去り、再びもの言わぬブラウン管になった液晶には呆然とする灰音の顔が映り込んでいた。テレビの中のりせも言っていたが、新高校生がストリップなんて前代未聞、法律も黙ってはいないだろう
多分、今日にでもりせ救出に行動は開始される筈。そうとなれば早めに寝ておこう、テレビの中では彼女の影との交戦が必至と思われる、ない体力を少しでも残しておくのに越した事はない
居間近くに寝室を置く祖父母を起こさぬ様に部屋を出ようとして、灰音はふと振り返る。そこにはさっきまでりせが自身の高校生離れした肢体を見せつけていたブラウン管があって、そして今は薄着の自分の――
「…あんなに胸あるのに、何であんなに腕細いの…?」
りせと同じ年齢とは思えない自分の体、主に最近肉がついてきた二の腕を自虐的に揉む灰音。いや、りせはアイドルでその体を作るのには専属のトレーナーや食事のカロリーを調整してくれる人がいた筈だ
だから、決して自分だけがこうではないのだと自分で自分を慰めていく。一応こっちに来てからは祖母の和食中心の料理で少しは、少しは痩せている筈だと恨めしげに余分な肉を睨み付ける姿は切なく、同情を誘っていた
「ん?あれ…」
「クマ?」
「どうした?」
翌日、早速りせ救出にテレビの中へ向かう特別捜査隊の一行。テレビの世界の入り口であるエントランスには異様な雰囲気が立ち込めていた
世界を覆う霧と重なる事で高めの湿度を放っておけば、いずれはそこ等中にキノコでも生えそうだ。そんなジメジメとした空気を加湿器の様に発生させていたのは、エントランスの隅でいじけているらしいクマであった
「みんな、クマの事、忘れて楽しそうで…クマ、見捨てられた…」
「寂しかったの?」
「退屈で卑屈してたクマ」
「今はそんな事より…」
「そんな事ってなにクマかー!」
確かに完二の救出後、すぐ林間学校が行事に組まれていて、こちらの世界に来るのも久し振りだ。けれどこちらに来なくていいのは、町が平和という事なのだが
今はりせの救出が第一でクマの近況を聞く暇はない、どれだけ寂しかったかは改めて…と話を切り上げようとした陽介の一言で今まで溜め込んでいた感情が、クマの中で一気に爆発した
「どーせクマは自分が何なのか知らん、だめな子クマー…」
「転がるな!」
「かわいい…」
「あれがか?」
「いつ来るか分からない私達をずっと待ってたなんて、健気に見えません?」
「け、健気かは分かんないけど…辛抱強いとは思うよ」
その場をゴロゴロと転がりながら、今まで溜め込んでいた寂しさから自分を卑下するクマの姿に呟いた灰音の言葉に思わず、陽介の突っ込みが挟み込まれた
可愛いというにはまだ分かる気もするが、百歩譲っても健気とは言い辛そうに千枝が苦笑を漏らしていた。その間にもクマの愚痴は続く、話を聞くに一人の時間が長かったせいで自分の存在に疑問を抱く様になったらしい
「答えは見つからないし、皆は来ないし…」
「クマ、聞きたい事が「寂しいから泣いてみようと思ったけど、無理だったクマー
一人だと色々考えちゃって、寂しさ倍増中クマ…」」
「忘れたりしないって!」
「時々は思い出してるわよ」
「天城センパイ、それ逆効果な気が…まあ、それはともかく
クマくんのことを忘れてたら、ここに来たりしないよ?一人が嫌だって言うなら、これをあげよう」
「およよ?これ、何クマ?」
最初にも言った様に今の最優先事項はりせの救出、そしてそれにはクマの力が必要不可欠なのだ。この世界で被害者がいる場まで案内できるのは彼だけ、なのでここはクマのご機嫌を直す為にも女性陣に奮闘してもらわなければ
雪子や千枝と一緒にクマを励ます灰音が懐から取り出したのは歪な猫の編みぐるみ、お世辞にも上手いとはいえないそれは灰音が完二に手ほどきを受けて作ったものだった
「私の匂いがついてるから、寂しくないかなーってどうクマ?」
「…ありがとうクマ、灰音チャン。クマ、これずっと大事にするクマッ」
「あの二人、本当に仲がいいよね」
灰音の思った通りに彼女の匂いがついたものを貰い、クマのご機嫌は直った様だ。ダルデレ系女子と着ぐるみのクマというツーショットはこの世界に似合わず、何とも和む要素てんこ盛りで陽介達も思わず癒されてしまう
こんな時などでなければ、いつまでも見ていたいやりとりだがりせ救出が控えている捜査隊にそんな時間はない。名残惜しいが、クマの機嫌が直ったので捜査開始の為にその場を壊さざるを得なかった
「クマ、久慈川りせって子が来てないか?」
「クジカワ リセ?」
「昨日、こっちに落とされたと思うんだけど…探してくれる?クマくん」
「任せるクマ!灰音チャンの頼みとあれば、頑張るクマ!」
Emergency, to the midst of the girl's secret
(はりぼて、偶像の自分が何人も)
(本当の私なんて、どこにもいない)
(だから、誰も見てくれない)
しかし雪子から始まったこの番組、回を追う事に過激さを増している気がしなくでもない。マヨナカテレビにも視聴率があって本音駄々漏れ系のバラエティが受け、更に視聴者を取り込もうと躍起になっているのかと思える程に
まあそうではなく、中にいれられた人間の影が暴走しているのが一番の原因と言うのは灰音にも分かっているが。けれど本当にこの番組の構成スタッフがいたら、やり過ぎだと指摘したいものだ、特に完二の時の事で
「……これ、止めないと…本人にもお年頃な男子達にも刺激強すぎるわ…」
マヨナカテレビが過ぎ去り、再びもの言わぬブラウン管になった液晶には呆然とする灰音の顔が映り込んでいた。テレビの中のりせも言っていたが、新高校生がストリップなんて前代未聞、法律も黙ってはいないだろう
多分、今日にでもりせ救出に行動は開始される筈。そうとなれば早めに寝ておこう、テレビの中では彼女の影との交戦が必至と思われる、ない体力を少しでも残しておくのに越した事はない
居間近くに寝室を置く祖父母を起こさぬ様に部屋を出ようとして、灰音はふと振り返る。そこにはさっきまでりせが自身の高校生離れした肢体を見せつけていたブラウン管があって、そして今は薄着の自分の――
「…あんなに胸あるのに、何であんなに腕細いの…?」
りせと同じ年齢とは思えない自分の体、主に最近肉がついてきた二の腕を自虐的に揉む灰音。いや、りせはアイドルでその体を作るのには専属のトレーナーや食事のカロリーを調整してくれる人がいた筈だ
だから、決して自分だけがこうではないのだと自分で自分を慰めていく。一応こっちに来てからは祖母の和食中心の料理で少しは、少しは痩せている筈だと恨めしげに余分な肉を睨み付ける姿は切なく、同情を誘っていた
「ん?あれ…」
「クマ?」
「どうした?」
翌日、早速りせ救出にテレビの中へ向かう特別捜査隊の一行。テレビの世界の入り口であるエントランスには異様な雰囲気が立ち込めていた
世界を覆う霧と重なる事で高めの湿度を放っておけば、いずれはそこ等中にキノコでも生えそうだ。そんなジメジメとした空気を加湿器の様に発生させていたのは、エントランスの隅でいじけているらしいクマであった
「みんな、クマの事、忘れて楽しそうで…クマ、見捨てられた…」
「寂しかったの?」
「退屈で卑屈してたクマ」
「今はそんな事より…」
「そんな事ってなにクマかー!」
確かに完二の救出後、すぐ林間学校が行事に組まれていて、こちらの世界に来るのも久し振りだ。けれどこちらに来なくていいのは、町が平和という事なのだが
今はりせの救出が第一でクマの近況を聞く暇はない、どれだけ寂しかったかは改めて…と話を切り上げようとした陽介の一言で今まで溜め込んでいた感情が、クマの中で一気に爆発した
「どーせクマは自分が何なのか知らん、だめな子クマー…」
「転がるな!」
「かわいい…」
「あれがか?」
「いつ来るか分からない私達をずっと待ってたなんて、健気に見えません?」
「け、健気かは分かんないけど…辛抱強いとは思うよ」
その場をゴロゴロと転がりながら、今まで溜め込んでいた寂しさから自分を卑下するクマの姿に呟いた灰音の言葉に思わず、陽介の突っ込みが挟み込まれた
可愛いというにはまだ分かる気もするが、百歩譲っても健気とは言い辛そうに千枝が苦笑を漏らしていた。その間にもクマの愚痴は続く、話を聞くに一人の時間が長かったせいで自分の存在に疑問を抱く様になったらしい
「答えは見つからないし、皆は来ないし…」
「クマ、聞きたい事が「寂しいから泣いてみようと思ったけど、無理だったクマー
一人だと色々考えちゃって、寂しさ倍増中クマ…」」
「忘れたりしないって!」
「時々は思い出してるわよ」
「天城センパイ、それ逆効果な気が…まあ、それはともかく
クマくんのことを忘れてたら、ここに来たりしないよ?一人が嫌だって言うなら、これをあげよう」
「およよ?これ、何クマ?」
最初にも言った様に今の最優先事項はりせの救出、そしてそれにはクマの力が必要不可欠なのだ。この世界で被害者がいる場まで案内できるのは彼だけ、なのでここはクマのご機嫌を直す為にも女性陣に奮闘してもらわなければ
雪子や千枝と一緒にクマを励ます灰音が懐から取り出したのは歪な猫の編みぐるみ、お世辞にも上手いとはいえないそれは灰音が完二に手ほどきを受けて作ったものだった
「私の匂いがついてるから、寂しくないかなーってどうクマ?」
「…ありがとうクマ、灰音チャン。クマ、これずっと大事にするクマッ」
「あの二人、本当に仲がいいよね」
灰音の思った通りに彼女の匂いがついたものを貰い、クマのご機嫌は直った様だ。ダルデレ系女子と着ぐるみのクマというツーショットはこの世界に似合わず、何とも和む要素てんこ盛りで陽介達も思わず癒されてしまう
こんな時などでなければ、いつまでも見ていたいやりとりだがりせ救出が控えている捜査隊にそんな時間はない。名残惜しいが、クマの機嫌が直ったので捜査開始の為にその場を壊さざるを得なかった
「クマ、久慈川りせって子が来てないか?」
「クジカワ リセ?」
「昨日、こっちに落とされたと思うんだけど…探してくれる?クマくん」
「任せるクマ!灰音チャンの頼みとあれば、頑張るクマ!」
Emergency, to the midst of the girl's secret
(はりぼて、偶像の自分が何人も)
(本当の私なんて、どこにもいない)
(だから、誰も見てくれない)