#14 Emergency, to the midst of the girl's secret
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「ごちそうさまでしたっと」
犯人とおぼしき男が現れた事により、一気に空気が張りつめる。そんな中で誰もが途中で手放した愛家の出前を唯一、完食した完二が礼儀正しく両手を合わせた後、今もりせを尾行する男の方へ飛び出す
食事を済ませ、有り余る元気を咆哮として現しながら駈ける完二を先頭にその後ろを陽介、千枝、雪子が続く。突如として現れ、尚かつ雄叫びをあげながら、こちらに向かってくる姿はある意味の恐怖
何故、自分が高校生達に追いかけられるのか訳が分からないまま、高校生の集団から逃げ出そうと男は尾行していたりせの背後から飛び出した
「りせちーの事は俺に任せろー!」
「あんたはこっち!」
「いててて!」
今まであんなに静かだった商店街が、一気に騒々しくなった事に異変を感じて足を止めたりせの横を彼女を尾行していた男と完二が通り抜ける。そんなりせにここぞとばかりにアピールする陽介
保護と言うには見栄えがいいが、彼の場合はアイドルとお近付きになりたい気持ちの方が強いだろう。その思考が駄々漏れだったのか当人のりせにも若干引かれ気味、最終的には千枝の手によって彼は回収されていった
この間、僅か数秒の出来事である
「鳴上くん、お願い!」
「俺?」
「む、無理…皆、早すぎっす…」
「大丈夫か、灰音」
りせの保護役にまさか、自分が指定されるとも思っていなかった悠は思わず立ち止まる。りせの保護を頼まれた分には丁度いいタイミングだったのかもしれない
続いて、自他共に認める体力のなさが目に余る灰音がぺたりと座り込んでしまう。その有様はジュネスのアルバイターとは思えない姿だ、一体いつもどうやってバイトをやりくりしているのか気になる所でもある
あの距離を全力で挑んだらしく、肩を大きく弾ませる灰音の背中を撫で、介抱する悠の横を灰音と同じ位に足取りがふらつく足立が通り過ぎる。彼の場合は歳と高校生の体力についていけない事が原因だろう
「待てオラァァァァ!ボコボコにしてやる!」
「だめだよ!被疑者が大怪我したら、警察の責任問題になるから!」
「何なの…?」
目の前で行われる高校生と警察、そして一人の男がターゲットとなった鬼ごっこにりせも困惑気味。気分転換に外に出かけたというのにそれを邪魔された、機嫌の悪さを自分の保護にと置いていかれた悠に視線でぶつける
未だに短距離走を全力で駈けた疲労で座り込む灰音、彼女とりせはマヨナカテレビにりせが映る前に会っている。先程よりも落ち着き、額にへばりついた髪を指で払う灰音の顔を目にし、漸くりせも彼女があの時の客だと気付いた
「あなた、あの時のがんもどき五つの…!」
「がんもどき五つ?」
「こんにちはー…っと積もる話もありますが、お二人さんはここから離れた方がいいと思うっすよ」
「どうして?」
自分とりせをここから離れる様に誘導せんとする灰音の言葉に悠は思わず、首を傾げる。まだそこにはりせを狙い、この一連の事件の犯人を取り押さえようとする仲間がいる。そんな彼らを置いていくのは気が引ける
けれど灰音の見解は全く別のものであった、彼女の視線は犯人を追う陽介達ではなく、ちらほらと集まりだした野次馬に向けられていた
元々静かな商店街。そこでこんな大きな捕り物があれば、すぐに騒ぎは広がり、人を集めてしまうのだ
「この騒ぎを聞きつけて、マスコミとかマル久さんに来てたファンの人が集まって大変な事になる可能性が高いと思うんすよ。ほら、今も人がちらほらいるでしょう?
鳴上センパイなら、久慈川さん所のお孫さんも安全な所に連れて行けるでしょうし、だからこう言ってるんです」
「灰音は行かないのか?」
「ちょっとは体力つけないとですかねー」
「…分かった、行こう」
あはは、と心あらずと遠くを見つめる灰音に皆を言わさずとも悠には彼女の意図が今回は分かった、というか今回は分かりやす過ぎた。折角戻った体力を消費したくないという魂胆が
犯人を捕まえようとする仲間を置いていく事を申し訳なく思う悠の代役に、残された灰音が助太刀に行く前に犯人は足立の手錠に御用と相成った。これで悠にも良い報告が出来る、犯人が無事に捕まった所を見届けたと
「おーい、灰音ちゃん。終わったよー」
「お疲れさまっす。すいません、体力がないばっかりにお手伝いできなくて…」
「まあ気にすんなって、お前に危ない事させずに済んでよかったよ」
その表情が晴れやかでないのは、この追いかけっこに疲れたからという訳ではないだろう。灰音の様に体力がなければ、有り得ない話ではないが彼らは彼女よりも体力はあると熟知していた
だったら何故、自分が何の手伝いもしなかった事に呆れたからかと思ったがそれも違う様で。考えついたのは呆気なく犯人が捕まった事による不安、こんな事でこの事件が解決する訳がないという確信
誰もが薄々と分かっていた、足立に警察署に連れて行かれた男がこの事件の犯人ではないと。真犯人ならこんな人目に着く所でバレバレな尾行などする筈がない、まだ終わってはいない
「あれ、鳴上先輩はどこいった?」
「安全な場所に久慈川さんを連れて行ったっすよ、騒動に巻き込まれるのもあれかと思って」
「早く二人に犯人逮捕した事、教えてあげないと」
「んじゃ、代表して俺がメールするわ」
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