#13 What was the name of the flower
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しょんぼり、と本当に灰音の迷惑になった事に申し訳なさそうに眉尻を下げる千枝と雪子。彼女達に限らず、自分を取り巻く人達は本当に感情豊かで見習いたくもある
思った事は素直に表情に出る彼女達、本当に自分に迷惑をかけたと思っているのだと知った灰音は慌てる。そう、ただビックリしただけ。突然の事で頭が回らず、表情も変化に乏しかっただけなのだ
「ち、違います。その…待っててもらえた事にビックリして…
でも嬉しかったんです、ありがとうございます。里中センパイ、天城センパイ」
自分が辛い思い出を置いていった中学生の時には体験した事のないものだった、雪子と千枝という上級生が灰音を待っていてくれて、一緒に帰ろうと誘ってくれたのは
それはとても新鮮でくすぐったくて、永らく冷えきる隣人関係が問題とされる都会にいた灰音には未知の体験だった。この事件が発生する時に自分の身を心配し送ると言ってくれた陽介の優しさを思い出させる
この胸に灯る温もりをじんわりと感じ、照れ臭そうにふわり、と綿毛を彷彿させる微笑を浮かべる後輩にがばりと何かがくっ付く。千枝がその表情をトリガーに灰音に抱きついて来たのだ
「へ…?!」
「灰音ちゃん、かわいー!本当礼儀正しくて、いい子だよ!」
「うんうん、うちの旅館にも欲しいくらい。花村くんには勿体ないよね」
「え、えーっと…どう、も?」
あの後、彼女達の気が済むまで猫可愛がりされ、そろそろ自分の心臓が恥ずかしさで保たないとなった灰音の誘導に漸く女性陣も豆腐屋へ足を運んだ。今度、事件が落ち着いたら遊ぶ約束を取り付けられて
行った先の豆腐屋で陽介達が見つからないと辺りを散策してみると、彼らは建物の影に隠れ、目深に被った帽子姿のりせを張り込んでいた。どう見ても怪しい、一連の犯人かと疑われても仕方ないと済まされる程には
「あんたら、なーにやってんの?こんなとこで…」
「何か…凄く、怪しい…」
「りせちーを見守り隊改めストーカーですか?」
「お前が犯人?」
「おい!」
用事によって、遅れてやって来た女性陣からの指摘に自分達がどれ程、周りから怪しく見られて来たのかを知った悠は思わず陽介に目をやる。大方、最初にこのストーキング一歩手前を合法化したのは彼なのだろう
そんなやりとりを露とも知らないりせはと言うと、商店街にある四目内堂書店で雑誌の立ち読みを始めた。灰音達の張り込みを始め、今の所はまだ彼女におかしな点は見られない
「まーいど~」
「本当にどこでも出前、してくれるのな!」
「器、置いといて」
「俺、大盛りッス」
「あたし、チャーシュー!」
ここで張り込みの間に頼んでおいた愛家の出前を原付に積み、店のデリバリー娘であるあいかが現れる。完二の事件前に町中で鬼ごっこを開催していた時も場所を特定してきた彼女
張り込み中でどこにもいるか分からない筈なのに、こうして持って来ても最早何の驚きも沸かない。話に聞くと林間学校中も出前を持って来たとか…慣れとは恐ろしいものだ
「俺、湯麺」
「俺のステーキ丼、取るなよ?」
「きつねラーメン、私…!」
「あ、私はパーコー麺なんで」
次々と頼んでおいた出前を受けとる悠達に続き、灰音達もあいかの原付に近付く。何とも美味しそうな中華の匂いが腹の虫を刺激してたまらない
「…あれ、一人分多いような…」
覗き込んだ岡持ちにはてっきり、最後に出前を取りに来た自分の頼んだもの一品が残っているばかりと思った。けれど、それを裏切る様に岡持ちの中にはもう一品が残っていたのだ
見た感じ、自分達の様な麺類や丼ではなく定食の様でガッツリ食べる気なのが伺える。だがこれを一体誰が頼んだのか分からない、誰かが一人で二品頼んだのだろうか?
「はい、はい、はい!定食、僕ね~」
「…って!何で刑事さん、ここにいんの?」
「足立さん、どうして……」
「堂島さんの指示で……あ!
嫌々!聞き込みの途中で偶然、君等がお昼注文しててラッキー…みたいな?」
あいかが場所も分からない自分達に出前を届けてきた事に驚かなかった灰音達は、こっそりと出前に便乗していた人間に驚かされる。その便乗者とは堂島とコンビを組む警察、足立だった
生まれつきの口の軽さが災いし、自分がここにいる理由に口を滑らせ、慌てて訂正するも殆ど全部暴露した後。どうやら堂島が灰音達が余計な首を突っ込まぬ様にと、見張らせる為に彼を派遣した様だ
「動いた」
「よし、行くぞ!神楽坂!」
「うー…勿体ない…」
「まだ食べてないよー!」
書店で立ち読みしていたりせが動き出した事によって、灰音達も動かざるを得ない。例えそれが出前を食べている最中でも問答無用で
定食という完全な昼食で受けとったばかりとあって、食べ切れない足立の愚図りを後に悠と陽介が直ぐさまにりせの後を追いかける。足立と同じ様に残す事を渋る雪子から千枝も中々、器を受け取れずにいたがそれが功を奏した
「ねえ、あれ!」
りせの後を追いかける灰音達の前に怪しい風貌の背中が、間に割り込んできた。誰の頭にもある単語が過る
「犯人…?」
「なに?!」
What was the name of the flower
(ねえ、あなたの名前を教えて?)
(あなたとしての、本当の名を)
思った事は素直に表情に出る彼女達、本当に自分に迷惑をかけたと思っているのだと知った灰音は慌てる。そう、ただビックリしただけ。突然の事で頭が回らず、表情も変化に乏しかっただけなのだ
「ち、違います。その…待っててもらえた事にビックリして…
でも嬉しかったんです、ありがとうございます。里中センパイ、天城センパイ」
自分が辛い思い出を置いていった中学生の時には体験した事のないものだった、雪子と千枝という上級生が灰音を待っていてくれて、一緒に帰ろうと誘ってくれたのは
それはとても新鮮でくすぐったくて、永らく冷えきる隣人関係が問題とされる都会にいた灰音には未知の体験だった。この事件が発生する時に自分の身を心配し送ると言ってくれた陽介の優しさを思い出させる
この胸に灯る温もりをじんわりと感じ、照れ臭そうにふわり、と綿毛を彷彿させる微笑を浮かべる後輩にがばりと何かがくっ付く。千枝がその表情をトリガーに灰音に抱きついて来たのだ
「へ…?!」
「灰音ちゃん、かわいー!本当礼儀正しくて、いい子だよ!」
「うんうん、うちの旅館にも欲しいくらい。花村くんには勿体ないよね」
「え、えーっと…どう、も?」
あの後、彼女達の気が済むまで猫可愛がりされ、そろそろ自分の心臓が恥ずかしさで保たないとなった灰音の誘導に漸く女性陣も豆腐屋へ足を運んだ。今度、事件が落ち着いたら遊ぶ約束を取り付けられて
行った先の豆腐屋で陽介達が見つからないと辺りを散策してみると、彼らは建物の影に隠れ、目深に被った帽子姿のりせを張り込んでいた。どう見ても怪しい、一連の犯人かと疑われても仕方ないと済まされる程には
「あんたら、なーにやってんの?こんなとこで…」
「何か…凄く、怪しい…」
「りせちーを見守り隊改めストーカーですか?」
「お前が犯人?」
「おい!」
用事によって、遅れてやって来た女性陣からの指摘に自分達がどれ程、周りから怪しく見られて来たのかを知った悠は思わず陽介に目をやる。大方、最初にこのストーキング一歩手前を合法化したのは彼なのだろう
そんなやりとりを露とも知らないりせはと言うと、商店街にある四目内堂書店で雑誌の立ち読みを始めた。灰音達の張り込みを始め、今の所はまだ彼女におかしな点は見られない
「まーいど~」
「本当にどこでも出前、してくれるのな!」
「器、置いといて」
「俺、大盛りッス」
「あたし、チャーシュー!」
ここで張り込みの間に頼んでおいた愛家の出前を原付に積み、店のデリバリー娘であるあいかが現れる。完二の事件前に町中で鬼ごっこを開催していた時も場所を特定してきた彼女
張り込み中でどこにもいるか分からない筈なのに、こうして持って来ても最早何の驚きも沸かない。話に聞くと林間学校中も出前を持って来たとか…慣れとは恐ろしいものだ
「俺、湯麺」
「俺のステーキ丼、取るなよ?」
「きつねラーメン、私…!」
「あ、私はパーコー麺なんで」
次々と頼んでおいた出前を受けとる悠達に続き、灰音達もあいかの原付に近付く。何とも美味しそうな中華の匂いが腹の虫を刺激してたまらない
「…あれ、一人分多いような…」
覗き込んだ岡持ちにはてっきり、最後に出前を取りに来た自分の頼んだもの一品が残っているばかりと思った。けれど、それを裏切る様に岡持ちの中にはもう一品が残っていたのだ
見た感じ、自分達の様な麺類や丼ではなく定食の様でガッツリ食べる気なのが伺える。だがこれを一体誰が頼んだのか分からない、誰かが一人で二品頼んだのだろうか?
「はい、はい、はい!定食、僕ね~」
「…って!何で刑事さん、ここにいんの?」
「足立さん、どうして……」
「堂島さんの指示で……あ!
嫌々!聞き込みの途中で偶然、君等がお昼注文しててラッキー…みたいな?」
あいかが場所も分からない自分達に出前を届けてきた事に驚かなかった灰音達は、こっそりと出前に便乗していた人間に驚かされる。その便乗者とは堂島とコンビを組む警察、足立だった
生まれつきの口の軽さが災いし、自分がここにいる理由に口を滑らせ、慌てて訂正するも殆ど全部暴露した後。どうやら堂島が灰音達が余計な首を突っ込まぬ様にと、見張らせる為に彼を派遣した様だ
「動いた」
「よし、行くぞ!神楽坂!」
「うー…勿体ない…」
「まだ食べてないよー!」
書店で立ち読みしていたりせが動き出した事によって、灰音達も動かざるを得ない。例えそれが出前を食べている最中でも問答無用で
定食という完全な昼食で受けとったばかりとあって、食べ切れない足立の愚図りを後に悠と陽介が直ぐさまにりせの後を追いかける。足立と同じ様に残す事を渋る雪子から千枝も中々、器を受け取れずにいたがそれが功を奏した
「ねえ、あれ!」
りせの後を追いかける灰音達の前に怪しい風貌の背中が、間に割り込んできた。誰の頭にもある単語が過る
「犯人…?」
「なに?!」
What was the name of the flower
(ねえ、あなたの名前を教えて?)
(あなたとしての、本当の名を)