#11 Ordeal that dwells in the world of two lap
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「あれが完二くんのペルソナ…」
「男らしいじゃん!」
「ペルソナ…、っ…」
「大丈夫か、完二?!」
タケミカヅチという新たな力を得た完二はその場に膝をついてしまう、テレビの中の環境というものは心身に深刻な影響を与えてしまう様だ。この世界に何日かいれられた完二もその例に漏れず
だが気を失いかける完二の表情にはどこか吹っ切れた様に微笑む顔があった、そしてその手の中には自分が受け入れた趣味の象徴である編みぐるみのマスコットが握られていた
こうして、雪子に続いて二度目となる完二の救出劇は成功に終わったのだった
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「こんなもん作ってりゃ、男からも女からもきもがられるよな、実際」
「う、うっせ!もういいんだよ、んな事は!」
日時は完二の救出劇から一気に飛び、翌月。6月6日
すっかり元気になって戻って来た完二を交え、灰音達は学校の屋上で彼と打ち解けていた。マスコットを作る趣味を弄る程に
「そうだな」
「おかげさまッス」
「ていうか、敬語使うんだね」
「まあ、先輩みたいッスから」
乱暴者という噂を聞いていた完二が敬語を使う事に違和感ありまくり、な千枝の言葉に彼はそう返す。意外とこういう人間なほど、上下関係というものには敏感なのかもしれない
つい先日までは悠達を町中巻き込んで追いかけていた彼とは思えない変わりようだ、やはり趣味を受け入れて貰った事が大きな影響を与えているのだろうか
「それより、一体どこのどいつが俺をテレビの中に突っ込んだんスか?」
「それを私達が今、探しているのよ」
「犯人探しか…それ、俺も頭数にいれてもらっていいッスか?
やられたからには10倍に返してやらねぇと気がすまねぇ!」
「マジで?!そりゃいい!すげぇ戦力じゃん!」
「うん!いいよね、鳴上くん!」
シャドウの時にも見たあの高火力が自分達の味方になってくれるなら、これ程心強い事はない
反対の意志が見受けられない仲間達、その言葉に悠も頷き、完二の仲間入りを歓迎した
「勿論だ」
「あざッス!巽完二、先輩らの為に命、張るッス!」
自分の命の恩人達の為に力を振るう事を決意する完二を灰音はぼんやりと見つめていた、会話に入り込めない。否、入ろうとする事は出来るが敢えて入ろうとしなかった
その理由を知る為にも日時を逆戻ろう、それは完二を救出した夜の事。自室に戻った灰音はこれまたぼんやりと膝に置いた召喚銃を見つめていた、正確には自分にこれを託した人物との思い出を
「鳴上センパイは、やっぱり似てる…能力だけじゃなくて、ちょっとした所が…"先輩"に」
ペルソナ能力においては瓜二つ、というものじゃない。まるで生き写しそのものだ、なら悠も"先輩"と同じ様な運命を――?
そんなのさせない、させてたまるか。間髪入れずに浮かんだ意志は召喚銃を掴んだ、2年前は自分にはこれがなかった、力がなかった。でも今なら…
「…もし、もしまた…あんな、世界を左右する事があったら…今度こそ――守って、みせる」
今度はきっと守れる、2年前の様に守ってもらう事しか出来ない自分ではないのだから
自分に科した思いに意識を飛ばしていた灰音はふと自分にかかる影に気付く、はてつい今まで晴れていたのにな、と顔を上げた。やはり空はこの時期には珍しい快晴だ
ならばこの影は、となる。その正体は空の雲にも似た巨体が自分を見ていた事にあった、いつの間にか悠達と話を終えた完二が灰音に近付いていたのだ
「…お前、なくしもん見つかったのかよ」
「なくしもん?…キーホルダーの事っすか?まだ見つからないままっすよ。ちょっと灰音さん、諦め気味だったり」
「…おらよ」
「……わざわざ作ってくれたんすか?」
「な、何だよ。文句あるなら返せ」
ぶっきらぼうに手渡されたのは桃色がかった白い毛並みが愛らしい猫のマスコットストラップ
あの日、完二に初めて出会った時に自分が探し物をしていた事を彼は覚えていてくれたらしい。あんな変哲のない会話からこんなものを作ってもらって、嬉しく思わない筈がない
「えー…これはもう私のものだから、返せないっすよー。…ありがとね、巽くん」
「お、おう」
なくしたものは二度と帰ってこなかった、けどそれ以上のものを手に入れた気がして。
この快晴の空の下に似合う様に灰音も微笑んだ、完二からもらった新しいストラップを今度こそ落とさない様にとしっかり握り締めて
「なあ、おい鳴上…何だ?この良い雰囲気は」
「編みぐるみスキルも磨くべきか…」
Ordeal that dwells in the world of two lap
(瓜二つなんてものじゃない、まるで生き写し)
(もう一度試されているというなら)
(私は今度こそ。)