#10 Physical and it turned into women's force
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『これはこれは…ご注目、ありがとうございまーす!ボク、完二!』
目の前には薔薇を撒き散らし、様々なポーズを取るふんどし姿の完二…もといシャドウ。そうは分かっていても外見は完二なもので、画面は薔薇の効果を持ってしても華やかさに欠ける
精一杯の防衛として暖簾に隠れる灰音達の視線を自分への注目と取ったシャドウ。この本体は良い人だと周囲からの調査で分かっていても、そのイメージを捨て去り、今にも逃げ出したい気持ちに駆られる
ー良い筋肉してるなぁ…
あれだけでこっちの目、引くから薔薇いらないよね、というのがこちらに暑苦しいウィンクを飛ばしてくるシャドウへ抱いた灰音の見解である。相変わらずの着眼点の狂いっぷりだ
それはそうと自分の先輩達はどうだろうと気にかかる。折角持ち直したばかりの勇気が折れたり、立て直したりと身が持たないだろうと同情していると背後から雄叫びが響いた、それはもう必死な
灰音の思惑を無視したそれは現実への逃避、それとも逃げられない現実への八つ当たりかの様に二体のペルソナが呼び出された、悠と陽介のものだ。この場でシャドウを仕留めるつもりだ、自分達の精神が折れる前に
「ちょっと待った!早いって!」
「うっせー!早く何とかしねぇとこっちは保たねぇんだよ!精神的にぃぃぃぃっ!!!」
『うふふふ…あ・や・し・い熱帯天国からお送りしていま~す!熱い湯気のせいで胸がビンビンしちゃう!』
マヨナカテレビという限られた枠を超え、直に見たシャドウとその行動…今で言うと胸の筋肉を動かす行動は何ともリアルで。テレビ越しでは感じられない嫌悪感がものの見事にこちらのヘイト値を上昇させてくる
この嫌悪感は同性だけに飽き足らず、異性を的確に煽ってくる。寧ろ異性だからこそ、強く嫌悪するのかもしれない。陽介と悠の様に怒りを爆発させた千枝の様に
「クマー!千枝チャンまでー!」
「ごめん、何かむかついて…」
「だよな?」
「熱帯の筈なのに、体の芯が凍る。これいかに」
『うふふ~ん…熱くなって来た所でこのコーナー、行っちゃうよ~』
シャドウの宣言に合わせ、テレビ番組のコーナーよろしくテロップが現れる。テレビ越しではないのに実体化し、目に映る演出はここがテレビの中の世界なのだと灰音達に再認識させるかの様だ
雪子がテレビの中に落とされた時にも現れたこのテロップ、この世界の演出家はこの手法がお好きらしい。二番煎じであって、二番煎じに感じないのはその文字が雪子の時と違う路線を行っているからだろうか
「…女人禁制!突☆入!?愛の汗だく熱帯天国!、…?」
「読み上げなくていいから、神楽坂!お前が汚れる!」
「やばい、これはやばいぞ。色んな意味で」
今までにない身の危険、ちゃんと言えば貞操の危機に悠や陽介の体がほぼ、同じタイミングで震え上がる
やはりここまで来るべきではなかったのだと、取り返しのつかない後悔に苛まれた。これこそ引き返せない出来事というやつなのだろう
「確か雪子ん時もノリとしてはこんなんだったよね…」
「う、嘘!こんなんじゃないよ!」
「確か逆ナンがどうとか…」
「灰音ちゃん、あれは誤解!誤解なの…!私だけど私じゃないのっ」
やはり演出面やシャドウの様子から、誰もが雪子の一件を思い出す様だ。彼女の番組の際は確か逆ナンに繰り出すまでの軌跡を放送していたか、突撃と突入、何だかデジャブを感じさせる後続番組ではないか
この世界に意図して入った訳ではない人間は皆、普段抑圧している感情が爆発するのかと疑う程に彼女といい、完二といいテンションが高すぎる。視聴者置いてけぼり番組はどうなのかという疑問はこの際、置いておいて
「やっぱ、この映像って中にいれられた奴が生み出してんのか?」
「ち、違う、こんなの…」
けれど流石にシャドウな完二と一緒にされるのはプライドが傷付けられるらしく、落ち込む雪子の様子が見られる
必死に自分の時とこの状況の相違点を探し、ぶつぶつと呟く姿はある意味で恐ろしい。まるで静かに導火線に火が点火されたかの様に
『それでは、更なる愛の高みを目指してもっと奥まで…突☆入!行くぞゴラァァ!』
「待て!」
次のコーナーに移動する為か、シャドウは一通り自分の肉体美をひけらかし、混沌に落とし込んだ灰音達を放り出し、駈けて行く。こういう時だけは元のあれくれ者に戻るらしい
あまり関わりたくないものの、それはシャドウだけで完二の行方を追う為にもシャドウを見失う訳にはいかなかった。追いかける陽介達の前に警官の制服を着たシャドウが出現、ここに来て初めての戦闘だ
「来たぞ!」
「こんなのと一緒…?私のときも…そんな、そんなの…何かムカつく!」
鮮やかな桃色をあしらった扇子で砕いたペルソナカードから、雪子のペルソナが姿を現す
全体を桃色のカラーリングで纏めたそのペルソナの名は『コノハナサクヤ』、日本神話で子孫繁栄を意味する女神。両手を繋ぐ様に連なる桜の花弁状の翼はどことなくポンポンの様で、チアガールの様な出で立ちだ
「行け、ジライヤァ!」
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