#7 Pieces that was missing in the hands of lost
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事件の解決だけでなく、犯人の目星さえもつかない状態を解決すべく休日返上で狩り出された父と遊べない寂しさを埋め合わせる為に悠達は菜々子を外へ連れ出したのだ。とは言っても行く所は決まっているのだが
何の変哲のないジュネスのフードコートで出されるビフテキでも嬉しそうに笑顔を咲かせる菜々子に誰もが気を良くし、もっと楽しませたいと思うのは当然で、
「ほーら、菜々子ちゃん食べなー!遠慮しないでー」
「うんっ。ありがとう!」
「良く噛んで食べるんだよ。あんまりいいお肉じゃないから」
「言う?!普通、そう言うこと、俺の前で言う?!」
「流石、天城センパイ…旅館で舌が肥えた人はごまかせないか…」
「それ、うちの肉が良い品質じゃないって言ってんのか?!」
とうとう我慢ならず、他の面子に皿を置く陽介から強奪したフォークを笑顔の千枝からもらった菜々子の前では気が緩んだのか、雪子がぽつりと悪びれなく失言。旅館の娘として磨き抜かれた目利きが光る言葉だ
普通なら、この店舗を預かる店長の息子である陽介の前で言うのは控える話題なのだろうが、雪子の言葉に灰音が助長するもので話は収まる所か広まる一方である
「はぁ~…」
「バイト、もういいのか?」
「漸く休憩。神楽坂も休んでけよ」
「うん、そうしなよ」
「じゃあお言葉に甘えて」
漸くピークを抜け、フロア担当から休憩と言われていた為に陽介はやっと一息といった所で乱暴にエプロンを脱ぎ捨て、席に腰を深く落とす。こうやって落ち着いて座るのも何時間振りだろうか
先輩である陽介がそうなのだから、と灰音もかけられる言葉を否定する理由もない為、もう一方の椅子へ座る。そのタイミングで今まで彼女に話しかけるのを我慢していた菜々子が口を開く
「灰音お姉ちゃん、お仕事おつかれさま!」
「ありがとう、菜々子ちゃん。あんまり遊べなくてごめんね?」
「ううん、大丈夫だよ。お姉ちゃんはお仕事だもん」
「つうか、折角のゴールデン・ウィークなのに何でここなんだよ」
「だって他に行くとこないじゃん」
少し目を辺りに向けるだけで視界は人、人、人…途端に人の群れで覆い尽くされる。他に行く所がないのは他の人達も同じなのか、この店に町の住人全員が集まってるのではと錯覚する程の群衆だ
一体、ジュネスが出来るまではこの人達はどこで大型連休を過ごしていたのか、という疑問が生まれるが、ここにいる人達に聞ける筈もなく、ジュースと共に喉の奥へ灰音は流し込んだ
「それにしてもなー、こんなお店じゃ菜々子ちゃん可哀想だろ」
「うん…こんなお店じゃ可哀想…」
「復唱しなくていいけどな」
そこは否定して欲しかった所だが、天然な性格の雪子にそれを望むのは酷なものだろう。けれど面として自分が思った事とはいえ、同じ事を言われるのは堪えるものである
上級生の会話をぼんやり聞きつつ、菜々子の食事の様子を見守っていた灰音は不意に外に設置されたスピーカーから聞き慣れた音楽を耳にする。ここのバイトなら飽きる程に聞くBGMだ
「菜々子ちゃん、菜々子ちゃんの好きな歌が流れるよ。聞いてみて」
「!エブリディ・ヤングライフ♪ジュネス♪ジュネスだいすき!」
「な、菜々子ちゃーん!」
「菜々子ちゃんマジ天使…!く…っ」
「落ち着け」
テレビのCMとして流れる度に反応してしまう程にお気に入りである歌を紡ぐだけでなく、ジュネス大好きと愛らしい笑顔で言われれば、こんなお店と揶揄され落ち込んでいた活気も弾むというもの
涙さえも浮かべながら、ジュネスでバイトに励む陽介と灰音は神を崇めるが如く、菜々子を崇める。灰音は感動の余り、瞼を抑えるもので悠が突っ込む始末
「でも、本当はお弁当持って皆で来る筈だったんだ」
「お弁当?菜々子ちゃん、作れるの?」
「ううん」
問いかけに首を振って、笑顔と共に視線を向けたのは今、まさに箸でビフテキを口に運ぼうとしていた悠だ。菜々子の視線が間違いでなければ、彼はお弁当を作れるという事だが…
今までそんなスキルがある事を伺わせなかった彼を見る雪子と陽介の目は丸く変化する、弁当が作れる程に料理が出来る悠の腕を意外に思っている目だ
「ん?」
「何、お前…弁当なんて作れんの?」
「嗜む程度に」
「へー…家族のお弁当係なんて凄いじゃん!"おにーちゃん"♪」
「!おにいちゃん…」
何て事ない千枝のおちゃらけた一言に反応し、菜々子は悠を見上げる。千枝にとっては友人同士の遊びの延長だったが、菜々子にとっては新鮮な響きだったらしい、その単語にすっかり心奪われていた
心に、ある考えを菜々子が秘めさせているのにも気付かず、陽介は悠の言動に感心した様子で話の輪を広め続けている。同年代で同性の彼が料理の腕に覚えがある事に尊敬すらしている様だ
何の変哲のないジュネスのフードコートで出されるビフテキでも嬉しそうに笑顔を咲かせる菜々子に誰もが気を良くし、もっと楽しませたいと思うのは当然で、
「ほーら、菜々子ちゃん食べなー!遠慮しないでー」
「うんっ。ありがとう!」
「良く噛んで食べるんだよ。あんまりいいお肉じゃないから」
「言う?!普通、そう言うこと、俺の前で言う?!」
「流石、天城センパイ…旅館で舌が肥えた人はごまかせないか…」
「それ、うちの肉が良い品質じゃないって言ってんのか?!」
とうとう我慢ならず、他の面子に皿を置く陽介から強奪したフォークを笑顔の千枝からもらった菜々子の前では気が緩んだのか、雪子がぽつりと悪びれなく失言。旅館の娘として磨き抜かれた目利きが光る言葉だ
普通なら、この店舗を預かる店長の息子である陽介の前で言うのは控える話題なのだろうが、雪子の言葉に灰音が助長するもので話は収まる所か広まる一方である
「はぁ~…」
「バイト、もういいのか?」
「漸く休憩。神楽坂も休んでけよ」
「うん、そうしなよ」
「じゃあお言葉に甘えて」
漸くピークを抜け、フロア担当から休憩と言われていた為に陽介はやっと一息といった所で乱暴にエプロンを脱ぎ捨て、席に腰を深く落とす。こうやって落ち着いて座るのも何時間振りだろうか
先輩である陽介がそうなのだから、と灰音もかけられる言葉を否定する理由もない為、もう一方の椅子へ座る。そのタイミングで今まで彼女に話しかけるのを我慢していた菜々子が口を開く
「灰音お姉ちゃん、お仕事おつかれさま!」
「ありがとう、菜々子ちゃん。あんまり遊べなくてごめんね?」
「ううん、大丈夫だよ。お姉ちゃんはお仕事だもん」
「つうか、折角のゴールデン・ウィークなのに何でここなんだよ」
「だって他に行くとこないじゃん」
少し目を辺りに向けるだけで視界は人、人、人…途端に人の群れで覆い尽くされる。他に行く所がないのは他の人達も同じなのか、この店に町の住人全員が集まってるのではと錯覚する程の群衆だ
一体、ジュネスが出来るまではこの人達はどこで大型連休を過ごしていたのか、という疑問が生まれるが、ここにいる人達に聞ける筈もなく、ジュースと共に喉の奥へ灰音は流し込んだ
「それにしてもなー、こんなお店じゃ菜々子ちゃん可哀想だろ」
「うん…こんなお店じゃ可哀想…」
「復唱しなくていいけどな」
そこは否定して欲しかった所だが、天然な性格の雪子にそれを望むのは酷なものだろう。けれど面として自分が思った事とはいえ、同じ事を言われるのは堪えるものである
上級生の会話をぼんやり聞きつつ、菜々子の食事の様子を見守っていた灰音は不意に外に設置されたスピーカーから聞き慣れた音楽を耳にする。ここのバイトなら飽きる程に聞くBGMだ
「菜々子ちゃん、菜々子ちゃんの好きな歌が流れるよ。聞いてみて」
「!エブリディ・ヤングライフ♪ジュネス♪ジュネスだいすき!」
「な、菜々子ちゃーん!」
「菜々子ちゃんマジ天使…!く…っ」
「落ち着け」
テレビのCMとして流れる度に反応してしまう程にお気に入りである歌を紡ぐだけでなく、ジュネス大好きと愛らしい笑顔で言われれば、こんなお店と揶揄され落ち込んでいた活気も弾むというもの
涙さえも浮かべながら、ジュネスでバイトに励む陽介と灰音は神を崇めるが如く、菜々子を崇める。灰音は感動の余り、瞼を抑えるもので悠が突っ込む始末
「でも、本当はお弁当持って皆で来る筈だったんだ」
「お弁当?菜々子ちゃん、作れるの?」
「ううん」
問いかけに首を振って、笑顔と共に視線を向けたのは今、まさに箸でビフテキを口に運ぼうとしていた悠だ。菜々子の視線が間違いでなければ、彼はお弁当を作れるという事だが…
今までそんなスキルがある事を伺わせなかった彼を見る雪子と陽介の目は丸く変化する、弁当が作れる程に料理が出来る悠の腕を意外に思っている目だ
「ん?」
「何、お前…弁当なんて作れんの?」
「嗜む程度に」
「へー…家族のお弁当係なんて凄いじゃん!"おにーちゃん"♪」
「!おにいちゃん…」
何て事ない千枝のおちゃらけた一言に反応し、菜々子は悠を見上げる。千枝にとっては友人同士の遊びの延長だったが、菜々子にとっては新鮮な響きだったらしい、その単語にすっかり心奪われていた
心に、ある考えを菜々子が秘めさせているのにも気付かず、陽介は悠の言動に感心した様子で話の輪を広め続けている。同年代で同性の彼が料理の腕に覚えがある事に尊敬すらしている様だ