#4 It should not exceed, the boundary
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そんなこんなで彼に流されるまま、連絡先を交換した二人。灰音の電話帳には「足立さん」というぶっきらぼうな呼称で彼の電話番号が登録された
会話中、重要な警察での情報をぺらぺらと話す足立にいいのか、と不安視を向ける彼は長く休憩している事を咎める堂島からの着信で再び捜査へと狩り出されて行った
思わぬ事で時間を喰った灰音はふと小西が辿った軌跡を歩む様に通路を歩いてみる。そういえば、彼女と電化製品売り場で事件のニュースを見てから可笑しくなったんだっけとそちらへ向かってみた所、
「…里中センパイ?」
「え…あ、灰音ちゃん…!えっと、これはその…!」
フードコートでの足立との遭遇に引き続き、今度は電化製品売り場とは縁がなさそうな千枝と遭遇してしまった。今日はエンカウント率が高いなとRPG脳で灰音は物事を考える
しかしどこか千枝の様子は可笑しい、一端可笑しくなると否が応でも目は離れなくなるもので。何故か床に座り込む彼女の手には中途半端に切れたロープ…一体、何の関連性があるか分からない組み合わせだ
「取り敢えず、死角っていっても人の目につくんであっちに…」
「だ、だめ!だめなの!それだけは勘弁して、灰音ちゃん!あたしの事は見逃して…!」
「えぇぇ…?」
どうやら、灰音にここにいるのがバレた事によってパニック状態に陥った千枝に縋られ、灰音は瞳を瞬かせる。一体何が何やらでこちらが混乱したいくらいだ
だがふと千枝の瞳に浮かぶ透明な膜に気付いた灰音にそれを蔑ろに出来ないわけで。ちょっと待ってと一先ず、売り場を離れた。先ずは千枝を落ち着かせなければ。
「里中センパイ」
「灰音ちゃん…?何でデッキブラシなんか持って来てんの?
はっ…!ま、まさかそれであたしを強制的に…!」
「売り場の前に清掃中の看板立てといたんで、一先ずこれでセンパイは見つからないと思うっす」
後これ、と灰音からフードコート内で買って来たであろうジュースを受けとった千枝はぽかんと口を開いたままで固まる。思ってもみない想定外の灰音の行動に驚いたのだろう
自分の掌の中で汗を掻くカップを見つめ、デッキブラシを持つ灰音を恐る恐ると見上げる。一体彼女がどうしてこんな事をしてくれるのか、その理由がどうやっても分からなかった
「いいの?あたし達の為にこんな事して、灰音ちゃんクビになるんじゃ…」
「元からここは清掃する予定だったんで大丈夫っすよ
そんな必死な顔した里中センパイを追い出せないんで…まあ、仕方ないかなって」
「ありがとう、灰音ちゃん。恩に着るよ…!」
「いつも仲良くしてもらってるお礼です」
涙ぐむ千枝に微笑を残し、売り場の清掃へと向かう灰音。安心感から漏れた千枝の言葉には彼女だけでない、他の人間の存在も示唆出来た事は見逃さなかった
一体、あんな場所に女子一人残して行く人間の顔を見てみたいものだ、と若干の憤りを感じながら、清掃作業を始める灰音。そんな彼女の脳裏には何故か見知った先輩の顔が浮かんで消えた
「あああああ?!」
「?!」
悲鳴の様な声が清掃中の灰音を電化製品売り場へと引き戻す。まだ数分と経っていないのに恐ろしい早さでイベントが進むこと進むこと
千枝に何かあってからでは遅い。変に騒ぎ立てる心臓が急かすがまま、覗いた大型テレビが置かれた一角で灰音はありえないものを目の当たりにした
――見てしまったのだ、テレビの中から陽介と悠が出てくるのを。瞬間、灰音の脳裏で記憶が弾ける。人が認識しない、隠された時間の記憶は月明かりから始まっていた
「か、帰ってきたぁぁ!」
「ど、どうしたんだよ?」
「どうした、じゃないよ!ロープ切れちゃうし、どうしたら良いか分かんないし!心配したんだから!」
他のテレビやマッサージチェアの裏から灰音が見ている事にも気付かず、千枝は戻って来た陽介に今までの不安と共に役に立たなくなったロープの塊を手繰り寄せ、ぶつけた
本気で陽介達の安否を心配し、かと言って誰かに相談する事も出来ずに一人、その思いを抱えた千枝の思いは本物だ
そこまで言っても千枝の不満の声は留まる術を知らずにまだまだ続く。あちらでどんな事があったかは知らないが、少しはこちらを省みて欲しかった思いが言葉の芯として通っていた
「ああ!もう腹立つ!最悪!信じらんない!あんたら、最低!
灰音ちゃんが来てくれなかったら、あたし、あたし…!」
「悪い、里中…」
「ごめん…」
ただ待つ、という事は何もせずにいられるが、待つという行為はある種で色んな想いと戦うという意味でもある、千枝は一人で不安と戦い続けたのだ
だからこそ、有耶無耶に笑い事に出来ない二人は彼女の思いを真摯に受け止めなければならない理由がある。寧ろ、今は謝って千枝が落ち着くのを待つしかない
深く自分達の行いを悠の隣で反省する陽介だったが、ふと千枝の言葉に関係ない名前が出た事にそこで漸く気付いた。何故自分の後輩を千枝が出して来たのだろうか――
「ん?って何でそこで神楽坂の名前が出てくんだ?」
「女の子を泣かせて、放置とはいいご趣味っすね。花ちゃんセンパイ、鳴上センパイ」
「灰音?」「神楽坂?!」
物陰から現れた、今まさに頭の中に思い描いていた人物の出現にぎょっと陽介や悠は驚きの余り、瞳が大きく見開かれる
ここにいるのはバイトだという事で説明はつく、そこはまあいい。問題はそこではなく…
会話中、重要な警察での情報をぺらぺらと話す足立にいいのか、と不安視を向ける彼は長く休憩している事を咎める堂島からの着信で再び捜査へと狩り出されて行った
思わぬ事で時間を喰った灰音はふと小西が辿った軌跡を歩む様に通路を歩いてみる。そういえば、彼女と電化製品売り場で事件のニュースを見てから可笑しくなったんだっけとそちらへ向かってみた所、
「…里中センパイ?」
「え…あ、灰音ちゃん…!えっと、これはその…!」
フードコートでの足立との遭遇に引き続き、今度は電化製品売り場とは縁がなさそうな千枝と遭遇してしまった。今日はエンカウント率が高いなとRPG脳で灰音は物事を考える
しかしどこか千枝の様子は可笑しい、一端可笑しくなると否が応でも目は離れなくなるもので。何故か床に座り込む彼女の手には中途半端に切れたロープ…一体、何の関連性があるか分からない組み合わせだ
「取り敢えず、死角っていっても人の目につくんであっちに…」
「だ、だめ!だめなの!それだけは勘弁して、灰音ちゃん!あたしの事は見逃して…!」
「えぇぇ…?」
どうやら、灰音にここにいるのがバレた事によってパニック状態に陥った千枝に縋られ、灰音は瞳を瞬かせる。一体何が何やらでこちらが混乱したいくらいだ
だがふと千枝の瞳に浮かぶ透明な膜に気付いた灰音にそれを蔑ろに出来ないわけで。ちょっと待ってと一先ず、売り場を離れた。先ずは千枝を落ち着かせなければ。
「里中センパイ」
「灰音ちゃん…?何でデッキブラシなんか持って来てんの?
はっ…!ま、まさかそれであたしを強制的に…!」
「売り場の前に清掃中の看板立てといたんで、一先ずこれでセンパイは見つからないと思うっす」
後これ、と灰音からフードコート内で買って来たであろうジュースを受けとった千枝はぽかんと口を開いたままで固まる。思ってもみない想定外の灰音の行動に驚いたのだろう
自分の掌の中で汗を掻くカップを見つめ、デッキブラシを持つ灰音を恐る恐ると見上げる。一体彼女がどうしてこんな事をしてくれるのか、その理由がどうやっても分からなかった
「いいの?あたし達の為にこんな事して、灰音ちゃんクビになるんじゃ…」
「元からここは清掃する予定だったんで大丈夫っすよ
そんな必死な顔した里中センパイを追い出せないんで…まあ、仕方ないかなって」
「ありがとう、灰音ちゃん。恩に着るよ…!」
「いつも仲良くしてもらってるお礼です」
涙ぐむ千枝に微笑を残し、売り場の清掃へと向かう灰音。安心感から漏れた千枝の言葉には彼女だけでない、他の人間の存在も示唆出来た事は見逃さなかった
一体、あんな場所に女子一人残して行く人間の顔を見てみたいものだ、と若干の憤りを感じながら、清掃作業を始める灰音。そんな彼女の脳裏には何故か見知った先輩の顔が浮かんで消えた
「あああああ?!」
「?!」
悲鳴の様な声が清掃中の灰音を電化製品売り場へと引き戻す。まだ数分と経っていないのに恐ろしい早さでイベントが進むこと進むこと
千枝に何かあってからでは遅い。変に騒ぎ立てる心臓が急かすがまま、覗いた大型テレビが置かれた一角で灰音はありえないものを目の当たりにした
――見てしまったのだ、テレビの中から陽介と悠が出てくるのを。瞬間、灰音の脳裏で記憶が弾ける。人が認識しない、隠された時間の記憶は月明かりから始まっていた
「か、帰ってきたぁぁ!」
「ど、どうしたんだよ?」
「どうした、じゃないよ!ロープ切れちゃうし、どうしたら良いか分かんないし!心配したんだから!」
他のテレビやマッサージチェアの裏から灰音が見ている事にも気付かず、千枝は戻って来た陽介に今までの不安と共に役に立たなくなったロープの塊を手繰り寄せ、ぶつけた
本気で陽介達の安否を心配し、かと言って誰かに相談する事も出来ずに一人、その思いを抱えた千枝の思いは本物だ
そこまで言っても千枝の不満の声は留まる術を知らずにまだまだ続く。あちらでどんな事があったかは知らないが、少しはこちらを省みて欲しかった思いが言葉の芯として通っていた
「ああ!もう腹立つ!最悪!信じらんない!あんたら、最低!
灰音ちゃんが来てくれなかったら、あたし、あたし…!」
「悪い、里中…」
「ごめん…」
ただ待つ、という事は何もせずにいられるが、待つという行為はある種で色んな想いと戦うという意味でもある、千枝は一人で不安と戦い続けたのだ
だからこそ、有耶無耶に笑い事に出来ない二人は彼女の思いを真摯に受け止めなければならない理由がある。寧ろ、今は謝って千枝が落ち着くのを待つしかない
深く自分達の行いを悠の隣で反省する陽介だったが、ふと千枝の言葉に関係ない名前が出た事にそこで漸く気付いた。何故自分の後輩を千枝が出して来たのだろうか――
「ん?って何でそこで神楽坂の名前が出てくんだ?」
「女の子を泣かせて、放置とはいいご趣味っすね。花ちゃんセンパイ、鳴上センパイ」
「灰音?」「神楽坂?!」
物陰から現れた、今まさに頭の中に思い描いていた人物の出現にぎょっと陽介や悠は驚きの余り、瞳が大きく見開かれる
ここにいるのはバイトだという事で説明はつく、そこはまあいい。問題はそこではなく…