#3 Coward left foot he froze
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ん?何だ、まだ帰りの仕度してなかったか?だったら待っててやっから早く…」
「えっと…今日シフト入ってるんですけど、私」
「おま…っバカか?」
「センパイ、流石に私にも傷付く言葉ってのがあるの知ってます?」
失敬な、と頬を膨らませ、いじけた風を装ってみたものの、自分がやっても可愛くないわとないわー自分ないわーと自分の自傷行動でダメージを負った灰音はじと目だけを残す事に
不服そうな灰音からの視線を交わし、陽介は態とらしいため息をつく。どうやら薄々と彼女の行動が読めており、それが的中した事を憂いている様だ
「放送でも言ってただろ、速やかに下校しろって。やっぱり見に来て成功だったわ…
ほら、早く荷物取って来いよ。家まで送ってってやるから
「センパイ……それ、小西センパイに行動した方が好感度上がったんじゃ?」
「はっ…!」
灰音の指摘で漸くそこに行き着いたらしく、しまったぁぁぁ…!と頭を抱え後悔する陽介。しかしここは廊下、そして彼の目の前には灰音の姿
これでは自分が彼を泣かしたとあらぬ誤解が生まれるじゃないか、というか訂正しない辺り、この人は本当にと灰音は彼に女と見て貰えていない事を嘆くか否かで脳内会議を開催してしまったのだった
それは周囲から大量に注がれる視線に気付き、我に帰った陽介が灰音を回収するまで続いた
「嫌だねぇ、ここでずっと暮らしてきたけど、こんな大きな事件は初めてだよ」
「何かあった?お婆ちゃん」
「あれの事じゃろ、さっきから同じ事ばっか言いおってからに…まったく」
首にバスタオルを巻き、毛先から水滴を垂らす姿が灰音が風呂上がりである事を現していた。そんな彼女が風呂から上がって来た事にも気付かずに富美代はテレビに愚痴をこぼしている
一体、何が祖母の気掛かりになっているのかと居間に置かれたテレビに目を向ける。ニュース番組ではアナウンサーの山野という女性が町で変死体で発見された事を報道されていた
遺体発見現場の状況をアナウンサーが読み上げた後、八十神高校の制服を着た女生徒がインタビューを受けている映像へ移行する。テロップの通りなら、彼女が遺体の第一発見者という認識で間違いない様だが…
『最初に見た時、どう思いました?』
『え…えーっと…』
『この辺りで不振な人とか見たりしなかった?』
『わ、私は何も…』
『第一発見者のインタビューでした
被害者の山野アナは生前に議員秘書の男性と不倫関係にあった事から…』
「…今の人、どこかで……」
第一遺体発見者が同じ高校の生徒だと知ったからか、事件そのものがぐっと距離感を縮めてきた様だ。やはりこの事件この地に住む人間とは切っても切れない仲を強制してくるらしい
しかしこの既視感は同じ高校に通っている上で見覚えがあるから、という単純なものではないらしい。その女子生徒が誰かまでは今夜の灰音には特定出来ずにニュースは他の話題へ移った
「灰音ちゃん、ちょっと外に出ない?」
「あ、はい。丁度休憩したかったんでお供します」
バイト先で陽介と同じ様に自分のバイトである小西に誘われ、向かった先のフードコートに設置されたテレビでも今回起こった事件を朝から連日報道されていた。まるで連日の雨の天気予報とすげ代わったかの様に
事件発生から一日が経った放課後、発生から一日経った町は普段通りを装いながら、人々の雰囲気はどこか息苦しさも感じられる程に張りつめられている
そんな中でいつもの調子を崩さない灰音、どこにいる殺人犯に怯えるのは時間の無駄で疲れる、といった何とも彼女らしい無気力さである
「昨日からずっとこの話で持ち切りですね」
「……」
「小西センパイ?何だか顔色が悪いみたいですけど…」
「ううん、平気平気。ちょっとシフト詰めすぎちゃっただけだから
……ねえ、灰音ちゃん。花ちゃんの事、よろしくね」
「え……や、やだなぁー小西センパイ、普通は逆っすよ?私が花村センパイにお世話される方なのに
どれだけ花村センパイったら信用されてないんだか。それにセンパイは私より小西センパイによろしくされた方が喜びますってー」
陽介の事をよろしく、と言った小西の言葉が何とも言えない表情で、それはまるで何かから逃げられない事を察し、絶望している様な…簡単に片付けられない面持ちで
だからこそ、灰音はそうやってさして何もない様にはぐらかすしかなかった。小西の言葉に頷いたら、彼女との繋がりをなくしてしまいそうで怖かったのだ
「小西先輩!せんぱーい!」
「ああ、花ちゃん」
.