TURN-006 明日、目覚める君へ捧げる
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「ぐあああああ!!!」
《だから、コイツは何も知らないって!》
「私を甘く見るな!」
「!晃、何か来るわ」
ブルーエンジェルの姿で自身を偽っていた女性の手によってかかった罠、自身を縛り付けるギミックの力が増し、たまらず叫ぶPlaymaker
その叫びに呼応したかの様に天から落ちて来た一つの流星は少女の形をしていた。いつも自分を追いかけ、幸せそうに蕩ける顔とは違った表情。流星は今、Playmakerの窮地に手を伸ばそうと空から舞い降りた
「今すぐプレイメーカーさんを解放してください、晃さん!」
「その呼び方…それにこのシステムを解析し、穴を作った能力…!まさか、君は…」
《いいぞ、そのまま説得してくれ!》
「ブルーエンジェルさんが昏睡状態に陥ったのはプレイメーカーさんのせいじゃないんです!
あの時の決闘、ブルーエンジェルさんの最後のターンで使ったカードに原因がある!」
「君もプレイメーカーと同じ様な嘘を…!」
「!させません!」
少女の必死の説得も空しく空を切りそうな程、晃はPlaymakerを信用できない様だ。無理もない、晃にはタイムリミットが存在する。その間に葵をどうにか助けたいという気持ちが強すぎて暴走している
再び晃がPlaymakerを縛る罠を作動しようとするその腕に飛びつき、阻止しようとする少女の背後でLINK VRAINSのデータが作り出した空から落雷が降った。流星が少女の形をしていたなら、落雷は異質な青年の形をしていた
《アイツは…》
「リボルバー!」
「リボルバー?」
「ハノイの騎士か」
ハノイの騎士が現れたという事は少女にとって、増々この状況を悪い方向に持っていく様にしか感じられなかった
初めてハノイとPlaymakerが決闘した時の事を思い返すに、彼らはPlaymakerが持つAIを狙っていた。Playmakerが手を出せないこの状況でそのAIを奪っていくのでは、その危惧が少女の胸を走った
「プレイメーカーを放せ」
「何?!」
「この男の相手をするのは私だ」
「そんな事は出来ん!」
「そうか…お前は私の力を見くびっている様だな」
驚く事に敵である筈のPlaymakerを助けに来た…否、この場合はPlaymakerと戦いに来たリボルバーと呼ばれた青年は自身が降って来た空へと腕を伸ばす
――瞬間、発生する風。データの世界である筈の世界に起きる筈がない自然現象は徐々に竜巻―データストームへと姿を変え、辺り一面を破壊し、過ぎ去っていった
「な、何なの?コイツ!データストームを自在に操るなんて!」
「私がLINK VRAINSを破壊すること等、容易い事だ。だがそんな事はどうでもいい
私の目的はたった一つ、プレイメーカーが持つAI」
それまでは微動だにしなかったリボルバーの顔が歪む。それは憎しみ、怒りをPlaymakerのAIに抱いているという印象を少女に感じさせた
だが彼がやって来たのなら、Playmakerの潔白を証明できる。自分では出来なかったが、Playmakerの言う事が本当ならハノイの騎士がブルーエンジェルに何かしたと証言させられれば、この状況をひっくり返せる
「待って!貴方…ハノイの騎士がブルーエンジェルさんに何かしたのは、本当なの?!」
「ああ。プレイメーカーの正義感を煽り、おびき寄せる人質として、電脳ウィルスを仕込ませてもらった
無名の誰かでは効果が薄いからな、そこでブルーエンジェルを利用させてもらったまでだ」
「ウィルスと言うなら、除去するワクチンがある筈…それを渡して!」
「それはそこの男次第だ」
簡単にブルーエンジェルの昏睡状態を自分達―ハノイの騎士の仕業だと打ち明けたリボルバー、その証言からウィルスを除去するワクチンも存在する事が分かった
ブルーエンジェルを常闇の眠りから目覚めさせる為、リボルバーの握るワクチンが必要だが、それにはPlaymakerが持つAIを渡すのではなく、晃の行動次第だと言う
「SOLテクノロジー社 セキュリティ部長、財前晃。お前の役目もまたイグニスを回収する事だったな
このままイグニスを回収すれば、お前はSOLテクノロジー社としての役目を果たすのだろうが、お前の妹が暗闇から目覚める事は一生なくなる。もしプレイメーカーが私に決闘で勝てば、お前に除去プログラムを渡す」
「バカな!正体の分からぬお前達に妹の未来を委ねるなど…!」
「道は一つだけだ。さあ選べ!お前自身で妹の未来を」
「くっ…」
「晃さん…」
「妹の命には、代えられない」
少女やPlaymakerを晃の命で罠にかけた女性の視線が注がれる中、晃はPlaymakerを拘束していた罠を解放する。SOLテクノロジー社の席に固執するのではなく、妹を思う兄として行動したのだ
拘束から解放されたPlaymakerとリボルバーの目線が交わり、静かな二人の闘志が廃墟に充満していく。やがてその静寂をリボルバーの一言と笑みが切り裂いた
「ふっ…待っているぞ、プレイメーカー」
果たし状をPlaymakerに叩きつけ、彼の窮地を助けた救世主でもあり、彼の復讐心を向けられる青年はデータストームを伴い、消え去った
どうやらここは自分達の決闘に適した場所ではないらしい。リボルバーが何処へ行ったかは今まで戦い続け、覚えたハノイの匂いが教えてくれる。けれど、リボルバーは今までのハノイの騎士達とは違う存在だ
《行くのか?強敵だぞ》
「俺は奴と戦う為にここまで来た」
憎み続け、そして望み続けたハノイの騎士-その中核である存在との戦いにもPlaymakerは冷静さを欠く事はない
リボルバーが誰よりも強敵であると分かった上で彼は戦いの場に赴こうとしていた。この戦い、必ず勝たなければならない、自分や草薙の為にも。そして――葵の身を案じ、歪な笑顔を浮かべた少女に笑顔を取り戻す為にも
「プレイメーカー。信じていいんだな?君を
私は君に酷い事をした、なのに君は妹の為に…憎まれて当然の私の為に戦ってくれるのか?」
「俺はお前を憎んでなどいない
俺が憎むのは、ハノイの騎士だけだ」
「プレイメーカーさん!」
「着いてくるな」
《お前、危ない所を助けてくれようとした恩人に!》
「いえ、着いていかせてください
今まで以上に危ない決闘になるなら、なおさらです」
《危険と知って着いてくる…普通なら逃げるもんじゃないの?理解不能!》
明日、目覚める君へ捧げる
(どうか、宵闇から覚めた君の目に)
(最初に映るのが、私であるように)