TURN-015 狩人が告げる夢の終わり
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「貴女は電脳ウィルスの被験者 第1号。貴女から得たデータを元に改良を加え、アナザーの電脳ウィルスは完成した」
「まるで自分が造ったみたいな言い方ね、そうなの?」
「イエス…と言ったら?」
「許さない…誰でもいいって言ったのは訂正するわ、私はアンタをぶっ潰す!
あの時の借りを何倍にもして返してやるわ!」
電脳ウィルスに侵された時、晃や綾乃が自分を助けてくれなければ、一生、あの常闇の中に閉じ込められていたのだろう
どこまでも続く暗闇に悲鳴をあげた、そこから助けてもらう為に必死に声をあげ続けた。それでも、その声が晃や綾乃に届くまで長く苦しい、絶望の時間を有した
ブルーエンジェル、葵は電脳ウィルスに侵され、アナザーになった人々が自分と同じ様に今もあの暗闇の中で声をあげ続けている事を知っている。あの時、二人に助けてもらった様に今度は自分が――
「私が勝ったら、除去プログラムを渡してもらうわ!」
「それは貴女の親友…椎名綾乃の為?」
「どうして、綾乃の事…。…ええ、そうよ。私の親友もアンタの造ったウィルスでアナザーになった!
あの時、私が底知れぬ闇の中で叫んでいた様に綾乃だって、今もあの暗闇の中で…だから、絶対に私があの子を助ける!アンタをぶっ潰してね」
「何も知らないのね、彼女が暗闇の中にいる?本当にそう思ってるの?」
「どういう事よ!」
「私に勝ったら、教えてあげるわ。除去プログラムのありかも、彼女の所在もね」
世間がブルーエンジェルとハノイの騎士の幹部―バイラとの決闘で盛り上がる中、Playmakerの姿はLINK VRAINSを構成する街の外れにある廃ビルの中にあった
気をつけろよ、とサポートに回る草薙の声が慎重になる様に言い聞かせてくる。ビルは一見すると幾つもの部屋がある様に見えたが、内部は階段で作られた一本道が屋上へ伸びるのみ。探し人はこの先だろう
長かった階段の先の錆びついた扉を開くと一瞬、一塵の風が吹く。それはこの世界が彼女を異物だとしても守ろうとしているかの様で、ここへ少女を現実へ連れ戻しに来たPlaymakerを追い払おうとしている様だ
「――どちら様、でしたっけ…/――プレイメーカーさん
ああ、そうでした!こんばんは、プレイメーカーさん!わざわざ、私に会いに来てくれたんですか?/――会いに来てくれたのは、私?それとも、」
《ああ、こりゃ…やばいな…》
「何だ」
《アバターと精神が混濁して、どっちがどっちか、本人にも分からなくなってるって事!
早めに切り離さないとアバターと存在が混じって、現実世界に戻れなくなるぞ》
いつになく真剣さを帯びた声でPlaymakerに忠告するAiを見つめていた視線をクロッシェの方へ向ける、ビルの屋上で佇む少女のアバターはいつも通りにPlaymakerを蕩ける様な瞳で見つめている
時折、クロッシェの姿を掻き消す様に走るノイズの正体はパソージェンとなった彼女を除去しようとLINK VRAINSが何らかのプログラムを行使しようとしているからだろう
アバターに残留する電脳ウィルスが日々、形を変える為にクロッシェは消えずにLINK VRAINSを彷徨い続けている。それは――綾乃本人が言っていた、幽霊―ゴーストの様に
「今日はどうしたんですか?あ、もしかして!私とそろそろ決闘してくれる気になったとかですか?/――貴方も苦しいの?助けてほしいの?」
「ああ、今日はお前の望み通りに決闘をしに来た。このまま、お前を野放しにする事は出来ないからな」
《プレイメーカー、気をつけろよ
ブルーエンジェルの時みたいにいつ、どんな時に暴走するか分からない》
「分かっている」
目の前で決闘盤を構えるクロッシェの親友であるブルーエンジェルが電脳ウィルスに侵された時の様に、時間をかければかける程に現実世界の綾乃への負荷は強まるだけだろう
それこそブルーエンジェルの正体である葵の様に、既にアナザーになっている綾乃がこのまま、覚醒せずに終わる事だって有り得る話なのだ
それでは、遊作は困るのだ。だってまだ彼は綾乃に彼女の誇りとも言える決闘盤を返してもいなければ、その時の自分の浅はかな行動がこの事態を引き起こした謝罪も出来ていないのだから
「――容赦はしない」
狩人が告げる夢の終わり
(さあ、長くも短い)
(夢をこの手で、)
「「――デュエル!!」」
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