TURN-011 手折った花の色で彩る勝利
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「クロッシェ、この後は?」
「この先、暫く直進です!ぶつからない様に気を付けて!」
「OK!」
ブルーエンジェルとクロッシェが行動を共にするのは久し振りで、彼女の復帰を大いに喜びたい所だが、ここはSOLテクノロジー社のマザーコンピューター内、今日は自粛しよう
しかし、前方を行くブルーエンジェルがどこからこのマザーコンピューター内の構造を手にしたのか、謎が残る。彼女からクロッシェはPlaymakerに借りを返しに行くから、手伝って欲しいとしか言われてない
けれど、それが全てなのだろう。初めてPlaymakerが邂逅し、助けられた時の借りを返した様に、今回の件でもその借りを返さなければ、筋が通らない。だからブルーエンジェルは綾乃を連れだって、ここに赴いた
「クロッシェ」
「あ、はい!」
「こんな危険な事に付き合わせてごめんなさい
でも、危険な事だからこそ…貴女の力を貸して欲しかったの」
その顔は限りなくブルーエンジェル―葵の浮かべる表情に近いものだった、葵だってSOLテクノロジー社にハッキングする事がどんなに危険な行為かと分かっていた
それでもここに来なければならない理由が彼女にはある、Playmakerに借りを返す為でもあるが、やはり一番は――他の何者にもPlaymakerを倒す役を奪われたくないからだとクロッシェは分かっていた
Playmakerは好意を寄せる人、ブルーエンジェルはもちろん親友でどちらの負ける姿なんて見たくない、それが当面のクロッシェの悩みとなりそうだ
「何言ってるんですか!ブルーエンジェルさんがいなかったら、現実の私は幽霊のままでした
こうして、仮想現実でも足がつける様になったのは貴女のおかげ。これはささやかですけど、そんな貴女への恩返しと思ってください」
「クロッシェ…」
「ブルーエンジェルさんが私に頼って欲しいって言ってくれた様に、私も貴女に頼って欲しいんですからね」
それをお忘れなく!と語気が強めなのに、クロッシェの表情はどこまでもブルーエンジェルへの優しさに満ちていた。懐かしい、とブルーエンジェルはほぼ反射的な考えを胸に浮かべる
まだ葵や綾乃が小さな頃、あまりにも綾乃が大人びて、見返りを求めない優しさで接してくれた事で年上だと勘違いしていた頃を、思い出した
順調に先を進んでいるであろうPlaymakerを追いかけるブルーエンジェルとクロッシェの前方から、風を感じられたのはその時だった。VR空間に風なんて自然現象は発生しない、だとするとこれは――
「これは…データストーム?!こんな所でも…」
「ブルーエンジェルさん!前!」
「あ……ふふ!早速、借りを返す時が来たみたいね」
「ちょっ…早いですって!」
嬉々としてデータストームの中へ飛び込んでいったブルーエンジェルにはどうやら、自分の目的の人物が見えた様だ
自身の決闘盤を強奪しようとするAI決闘者から身をかわし続けるPlaymaker、決闘もハンドレスという戦法を取られ、絶対的な状況に追い込まれている
その窮地の原因であるAI決闘者をブルーエンジェルは愛用の鞭でデータストームの外へ追い出すと、Playmakerは彼女の姿をその目に捉え、驚いた様に目の色を変えた
「ブルーエンジェル」
「勘違いしないで、貴方の借りを返しに来ただけだから」
「お前に貸しを作った覚えはない」
「だったら、それでもいいけど」
「どぅりゃぁぁぁ!!!」
その雄叫びにブルーエンジェルとPlaymakerの肩が微かに跳ねた
未だにPlaymakerの決闘盤を奪え、という第三者の指示の元、動く三体目のAI決闘者が二人の会話の間に入り込もうとした瞬間、華奢な筈の体がデータで作られた決闘者にタックルしていったのだ
「決闘者にあるまじき行為!見過ごす訳にはいきません!
例え、AIであっても決闘者としての誇りあれ!そういう訳で、プレイメーカーさんの危機に私、颯爽と登場です!」
「誰も危機に陥っていない」
「ちょっと、プレイメーカー!私の親友の好意を無駄にしないでよね!
私は貴方の借りを返しに来ただけだけど、彼女は本当に貴方を心配して来たんだから」
ブルーエンジェルの非難にも、クロッシェの笑顔に何も応えずにPlaymakerは先を急ぐ様に横道へ逸れていく。その後を追尾するAI決闘者は1人
1人相手ならば、先程の様な邪魔も入らない、後は彼一人で上手くやるだろうとブルーエンジェルへアイコンタクトを送るクロッシェ。その内容は――1体のAI決闘者は任せた、というもの
「さあ、AI決闘者さん!残ったあなたのお相手は私です!
こう見えて、私、割とカチンときてます!二度とプレイメーカーさんに決闘以外の手段を打てない様、教育してさしあげますね!」
「「スピードデュエル!!」」
クロッシェからのアイコンタクトの内容を正確に受け取ったブルーエンジェルは頷くと、2体の内の1体を自分の方へ引き付け、決闘を開始した様だ
データストームの水面をAI決闘者よりも早く駆け抜けるクロッシェ、どうやらAI決闘者に先攻後攻を選ぶ気はない様だ。ここは先攻を取ってもいいと見たクロッシェが戦いの火蓋を切る
「私は手札からフィールド魔法『エフロエンス・ガーデン』を発動!更に《ローンファイア・ブロッサム》を召喚して、効果を発動します!
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして、デッキから植物族モンスター1体を特殊召喚!
《ローンファイア・ブロッサム》をリリースして、デッキから《エフロエンス・ミスチヴァス》を特殊召喚!
この瞬間!『エフロエンス・ガーデン』の効果発動!【エフロエンス】モンスターが召喚される度に自分LPを500ポイント回復します!」
『エフロエンス・ガーデン』の効果でLPが回復した事で初期のライフが4500まで上昇
だが自分のLPを回復してばかりもいられない、自分が信じて構築したデッキはLPを回復するだけが能ではない、ちゃんと相手から勝利を掴み取る能力だってある事を見せつけなければ
「ミスチヴァスのモンスター効果を発動です!
手札より【エフロエンス】モンスター2体を墓地に送り、その効果で1枚目のモンスター…《エフロエンス・エウラリア》の攻撃力分のダメージを相手に!」
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