TURN-010 翡翠の視線が貫く
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―……て
いつもの声が聞こえる
―…きて
「「 起きて 」」
「…!」
「あ、起きたんだね」
Aiが奪い取ったリボルバーの左腕から入手した情報を草薙と解析する日々が続いた。学校があるだろうと言う草薙を大丈夫だと押し込んで、今日で何徹目の夕方だろうか
ピン、と張った糸が切れる様に眠っていた遊作が起き上がった事に微笑んだのは例の声の主ではなく、綾乃と呼ばれる少女、財前葵の親友だ
「折角来てくれたのにごめんね、看護師さんがもうすぐ面会時間が終わるからって」
「…悪い」
「ううん、ぐっすり寝てたのに起こしちゃった私の方がごめんね、だよ」
自分がいない間に来て、ベッドに頭を預けて寝ていた事にも、何故そんなにも眠そうにしているのか、綾乃は何も尋ねようとしない
それは彼女の持つ優しさからなのか、それともただ単に遊作に興味がないだけなのか――決闘では冴える頭が寝起きのせいなのか、鈍い。それが歯がゆくて、爪を立てる様に遊作は拳を作った
「あの、変な事聞いてもいいかな…?」
「変な事?」
「うん、復讐ってどう思う?」
「……」
「…あ、えっと…葵ちゃんが一時、意識不明になった原因がもし故意的だったら…私はその人を恨んでたのかな、って」
「…意外だな、アンタはそういう黒い感情に疎いと思っていた」
看護師にもうすぐ面会時間が過ぎると聞かされた背中を引き止めた綾乃へ振り返る瞳
翡翠色の瞳は、あの人―Playmakerを綾乃に彷彿させた
「復讐はその人間に与えられた、唯一の使命…権利だ
何も知らない人間にそれを止める資格は、ない」
「……プレイメーカーさんも、同じ事を言うのかな…」
「プレイメーカー?」
権利とまで言われたなら、きっと自分にはPlaymakerを止める事は出来なさそうだ
ぽつり、窓の外を見つめながら、地平線の向こうに沈みかける太陽へ落ちた言葉は遊作が決して拾ってはいけない言葉。それなのに遊作は反応してしまった
「アンタ、プレイメーカーのファンなのか」
「うん、好き……なの。お、可笑しいよね!データ上のアバターでしか知らない人なのに恋をするなんて!
…でも何度も会っていく内にどんどん好きになっていって……もっと傍にいたいって思う様になっていくの、向こうは迷惑みたいだけど…」
橙色の海へと沈む太陽の残した光へ照らされ、意中の人間を思い返してなのか、仄かに顔を赤くする綾乃の髪が金色へと輝く
それは、その姿はいつもPlaymakerである自分がLINK VRAINSへログインしたタイミングに合わせて現れ、付き纏う少女と瓜二つで――遊作の頭の中にある仮説が立てられていった
翡翠の視線が貫く
(少年少女の知らぬ間に)
(真実は夜の到来と共に忍び寄る)
「草薙さん」
「ん?どうした、遊作」
「あるアバターの出どころを解析してほしい」
.