TURN-009 凱旋の誉は彼の手に
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「真実も何も知らず、SOLテクノロジーに手を貸すとは!」
「俺がすべき事はただ1つ。ハノイの騎士、お前達を叩き潰し、全てを知る事だ!」
「くっ…」
「俺は墓地の『パラレルポート・アーマー』の効果を発動!このカードは墓地にあるこのカードと墓地のリンクモンスター2体を除外して発動できる
自分フィールドにいるリンクモンスター1体はこのターン、2度のバトルが出来る!」
「なに!?ファイアウォールの攻撃が復活するだと?!」
ファイアウォールの攻撃がヴァレルロードに迫りくる
今のヴァレルロードはバトルによる破壊は出来ない、だがここまで攻撃力を上げてきたファイアウォールによるダメージ事態は逃げる事が出来ない。全てはPlaymakerの計算通りの盤面だった
「7200のダメージ…これが通れば、終わりです!」
ヴァレルロードが受けたファイアウォールの攻撃による爆風がリボルバーを襲う
立ってもいられない程の爆風に足元を掬われた、その体は後ろに存在する岩壁へと叩きつけられた。そのLPはゼロだ
「や…やりましたね!プレイメーカーさん!」
Playmakerをこの決闘中、ずっと支え続けたクロッシェは勝利を確信し、勢いよくPlaymakerに抱き着くものの、すぐに引きはがされる
きゃん、と子犬の様な声を出して尻餅をついた彼女は今度はよよよ、と下手な泣き真似で目元を手で押さえながら、冷たいむき出しの岩の上に座り込んだ
「うぅ…勝利の喜びによる抱擁もなしですかそうですか…」
「約束通り、お前の持っている情報を貰う!」
《俺が食ってやる!》
最早、そこにいるクロッシェをスルーするやり取りの後、Aiは巨大なプログラムへとその姿を変えるとリボルバーの右腕を食い千切った
姿が異形のものに変化しただけでも引くというのに、右腕を食い千切る行為―ドン引きしている事も隠さないクロッシェにこのAiの姿を見ると誰でもこうなるか、と少し同情するPlaymaker
右腕だけでは飽き足らず、リボルバーを構成するプログラム全てを食べようとするAiとリボルバーの間に落雷が走る。その落雷をリボルバーは「父さん」と呼んだ
「うっ!外部からの干渉か。Ai、戻れ!」
《くっそ~!この!逃げるつもりか!?》
「約束が違います!ブルーエンジェルさんの除去プログラムは…!」
「約束は守る、受け取れ。除去プログラムだ」
ゴーストガールとクロッシェがここへ来た時の様に出来た抜け道に回収されるリボルバーは、カード型の除去プログラムをクロッシェの決闘盤へ投げ入れた
何故、Playmakerではないのか、そう思ったがブルーエンジェルに関して自分へ恐れずに噛みつき続けたクロッシェを分かりづらいが、称賛する―すなわちご褒美だったのかもしれない
「プレイメーカー!今日は私の風は吹かなかったようだ
だがお前がそのAIを手にしている以上、これは始まりの決闘に過ぎない。お前とはいずれまた…」
《ああ、逃げちまった。もうちょっとだったのに》
「リボルバー…」
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「プレイメーカー」
「除去プログラムは彼女に渡されてる」
「あ、はい!これでブルーエンジェルさんは大丈夫な筈です」
ブルーエンジェルの意識が残る廃墟へ、Playmakerとクロッシェが凱旋する。この決闘中、晃にPlaymakerとリボルバーの決闘の映像を送り続けたゴーストガールも一緒だ
クロッシェは恐る恐るといった様子でブルーエンジェルへ手を翳す、約束は守るとリボルバーは言ったが、やはりハノイの騎士として何か除去以外の細工をしているのでは、と勘繰ってしまう
だがその危惧も無事にリボルバーから渡された除去プログラムが正常に機能した事で解決する、微かな笑みを残し、ブルーエンジェルの意識は現実世界の葵の体へと戻った様だ
「葵は!?」
「ログアウトできたみたいね」
「それじゃあ…」
「行ってあげるといいわ」
「わかった」
決して無事な道のりではなかったが、除去プログラムを手にする事が出来た切っ掛けを作ってくれたPlaymakerに一言、感謝をと思った晃の前から彼は何も残さず、去って行った
それを引き止めるのも無粋だろう、とログアウトしたPlaymakerに倣い、自身もログアウトしようとする晃に待ったの声がかかった。振り返るとそこにはークロッシェが真剣な顔をして、晃と対峙していた
「晃さん、どうか…葵ちゃんが目を覚ましたら、思った事を言ってあげてください
心配した、とか…目が覚めてよかった…そんな言葉でいいんです。そんなありきたりな言葉を葵ちゃんは待ってます」
「君は…やはり…」
「彼女の友達として、お願いします」
無事に葵が目を覚ました事を確認し、Aiがリボルバーを食べた事で入手した情報を解析する遊作と草薙
目の前には決闘盤から現実世界へ実体化したAiがいるが、この二人は大した驚きも見せない。体を取り戻した事を一緒に喜んで欲しいという大声の中で草薙が口を開いた
「そういえば、あの子、いい子じゃないか。ちょっと変わってるけどな」
「ちょっと所じゃない。草薙さん、どこを見てそう思ったんだ…」
「どこがって…ダメージを受けたお前をあの決闘中、ずっと支え続けてたり…結構、良妻キャラなんじゃないか?
いつもはあんなに騒いでるけど、実際の所はそれがキャラ作りで良妻キャラが本当だったりしてな」
「……」
―私のログアウトなんてさせません。私が現実に戻る時は貴方も一緒です、プレイメーカーさん
貴方を見守っている人の元まで無事に貴方が帰る所を見届けないと、きっと私は一生後悔する
「少しは優しくしてやったらどうだ?」
「…優しくした分、調子に乗るからな」
自分が優しくした時の彼女の様子を考える、その時にはきっと調子に乗ってベタベタとスキンシップに走る筈だ。あの彼女が、良妻なんてありえない話だ
確かに、と苦笑する草薙を横目に、Playmakerを支えていたあの腕の脆さと温もりがまだ背中に残っているような気がした
凱旋の誉は彼の手に
(称賛の声はただの一つもないけれど)
(私達は貴方の勇気を知っている)
「あの、どうしました…?腕、痛むんですか?」
「ああ…大丈夫、多分もうすぐ呼ばれると思うから。…それまでの辛抱だ」
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