TURN-008 スカートひらり、舞い降りて
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「LINK VRAINSの外からなら、プログラムを弄れるのに…」
「…ゴーストガールさん、私がログアウトして、貴女が通り抜けられる抜け穴を作ります」
「分かってるの?今、外に出たら、今のLINK VRAINSだともう…」
「はい。私の目的はプレイメーカーさんの疑いを晴らす事でしたから
出来るなら、あの決闘の続きも見たかった…でも後は貴女にお任せします」
「クロッシェ…」
「お願いします」
リボルバーはPlaymakerの持つAIを、Playmakerはリボルバーの持つ情報とブルーエンジェルの除去プログラムを手にする為、この決闘に臨んでいた
そんな二人があの時の引き分けだけで終わる筈がないとクロッシェもゴーストガールも分かっていた、このデータストームの中でどういう形であろうと彼らは決闘を続けている筈だ
ゴーストガールの言う通りに今のLINK VRAINSの状況ではログアウトしても、再ログインは出来ない。先程作った抜け穴はもう消えている頃だ、それでも、誰かにこの決闘を見届けてもらわなければいけない
その役目が自分ではない事を残念に思いながら、ログアウトの手続きを進めようとしたクロッシェとゴーストガールの決闘盤が輝き出す。そこから伸びる光、それは正しくクロッシェが作り出そうとした抜け穴に相違なかった
「これは…抜け穴?」
「…どうやら、プレイメーカーには貴女以外に仲間がいるようね」
「いや、私は残念な事にプレイメーカーさんの仲間って程じゃ…って待ってください!」
開かれた抜け穴を抜けると、そこには静けさが待っていた。ここが外で猛威を振るうデータストームの中心部であり、因縁の決闘が行われている場所という事を忘れてしまいそうだ
ボードから離れた体は重力が存在しないのか、浮遊し、勝手にデータストームが破壊し、吸収した瓦礫の上へ。そこから見る光景の中には、鳥籠に似た牢獄が人工的に作り出されている
その中で決闘を続けるPlaymakerとリボルバー。だが可笑しな事にPlaymakerの場はその逆にモンスターを1体も召喚していない、リボルバーのモンスター達の攻撃で全滅したとも考えづらい、異質な雰囲気が漂う
「サイバース封じ…お前が《トポロジック・ボマー・ドラゴン》を使わなかったのはこういう理由か」
「イグニスなどに頼るから、こうなる」
「イグニス?」
「お前はイグニスが何なのか、それすらも知らないのだったな。
負ける前に教えてやろう、イグニスはただのAIではない」
そう言って、リボルバーは語り出した。遥か以前よりPlaymakerやクロッシェ達が知らないだけでネットワークの中で生命を創り出す試みは行われていた
けれど、創り出されたものには決定的なもの―人間で言う所の意思が備わっておらず、大抵がただの無機質なAIに留まっていたのだと
人々が失敗を重ねる中、リボルバーの知る人物だけが神の所業として意思持つプログラムの創造に成功した。彼はその成功をある一人の神が天界で禁じられた灯火を人間界に分け与えた事と準え、その成功体を”イグニス”と名付けた
「バカな!プログラムが意思を持つなんて、有り得ない!」
「まあ、想像していた通りの反応だよ。当然だろうな。だがお前が今の話を信じようと信じまいとそれはどうでも良い事だ
イグニスはサイバースを生み出し、ネットワークの支配を進めている。我々は何としてでもイグニスを、そしてサイバースを抹殺する」
「自分で生み出したものを自分で…」
「さあそろそろ、とどめの決闘を開始しようか!いくぞ、プレイメーカー!ドロー!
《ベルトリンク・ウォール・ドラゴン》の効果!お互いのターンにウォールカウンターを1つ置く!そして、《スリーバーストショット・ドラゴン》の効果
このカードをリリースし、自分の墓地のリンクモンスターを特殊召喚!更に手札からドラゴン族を特殊召喚する!」
リボルバーの墓地から蘇ったのは《ツイン・トライアル・ドラゴン》、その勢いのままにリボルバーは手札より《スニッフィング・ドラゴン》を特殊召喚
更に今、場に特殊召喚された《スニッフィング・ドラゴン》の効果を発動し、デッキよりもう1枚の《スニッフィング・ドラゴン》を手札に加え、それを特殊召喚
「現れろ!我が道を照らす未来回路!」
《ツイン・トライアングル・ドラゴン》のリンクマーカーは2、よってこのモンスター1体で2体分のリンク召喚の素材となる事が出来る
場に存在する2体の《スニッフィング・ドラゴン》をリンクマーカーへセット。召喚されるのは、先程引き分けで終わったスピードデュエルでも披露したリンク4の強力なモンスター
「閉ざされし世界を貫く我が新風、リンク召喚!現れろ!リンク4 《ヴァレルロード・ドラゴン》!」
―紅のドラゴンの咆哮が何もないデータストーム中心部へ響き渡る
その咆哮、リボルバーに追従する姿、実体を持つ筈がない現実世界へ介入してきた強力な質量。これがこのドラゴンとの初めての邂逅でない事をPlaymakerは知っていた
「このドラゴンは…あの時の!これが奴のエースモンスター…」
「『天火の牢獄』の効果により、お前のサイバース族モンスターは消えた
いけ!《ヴァレルロード・ドラゴン》!プレイメーカーにダイレクトアタック!」
主人の声に《ヴァレルロード・ドラゴン》の体の胸部に存在するターボにも似た弾倉が回転を始める
回転によって生じるエネルギーは電流となって、《ヴァレルロード・ドラゴン》の体の隅々にまで行き渡る
「エネルギー充填、ヴァレルモードチェンジ!」
喉奥に隠されていた銃口、そして敵を真っすぐに見据える瞳はターゲットであるPlaymakerを正確にロックオンし、外す事はない
その姿はドラゴンという神話上の生物というよりも、人間が人工的にドラゴンを模して創造した兵器にも似ていた
「ターゲットロックオン、対閃光防御
最終セーフティー解除、くらえ!<天雷のヴァレル・カノン>!!」
「っ…!」
こちらまで迫るのではないか、と思われる程の衝撃から守られる様にクロッシェはゴーストガールに抱き締められる。それでも吹き飛ばされそうな衝撃が二人を襲う
この攻撃を一身に受ける事となったPlaymaker、眩い中で必死に目を開き、彼の安否を確認しようとするクロッシェの瞳には閃光の奥へと吹き飛ばされ、搔き消されるPlaymakerを捉えた
「プレイメーカーさん!!!」
「私はこれでターンエンドだ、どうやらライフが尽きる前に勝負はついた様だな」
「うっ、うぅ…」
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