TURN-040 描いた未来図に叶う事のない夢を透かす
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「相手フィールドのモンスターはターン終了時まで、そのリリースしたモンスターと同じ属性になる
クロッシェ、君のフィールドに存在するモンスターは炎と風扱いとなり、対象を失ったドレースデンの効果は無効となる!」
「ですが、ダメージは通ります!バトル続行!」
「ぐお、おおおお!」
「《アロマージ-カナンガ》でダイレクトアタック!」
「ぬ、うう…!」
たった一瞬の出来事によってボーマンのライフポイントは1000の数値まで削り取られてしまう
彼が自分で発動した罠カードでライフポイントを回復したにせよ、クロッシェの場に残る1体のモンスターの攻撃が通れば終わりだ
このターンを耐える為にあの罠カードを発動したというのなら、それはミスに他ならない──心を無慈悲に固め、攻撃の指示を発しかけたクロッシェの髪が不意に踊る
「リバースカード、オープン!永続罠『プロパティ・フラッシュ』!
自分が戦闘ダメージを受けた時にこのカードを発動できる、その時に受けたダメージ1000につき、1つこのカードにプロパティカウンターを置く!この戦闘終了後、バトルフェイズを終了する!」
「私はこれでターンエンド、です」
クロッシェの頭が混乱によって渦巻いていく、「何故」という言葉が彼女の思考を侵していく
最初からそのカードを発動していれば、1体しかいない彼のモンスターをリリースする必要も、大きくライフポイントを削られる必要なんてなかった筈なのにそれをしなかった意図はどこへ繋がっている?
「、風…?」
「私はこの瞬間を待っていたのだよ、クロッシェ!」
「っ、まさか…!マスターデュエルでも、貴方は…?!」
「この状況で研ぎ済まれた闘志に相応しいモンスターをここに呼び起こそう!──スキル発動!」
ボーマンの場に残されたデータストームがこのターンで仕掛けたドレースデンの攻撃の鋭敏さを伴い、クロッシェへ跳ね返される
壁に叩きつけられた衝撃で一瞬、呼吸する術を失いかけた時──仮想空間で感じる筈のない彼女の体温と香りを感じ、クロッシェは睫毛を震わせた
「クロッシェ!クロッシェ、しっかりして…!」
「ブルーメイデン、さん…」
「お願い、消えないで!私は、私、まだ貴女に……っ」
今にも泣きそうに降る幾つもの声、ああ──ハノイの塔で見送った時とは逆だなとクロッシェは呑気に考えていた
天使を見送った時とは違う、見送られる側の今回。見送る辛さよりも辛いものはないと思っていたけれど、大切なひと達を置いていく立場も中々に辛いものだ
「ごめんなさい」
それは、貴女を傷付けるだけ傷付けておきながらちゃんと謝れなかった事への懺悔
それは、ボーマンと戦う自分を見て見ぬフリが出来ない葵をここへ引き寄せてしまった自分への罰
そしてこれは──自分を顧みて欲しい、命と帰るべき場所を預けてくれた彼へその想いを帰せない事への後悔
「どうか、貴女だけは…貴女の想いを貫き通して」
「っ…?!」
《これは…!》
腕に抱いていた星の欠片の輪郭が砕け堕ちる瞬間に発生した光の檻
その中に見た自分にとっての友として愛する少女を視界に捉えた瞬間、ブルーメイデンとボーマンの戦いの火蓋は切って落とされたのだ
描いた未来図に叶う事のない夢を透かす
(叶うのなら──)
(貴女が描く未来に私もいたかった。)