TURN-038 いつかこの日が過去となる前に
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「あの、草薙さんあれって…」
──ただ1人、綾乃が通学鞄から取り出した鈍色に光る鍵を見て、頭では認識しても状況を飲み込めずに混乱する尊に草薙が説明役に回るのはこれが初めてだ
「葵ちゃん、おはよう」
「……おはよう」
少しの眠気を頭に残しながらも目の前を歩く幼馴染の背中に追いつこうと、綾乃は鈍い動きで彼女へ最初に呼び掛けた
喧嘩を始めた時には挨拶をしても返ってくる事はなくて、でもそれでもいいと思っていた、結局は葵の気持ちを最初に踏みにじったのは自分なのだから
それでも遊作と同じくらい大切な葵からたった一言の言葉でも返って来るのはたまらなく嬉しくて、だらしなく口元が緩みそうになるのを必死に抑え、綾乃は彼女を呼び止めた理由を思い出す
「あのね、詳しい事は後でメッセージを送るつもりなんだけど、エマさんと一緒に今日ってLINK VRAINSにログインできるかな?」
「…エマさんに予定を聞いてみない事には分からないわ」
「ありがとう、葵ちゃん。引き留めちゃってごめんね?」
用件が終わるとすぐに葵は綾乃を残して、校舎の方へと向かって行ってしまった
前までならば、一緒に教室まで行くのは当たり前だった。だからこうしてその当たり前が失われた今はとても寂しくて、葵が作ってくれた時間はかけがえのないものだったのだと遅くも気付いた
LINK VRAINSでは現実とここでは話は別だと思ってくれているのか、幾分かは話してはくれる。けれどそれで流されてはいけない事を綾乃は少なからず実感していた
ライトニングとの戦いが終わったその時こそはちゃんと葵と話さなければいけない、病原体化した時の様な償いをしなければ──朝礼を知らせる鐘の音に囃し立てられ、綾乃は慌てて校舎を潜った
「お待たせしました、プレイメーカーさん、ソウルバーナーさん!」
「遅かっ…」
「?どうかしましたか?お二人とも、そんな変なものでも見た様な顔をして…」
「「誰だ?!」」
「え」
いつもの様にPlaymaker達の前にクロッシェは現れた…と思ったのは彼女本人だけで、自分を見て警戒するPlaymaker達にクロッシェは首を傾げた
一夜の内に自分を戦力外にしたのかとも思われる反応にクロッシェは自分の姿を見下ろすとああ、と彼らの反応も仕方なし、ちゃんと言っていなかったかと疑問を深めた
「アバター変更をするの言ってませんでしたっけ」
「本当に一瞬、誰かと思ったぜ…」
《見違えたな、クロッシェ》
《アバター名はそのままなのか?》
「ええ!私、この名前が一番愛着あるので!前のアバターも頑張って作ったので愛着はあったんですけど、ウィルスが残ってたら大変ですからね」
無事に誤解も解け、Soulburnerや不霊夢と談笑するクロッシェの新しくデザインを再編されたアバターをその輪から外れたPlaymakerは観察する
ドレスコートは旧アバターそのまま、LINK VRAINSというよりもファンタジー系のMMOで存在しそうな風貌はヒーラーという役職が頭に浮かぶ
基本のカラーもドレスコートからの引継ぎで煌くような橙色と金色が彼女を引き立てる。ここまで色んな特徴をあげたものの、その中でPlaymakerの目が惹きつけられたのは腰から伸びる青緑のリボン
暖色の中で目立つ青緑のリボンをまさかクロッシェが自分をイメージしてつけたなんてとんだ思い上がりだと調子のいい思考力にPlaymaker本人は知らず、ため息をついた
「リボルバーから俺達と話したいと連絡があった」
「リボルバー?!ハノイの?!」
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