TURN-036 ひとりぼっちの時にはもう戻れない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「綾乃ちゃん、本当に大丈夫か?本調子じゃないんだろう」
「大丈夫です!休んでしまったらまた遊作くんや葵ちゃんにまでもっと心配をかけてしまいますから」
エプロンの後ろのリボンの結び目を見せながら、綾乃は自分を心配してくれる草薙に心配無用と言う様に笑顔を振りまいた
初めて綾乃と出会った時は無鉄砲な部分があった、それを理解していながらライトニングの元へ向かわせた草薙にとってその笑顔は救いでもあった
「て、店長さん!!!」
「お、どうした?」
「な、何だかですね、見覚えがありすぎる…遊作くんにとって因縁のあの人が外にいる様なですね?!」
「あー…」
「騒がしいな。まあそれ程に舌を噛まずに喋れるのなら、私の杞憂だったか」
草薙と話している背後から語り掛けられた声に振り向き、再び草薙と視線を合わせた瞬間に綾乃の悲鳴がDen cityの一角に広まった
「あの、その節は本当にありがとうございました…」
「君に舞台を降りられては困ると思っただけだ、実際に私が思っていたよりもいい役をしてくれている」
「はあ…」
客足もまだ遠い所にあるので少し早めの休憩に入っていい、と草薙に言われた綾乃は外に作られたイートインである青年と向かい合わせで腰を下ろしていた
あの雨の夜に絶望する自分に傘を差しだしてくれた人、そして──他ならぬハノイの騎士のリーダーである青年は鴻上了見という名前だった筈だ
「これを君に」
「…病原体のウィルスですか?」
「……当たり前だが、相当に根を持たれているか
光のイグニス達の攻撃から身を守るプログラムだ。信頼がならないのなら、同じものを渡された奴に相談でもすればいい」
平べっらいカード状のプログラムを綾乃の手に落とすと、了見は椅子から立ち上がる
まさかこれだけを自分に渡す為に来てくれたのか、そんな自分に都合の良い考えを抱くもそれはないだろうと綾乃は頭を振って、慌ててその背中へ言葉を投げかけた
「あ、あの!鴻上く…じゃない、鴻上先輩!」
「…先輩と呼ばれる程に気やすい仲ではない筈だが」
「何か買っていきませんか?店長さんの作ったもの、全部美味しいのでオススメなんです」
そうやって引き留めた了見の前で、給料でホットドッグ、オニオンリングを大量買いして胃に詰め込んでいく綾乃の姿に暫く絶句する姿が見られたという
ひとりぼっちの時にはもう戻れない
(貴方の存在が)
(私をここに繋ぎ止めてくれる)