TURN-031 Disintegrated
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浴室から出てきた綾乃はロボッピが持ってきたペットボトルを快く受け取ると、少しだけ口をつけた
家で何かあったみたいだと草薙が言っていた、そこから考えるに今回の綾乃のこの状態は彼女が以前悩んでいると話していた事が関係しているのだろう
放課後の学校、廊下で歩きながら訪ねた時とは違い、遊作は待つ事にした。今度は綾乃が自分からその胸の内を打ち明ける事を待った
「…あのね、遊作くん」
「……」
「私、お父さんに自分の意見とか聞いてもらいたくて…自分なりに聞いてもらえる様に工夫してきたの
でも…ダメだったみたい、ぶつかり合うんじゃなくて私はただお父さんを傷付ける言葉を一方的に投げつけて…お父さん、泣きそうな顔してた」
自然と握る手に強さを込めてしまったのだろう、綾乃の持っていたペットボトルが悲痛な声をあげて潰れた
まるで今のズタズタとなってしまった綾乃の心の声を代弁したかの様な音、それに気づいた彼女は慌てて笑顔を取り繕った
「ごめんなさい、遊作くんにこんな事を言っても困るよね」
「…椎名と過ごしてきて分かった事が3つある
1つーアンタはいつも自分よりも誰かの気持ちを貴ぶ、2つーそれ故に言いたい事を仕舞い込んで限界を迎える、3つー椎名はもっと言葉にするべきだと俺は思う」
「…でも怖いよ、私の言葉で誰かを傷付けてしまうのはとても、怖い」
「言葉は傷付けるだけのものじゃない、誰かを救う事だってできる」
―現に俺は何度も、アンタに救われてきた
「今日はもう寝ろ、明日ゆっくり自分の気持ちを整理すればいい」
「…うん」
その夜、草薙が変に意識を煽る様な事を言ったもので遊作はあまり睡眠を取る事が出来なかった
間違いなどを起こす筈がない。そう思っていた筈なのに少々疲労を感じさせるも幼い寝顔、そして少し大きすぎた遊作のTシャツ一枚を着る綾乃に心を掻き乱されてしまったのだ
「遊作!…今朝、草薙さんから聞いた」
「そうか」
「…僕が言うべき事じゃないとは思うんだけど、彼女にはちゃんと僕達の事情を説明して力になってもらった方がいいんじゃないかな」
「…それがどういう意味か分かっているのか」
「分かってるよ、でもこのままどっちつかずでいる状況は彼女にとって良い訳がない」
《私も尊の意見に賛成だ
彼女…綾乃という少女は根は礼儀正しく、真面目な人間で信頼に足ると私も尊も思う》
《俺達の事を綾乃に教えた方が動き回りやすくなるし、家で黙る必要もないしさー!いやぁ、喋らないって中々きっついんだなー!
あ、でも遊作ちゃんの貴重な姿が見られてラッキーだったぜ!綾乃の寝てる傍で遊さ…「黙れ」》
いつもの口調よりも冷たさを含み、Aiの口を封じる遊作の眼の下に微かにクマを見つけた尊は遊作も一人の青年なのだと察せざるを得ない
自分が憧れたPlaymakerという決闘者である遊作も一人の青年として綾乃を彼なりに大事に、その距離を縮めていこうと努力している。それがどこかいじらしかった
「おはよう、藤木くん」
「おはよう」
「…藤木くん、綾乃がどこにいるか知らないわよね?」
「何故、そんな事を俺に聞く」
「あの子、貴方とも私の次に仲がいい様に見えたからもしかしてと思って」
「どこにいるか知りたいなら、椎名に連絡した方が早いんじゃないか」
「…そうね」
後ろから遊作や尊と同じ様に登校してきた葵にも遊作と同じく目の下にクマがうっすらと見られる、もしかするとメイクでそのクマの濃さを隠しているかもしれない
幼馴染に繋がる情報を得る事は出来そうにないと気付いた彼女はさっさと階段を昇っていく。それを見つめる遊作の二人分の背中を見つめ、尊はある事を決意した
「…不霊夢、少し頼まれてほしい事があるんだけどいいか?」
《む?》
自分を大切にしてくれる人である葵と遊作を選べない綾乃の気持ちは分からなくもない、二人を傷つけたくないという気持ちも痛いほどに分かる
だがそれで彼女自身が傷ついては、彼らは自分が傷つくよりも痛い。このままでは意味がないのだ
Disintegrated
(中に浮いたままの足から)
(崩壊は始まった)
家で何かあったみたいだと草薙が言っていた、そこから考えるに今回の綾乃のこの状態は彼女が以前悩んでいると話していた事が関係しているのだろう
放課後の学校、廊下で歩きながら訪ねた時とは違い、遊作は待つ事にした。今度は綾乃が自分からその胸の内を打ち明ける事を待った
「…あのね、遊作くん」
「……」
「私、お父さんに自分の意見とか聞いてもらいたくて…自分なりに聞いてもらえる様に工夫してきたの
でも…ダメだったみたい、ぶつかり合うんじゃなくて私はただお父さんを傷付ける言葉を一方的に投げつけて…お父さん、泣きそうな顔してた」
自然と握る手に強さを込めてしまったのだろう、綾乃の持っていたペットボトルが悲痛な声をあげて潰れた
まるで今のズタズタとなってしまった綾乃の心の声を代弁したかの様な音、それに気づいた彼女は慌てて笑顔を取り繕った
「ごめんなさい、遊作くんにこんな事を言っても困るよね」
「…椎名と過ごしてきて分かった事が3つある
1つーアンタはいつも自分よりも誰かの気持ちを貴ぶ、2つーそれ故に言いたい事を仕舞い込んで限界を迎える、3つー椎名はもっと言葉にするべきだと俺は思う」
「…でも怖いよ、私の言葉で誰かを傷付けてしまうのはとても、怖い」
「言葉は傷付けるだけのものじゃない、誰かを救う事だってできる」
―現に俺は何度も、アンタに救われてきた
「今日はもう寝ろ、明日ゆっくり自分の気持ちを整理すればいい」
「…うん」
その夜、草薙が変に意識を煽る様な事を言ったもので遊作はあまり睡眠を取る事が出来なかった
間違いなどを起こす筈がない。そう思っていた筈なのに少々疲労を感じさせるも幼い寝顔、そして少し大きすぎた遊作のTシャツ一枚を着る綾乃に心を掻き乱されてしまったのだ
「遊作!…今朝、草薙さんから聞いた」
「そうか」
「…僕が言うべき事じゃないとは思うんだけど、彼女にはちゃんと僕達の事情を説明して力になってもらった方がいいんじゃないかな」
「…それがどういう意味か分かっているのか」
「分かってるよ、でもこのままどっちつかずでいる状況は彼女にとって良い訳がない」
《私も尊の意見に賛成だ
彼女…綾乃という少女は根は礼儀正しく、真面目な人間で信頼に足ると私も尊も思う》
《俺達の事を綾乃に教えた方が動き回りやすくなるし、家で黙る必要もないしさー!いやぁ、喋らないって中々きっついんだなー!
あ、でも遊作ちゃんの貴重な姿が見られてラッキーだったぜ!綾乃の寝てる傍で遊さ…「黙れ」》
いつもの口調よりも冷たさを含み、Aiの口を封じる遊作の眼の下に微かにクマを見つけた尊は遊作も一人の青年なのだと察せざるを得ない
自分が憧れたPlaymakerという決闘者である遊作も一人の青年として綾乃を彼なりに大事に、その距離を縮めていこうと努力している。それがどこかいじらしかった
「おはよう、藤木くん」
「おはよう」
「…藤木くん、綾乃がどこにいるか知らないわよね?」
「何故、そんな事を俺に聞く」
「あの子、貴方とも私の次に仲がいい様に見えたからもしかしてと思って」
「どこにいるか知りたいなら、椎名に連絡した方が早いんじゃないか」
「…そうね」
後ろから遊作や尊と同じ様に登校してきた葵にも遊作と同じく目の下にクマがうっすらと見られる、もしかするとメイクでそのクマの濃さを隠しているかもしれない
幼馴染に繋がる情報を得る事は出来そうにないと気付いた彼女はさっさと階段を昇っていく。それを見つめる遊作の二人分の背中を見つめ、尊はある事を決意した
「…不霊夢、少し頼まれてほしい事があるんだけどいいか?」
《む?》
自分を大切にしてくれる人である葵と遊作を選べない綾乃の気持ちは分からなくもない、二人を傷つけたくないという気持ちも痛いほどに分かる
だがそれで彼女自身が傷ついては、彼らは自分が傷つくよりも痛い。このままでは意味がないのだ
Disintegrated
(中に浮いたままの足から)
(崩壊は始まった)