TURN-031 Disintegrated
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《ふむ、流石にウィンディが作ったプログラムを壊滅させた者達を束ねるだけある》
うす暗い部屋で一人のAIがそう呟く
《弱い、あまりに脆い存在だ。彼女は》
自分の同胞ともいえる風のイグニスを破壊の手前までに持ち込んだリボルバーは強者という位置に他ならない、強さで言うなら孤高の存在だ
対してあの雨の中で崩れ落ちた少女はあまりに脆く、弱い、それ故に庇護欲を駆り立てられる。早く自分が管理する事であの少女を──光のイグニス ライトニングは思惑を深めた
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「草薙さん」
「夜遅くに悪いな、遊作」
「そんな事は気にしていない、それで椎名は…」
「助手席にいる、ただ…家で何かあったみたいで相当参ってる様子だ
車の中に泊める訳にもいかないから、数日だけ遊作の所で預かってあげてくれないか」
「それは…いいが…」
高架下で草薙が綾乃を見つけた時には心底驚いたものだ、全身ずぶ濡れで生気を失った瞳──弟の仁を否応なく思い出してしまった
正直、弟の事を思い出してしまうから綾乃を保護する事に躊躇いがなかったとは言わないが、年上の自分よりも同い年である遊作に綾乃を任せた方がいいだろうと思ったのだ
現に今もこうして助手席のある車の裏側に目をやり、綾乃をどうするか考える遊作がいる。間違いはないだろうが、その緊張を和らげる為に草薙はあえて茶化す物言いを選んだ
「年頃の女の子がいるからって襲うなよ?遊作?」
「こんな時に冗談は止めてくれ」
「一応これでもちゃんと心配してるんだけどなぁ…彼女の家には電話番号を聞いてあるから、俺から電話しておく」
「分かった」
自分の頭を撫でてくる草薙の手を退かし、助手席の方へ回り込もうとする遊作は自分の名前を引き留める形で呼ばれると足を止める
振り返るとそこには今までの表情を一変させ、真剣な面持ちをした草薙がその瞳で遊作を見据えていた。──彼が何を言おうとしているのか、何故だかその時は分かってしまった
「そろそろ覚悟を決めた方がいい、あの子に打ち明けるかどうかはお前が決めろ」
「……」
何故、遊作が草薙のその言葉が分かったのか。それは遊作も草薙から綾乃を一時保護したと電話で聞いた時に思ったからだ
──自分、藤木遊作が綾乃がクロッシェとして恋い慕うPlaymakerである事を打ち明ける日が近いと
『綾乃ちゃん、もし俺の間違いだったら忘れてほしいんだが…君は遊作の抱えている事情を全て知っているんじゃないか?』
『それ、は…』
『俺に言おうとしなくていい。ただ、良ければ遊作が自分の口から綾乃ちゃんに打ち明けるまで待ってあげてほしいんだ』
アイツにも必要だと思うんだ。色々なしがらみから解き放たれて、君の様な女の子がいる日々が
シャワーヘッドから出るお湯で体を温めながら綾乃はこの家に送ってもらうまでの間、車内で交わした草薙との会話を思い出していた
一体、自分が遊作の秘密を知っているとどう草薙が気付いたのかは気になるものの、綾乃は元々遊作が全ての事件に決着をつけた後、Playmakerである事を打ち明ける日を黙って待つつもりだった
けれど今は遊作と秘密を共有する事に多少の不安が残る、何より葵や父親を傷付けておきながら逃げ出した自分が遊作の送る日常にいていいのか──綾乃は自信が持てなくなってしまった
「遊作くん、お風呂ありがとう」
「着替えがこれしかないが、我慢してくれ」
「…遊作くんでもTシャツ着たりするんだね」
「椎名は俺を何だと思ってるんだ」
「私の中だと遊作くんは制服のイメージが強くて…ごめんなさい」
《オ水ヲドウゾ!》
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