TURN-030 Count zero
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パソコンと見向かって何時間が過ぎただろうか、肩の重みに気付いた綾乃はキーボードを叩く手を止めて背伸びをする
アースから貰ったデータの欠片の解析は数日経った今も全てを解き明かすまではいかず、1人での作業に限界を感じながら綾乃はほうじ茶が入ったカップに口をつけた
「お父さんに相談出来たらいいんだけど、虫が良すぎるよね…」
LINK VRAINSでの事で喧嘩をした日から綾乃と彼女の父親との仲はお世辞にも良好と言えるものではなくなった
親の事で相談した日に遊作から貰ったアドバイス通りに自分の意見や意思を口にはするものの、父親はまだ綾乃を子供で病室から出てきたばかりの世間知らずと取り付く島を与えない
そもそも遊作―Playmakerを賞金首として晒すSOLに努める父自身もPlaymakerの事を良くは思っていない、自分の一言で遊作を窮地へ追い込む事を綾乃は絶対にしたくなかった
―いつから、お父さんは私に笑いかけてくれなくなったんだろう
幼い頃に住んでいた大きな屋敷にあった書斎に仕事として父は籠る事が多かったものだ
「お父さんはお仕事をしてるから邪魔をしちゃだめよ」-そう母に言われても父に会えない寂しさから良く書斎へ忍び込んだことがあった
その時は父を呼んでも仕事の手を一度止めて、笑顔で綾乃を迎え入れてくれた。それが今は難しい顔ばかりで笑ってくれる事もない、一体どこでボタンをかけ間違えてしまったのだろうか
「──?!」
「…?」
綾乃が過去を感傷に浸る事で思い出しているとリビングの方から届いた母の声に気付く、いつも穏やかで気弱そうな母の声にしては激しい声だ
何があったのだろうと綾乃は作業を一時保存し、そっと部屋から出てリビングへと向かった。リビングへ続く扉の影から中を覗き込むと母が一生懸命に携帯で連絡を取っている様子が見えた
「イグニス達の潜んでいた場所が…?けれど情報源はハノイからなのでしょう?迂闊に信じても…」
「…!」
―ハノイ…?!ハノイがSOLの方にイグニスの情報を…?一体、どうして…
イグニスの抹殺の為にハノイの騎士はSOLテクノロジー、そしてPlaymakerと対立していた筈なのに、それなのに何故彼らがSOLへ情報を流したのだろう
流した情報から彼らが潜む本拠地が解析されてしまうリスクも顧みない行動に綾乃は微かに動揺するが、すぐに頭は冷静さを取り戻し、母の独り言から得た情報を整理するに至る
ハノイの騎士、イグニスがその場に揃っているという事はそこにはPlaymakerやSoulburerもいる筈だ。SOLにハッキングすれば、より確かな情報を得る事が出来るだろう
母に気付かれる前に来た時と同じ様に足音を立てずに綾乃は自室へと引き返す、──その後に続く会話に自分が窮地に立たされる言葉が続く事も確認せずに
「え?綾乃は自室にいる筈ですけど…何を確認しろって言うの?あなた…」
SOLテクノロジーへのハッキングはこれで2度目、前に通ったプログラムは流石に修正されていたものの、以前の時に見たデータから類似する点を見つける事が出来れば抜け穴作りは簡単だ
セキュリティシステムに気付かれる前に必要な情報-ハノイの騎士からSOLへ送られた位置情報だけを抜き出し、綾乃はファルシュとしてLINK VRAINSへと降り立った
座標に引き寄せられた先にあったのはアースとPlaymakerの決闘に立ち会った際に見たイグニス達が作った世界。あの時に見た穏やかさは一片もなく、ただ炎と暗闇がずっと先に続いていた
「この建造物…確かアースさんとプレイメーカーさんが決闘した所で…」
「…貴様は……」
「…その声、聞き覚えがあるのですが…凄く下を見たくない…」
下から聞こえてきた青年の声にファルシュはDボードを止めて、声が聞こえる方へと覗き込んだ
アバターの見た目は変わっているものの以前の姿と類似する点が見られる。──ハノイの騎士 リボルバーとこんな早くに再会する事態はPlaymakerを追うなら考えられた事であまり驚きはなかった
「何故、貴様がここにいる?ここにいる理由はないだろう」
「プレイメーカーさんある所に私ありがモットーのファルシュさんですからね!あの人がいるならどこにだって現れますとも!」
「道化の演技如きで私が騙されるとでも思っているのか?」
「──流石ですね」
いつもの調子を演じてみせたファルシュにリボルバーはその鋭い視線で貫く、彼を侮蔑した意味ではないものの本心を隠す為の演技はPlaymakerにも見破られた事はない
Playmakerでも見破った事がないものを見破ったリボルバーにファルシュは素直に感服した、そしてその観察眼は彼女の行動に確かな理由がなく、ふわふわと浮いているだけにしか見えない事に気付いている様だった
アースから貰ったデータの欠片の解析は数日経った今も全てを解き明かすまではいかず、1人での作業に限界を感じながら綾乃はほうじ茶が入ったカップに口をつけた
「お父さんに相談出来たらいいんだけど、虫が良すぎるよね…」
LINK VRAINSでの事で喧嘩をした日から綾乃と彼女の父親との仲はお世辞にも良好と言えるものではなくなった
親の事で相談した日に遊作から貰ったアドバイス通りに自分の意見や意思を口にはするものの、父親はまだ綾乃を子供で病室から出てきたばかりの世間知らずと取り付く島を与えない
そもそも遊作―Playmakerを賞金首として晒すSOLに努める父自身もPlaymakerの事を良くは思っていない、自分の一言で遊作を窮地へ追い込む事を綾乃は絶対にしたくなかった
―いつから、お父さんは私に笑いかけてくれなくなったんだろう
幼い頃に住んでいた大きな屋敷にあった書斎に仕事として父は籠る事が多かったものだ
「お父さんはお仕事をしてるから邪魔をしちゃだめよ」-そう母に言われても父に会えない寂しさから良く書斎へ忍び込んだことがあった
その時は父を呼んでも仕事の手を一度止めて、笑顔で綾乃を迎え入れてくれた。それが今は難しい顔ばかりで笑ってくれる事もない、一体どこでボタンをかけ間違えてしまったのだろうか
「──?!」
「…?」
綾乃が過去を感傷に浸る事で思い出しているとリビングの方から届いた母の声に気付く、いつも穏やかで気弱そうな母の声にしては激しい声だ
何があったのだろうと綾乃は作業を一時保存し、そっと部屋から出てリビングへと向かった。リビングへ続く扉の影から中を覗き込むと母が一生懸命に携帯で連絡を取っている様子が見えた
「イグニス達の潜んでいた場所が…?けれど情報源はハノイからなのでしょう?迂闊に信じても…」
「…!」
―ハノイ…?!ハノイがSOLの方にイグニスの情報を…?一体、どうして…
イグニスの抹殺の為にハノイの騎士はSOLテクノロジー、そしてPlaymakerと対立していた筈なのに、それなのに何故彼らがSOLへ情報を流したのだろう
流した情報から彼らが潜む本拠地が解析されてしまうリスクも顧みない行動に綾乃は微かに動揺するが、すぐに頭は冷静さを取り戻し、母の独り言から得た情報を整理するに至る
ハノイの騎士、イグニスがその場に揃っているという事はそこにはPlaymakerやSoulburerもいる筈だ。SOLにハッキングすれば、より確かな情報を得る事が出来るだろう
母に気付かれる前に来た時と同じ様に足音を立てずに綾乃は自室へと引き返す、──その後に続く会話に自分が窮地に立たされる言葉が続く事も確認せずに
「え?綾乃は自室にいる筈ですけど…何を確認しろって言うの?あなた…」
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SOLテクノロジーへのハッキングはこれで2度目、前に通ったプログラムは流石に修正されていたものの、以前の時に見たデータから類似する点を見つける事が出来れば抜け穴作りは簡単だ
セキュリティシステムに気付かれる前に必要な情報-ハノイの騎士からSOLへ送られた位置情報だけを抜き出し、綾乃はファルシュとしてLINK VRAINSへと降り立った
座標に引き寄せられた先にあったのはアースとPlaymakerの決闘に立ち会った際に見たイグニス達が作った世界。あの時に見た穏やかさは一片もなく、ただ炎と暗闇がずっと先に続いていた
「この建造物…確かアースさんとプレイメーカーさんが決闘した所で…」
「…貴様は……」
「…その声、聞き覚えがあるのですが…凄く下を見たくない…」
下から聞こえてきた青年の声にファルシュはDボードを止めて、声が聞こえる方へと覗き込んだ
アバターの見た目は変わっているものの以前の姿と類似する点が見られる。──ハノイの騎士 リボルバーとこんな早くに再会する事態はPlaymakerを追うなら考えられた事であまり驚きはなかった
「何故、貴様がここにいる?ここにいる理由はないだろう」
「プレイメーカーさんある所に私ありがモットーのファルシュさんですからね!あの人がいるならどこにだって現れますとも!」
「道化の演技如きで私が騙されるとでも思っているのか?」
「──流石ですね」
いつもの調子を演じてみせたファルシュにリボルバーはその鋭い視線で貫く、彼を侮蔑した意味ではないものの本心を隠す為の演技はPlaymakerにも見破られた事はない
Playmakerでも見破った事がないものを見破ったリボルバーにファルシュは素直に感服した、そしてその観察眼は彼女の行動に確かな理由がなく、ふわふわと浮いているだけにしか見えない事に気付いている様だった