TURN-027 欠けた星の輪郭をなぞる事さえも
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暗闇に揺蕩う異なる二色の花弁が魔法陣を描き出す、陣から発せられる光は新たな命の輝きにも似た鮮烈なるものとなって常闇を満たしていく
気が付けばあれ程までに声を上げ、急かす様に戦況を作り上げていた少女の瞳は凛然と凪いだ水面の様に冴えていた。静かに、その時を待っているのだ
「──荒ぶ六花はここに途絶え、春告げ鳥の歌の元へと祝福の花は降り注ぐ…儀式召喚!降臨せよ、《エフロエンスクワイア・ドレースデン》!」
──枯れた二体の花の聖女の上に新たな歌が舞い降りる
足には光や風を受けるごとに色が変化するステンドガラスを有した、その小柄なモンスターは聖歌隊の子供を思わせる小柄な風貌をしていた
「ここで『エフロエンス・ミスティリオン』の効果を発動します!
【エフロエンス】儀式モンスターの召喚素材となった植物族モンスター1体を守備表示で特殊召喚できる!私は《エフロエンス・アガサ》を特殊召喚!
更に2体の【エフロエンス】モンスターの召喚に成功した事で私は600P LPを回復し、その数値分、フィールド上の【エフロエンス】モンスターの攻撃力をアップします!」
「く…っ!ブレード・オーガの攻撃力を上回ったか…!」
「イグベラントの効果でLPが回復した為、ドレースデンのモンスター効果を発動します!自分ライフが回復するごとに500のダメージを受けていただきます!
バトル!私は《エフロエンスクワイア・ドレースデン》で《剛鬼 スープレックス》を攻撃!」
「守備表示のスープレックスを攻撃?!」
「ドレースデンのモンスター効果!このカードが守備表示のモンスターを攻撃する時、その守備力を攻撃力が上回っていた場合、貫通ダメージを与えます!
更にもう1つの効果!ドレースデンが異なる属性を持つ相手フィールド上のモンスターと戦闘を行う際、攻撃力は倍となる!」
「なに?!スープレックスの属性は地、ドレースデンの属性は……光!」
「攻撃力6200のドレースデンで攻撃!<カレイド・ペタル>!!」
ファルシュの攻撃宣言を聞いたドレースデンの足元へその足に施されたステンドガラスの模様が降り、中空へ巨大なステンドガラスを創り出す
巨大になり過ぎて割れてしまったガラス片は様々な光をまき散らしながら、守備表示のスープレックスを攻撃し、突き抜けたガラス片が剣持の足をDボードから遠ざけた
《えげつない攻撃力で仕留めたなぁ…ワンターンキルかよ!まあ、こっちも同じ様なもんだけど!》
「プレイメーカーさん!私、見事に勝ち取ってみせましたよ!さあさあ、褒めていいのですよ?何なら先程は出来なかったハグで再会を喜んで…きゃん?!」
自分よりも早くもう一人のバウンティハンターを倒したPlaymakerへ近付き、ハグを要求したファルシュの願いは容易く却下された
それだけではなく頭にチョップまで貰うおまけ付きである、モンスターによるダイレクトアタックかと思える程の力にファルシュは自身のDボードの上に崩れ落ちた
「うぅ…酷い…か弱い乙女に…」
《どこが?どこがか弱い乙女なの?オレ、わっかんな~い!》
「ここにいるんですけど?!」
「アンタ、大丈夫なのか」
《え?頭が?》
「黙ってろ」
さりげなくAIにまで馬鹿にされた事に気付きつつも、ファルシュの瞳はこちらを見つめるPlaymakerの翡翠の瞳に釘付けとなっていた
この瞳に見つめられるだけで何もかも見透かされている気になってしまう、実際にそうなのかもしれない。今はブルーガールの事で後ろめたさがあって、それを突かれている様でファルシュは視線を逸らす
「…い、嫌ですね~!今の決闘見ていなかったんですか?私にしては綺麗な勝利でしたでしょう?全然不安要素なんて、」
「アンタが選んだ事なら何も言わない、だが、」
《だが?》
だが──その言葉の続きにはこんな言葉が並んだのだろう、「全てを突き抜ける様な笑顔で笑っていてほしい」と。そんならしくもない事を言ってしまいそうになる程に今のファルシュはらしくない
らしくあろうとしているのだろうが自分にはバレバレなのだ。嫌でも追いかけられ続け、その笑顔の微妙な変化にも気付く様になってしまった
「ファルシュ」
「ひゃい?!…あれ、今、名前?!」
「このアルゴリズムの解読に力を貸して欲しい」
「これは……?」
「これを解かない限り、ソウルバーナーを救出出来ない」
ブラッドシェパードが仕掛けた罠も草薙でも手を焼いている様で、草薙からチャットでそこにファルシュがいるなら力を貸して欲しいと連絡が来た
三か月前の事件でSOLテクノロジーが同じ様にPlaymakerを捕獲する為、LINK VRAINSを閉じた時もハッキングで抉じ開けたファルシュの手腕を見込んでのものだろう
「…これ、父が解析しようとしていたものと似ています。確かいつの間にか紛失していたと言っていましたが…」
「…そうか」
「父が解析していた部分で覚えている所を、そちらにお送りします」
「そんな事をしていいのか」
「どうしたんですか?今日のプレイメーカーさんは沢山、心配をしてくださるのですね
…ええ、大丈夫かと聞かれれば大丈夫ではないのでしょうが…これも私が選んだことですから!」
その時に浮かべた笑顔が今日見た中で一番ファルシュらしいものだったとPlaymakerから思わず笑みがこぼれた
「あ、後で報酬としてフレンドコード交換を…」
「それはない」
「ぐぬぅ…!分かってましたけど!分かってましたけどー!」
再びDボードに崩れ落ちるファルシュから送られてきた、一部解読されたアルゴリズムを草薙に送信しながら前言撤回も視野にいれたPlaymakerだった
送った一部解読済みのアルゴリズムが役に立ったのか、それともまた違う方面からの手助けがあったのか、無事に罠を解除して現れたSoulburnerの元へと駆け付ける
「無事で良かった」
「ソウルバーナーさん、良くご無事で!」
「ファルシュ?!どうしてここに…」
「話はまたどこかで、バウンティハンターに見つかる前にログアウトしておきましょう?」
先程、バウンティハンターが現れたという事はここにPlaymakerとSoulburnerがいる事はSOLテクノロジーに把握されているのだろう
ファルシュの言っている事もおおむね間違いではないと認められ、促されるままにPlaymakerとSoulburnerがログアウトしたのを見届けるとファルシュもその場から姿を消した
欠けた星の輪郭をなぞる事さえも
(臆病な僕には出来なくて)
(伸ばした指をそっと握った)
気が付けばあれ程までに声を上げ、急かす様に戦況を作り上げていた少女の瞳は凛然と凪いだ水面の様に冴えていた。静かに、その時を待っているのだ
「──荒ぶ六花はここに途絶え、春告げ鳥の歌の元へと祝福の花は降り注ぐ…儀式召喚!降臨せよ、《エフロエンスクワイア・ドレースデン》!」
──枯れた二体の花の聖女の上に新たな歌が舞い降りる
足には光や風を受けるごとに色が変化するステンドガラスを有した、その小柄なモンスターは聖歌隊の子供を思わせる小柄な風貌をしていた
「ここで『エフロエンス・ミスティリオン』の効果を発動します!
【エフロエンス】儀式モンスターの召喚素材となった植物族モンスター1体を守備表示で特殊召喚できる!私は《エフロエンス・アガサ》を特殊召喚!
更に2体の【エフロエンス】モンスターの召喚に成功した事で私は600P LPを回復し、その数値分、フィールド上の【エフロエンス】モンスターの攻撃力をアップします!」
「く…っ!ブレード・オーガの攻撃力を上回ったか…!」
「イグベラントの効果でLPが回復した為、ドレースデンのモンスター効果を発動します!自分ライフが回復するごとに500のダメージを受けていただきます!
バトル!私は《エフロエンスクワイア・ドレースデン》で《剛鬼 スープレックス》を攻撃!」
「守備表示のスープレックスを攻撃?!」
「ドレースデンのモンスター効果!このカードが守備表示のモンスターを攻撃する時、その守備力を攻撃力が上回っていた場合、貫通ダメージを与えます!
更にもう1つの効果!ドレースデンが異なる属性を持つ相手フィールド上のモンスターと戦闘を行う際、攻撃力は倍となる!」
「なに?!スープレックスの属性は地、ドレースデンの属性は……光!」
「攻撃力6200のドレースデンで攻撃!<カレイド・ペタル>!!」
ファルシュの攻撃宣言を聞いたドレースデンの足元へその足に施されたステンドガラスの模様が降り、中空へ巨大なステンドガラスを創り出す
巨大になり過ぎて割れてしまったガラス片は様々な光をまき散らしながら、守備表示のスープレックスを攻撃し、突き抜けたガラス片が剣持の足をDボードから遠ざけた
《えげつない攻撃力で仕留めたなぁ…ワンターンキルかよ!まあ、こっちも同じ様なもんだけど!》
「プレイメーカーさん!私、見事に勝ち取ってみせましたよ!さあさあ、褒めていいのですよ?何なら先程は出来なかったハグで再会を喜んで…きゃん?!」
自分よりも早くもう一人のバウンティハンターを倒したPlaymakerへ近付き、ハグを要求したファルシュの願いは容易く却下された
それだけではなく頭にチョップまで貰うおまけ付きである、モンスターによるダイレクトアタックかと思える程の力にファルシュは自身のDボードの上に崩れ落ちた
「うぅ…酷い…か弱い乙女に…」
《どこが?どこがか弱い乙女なの?オレ、わっかんな~い!》
「ここにいるんですけど?!」
「アンタ、大丈夫なのか」
《え?頭が?》
「黙ってろ」
さりげなくAIにまで馬鹿にされた事に気付きつつも、ファルシュの瞳はこちらを見つめるPlaymakerの翡翠の瞳に釘付けとなっていた
この瞳に見つめられるだけで何もかも見透かされている気になってしまう、実際にそうなのかもしれない。今はブルーガールの事で後ろめたさがあって、それを突かれている様でファルシュは視線を逸らす
「…い、嫌ですね~!今の決闘見ていなかったんですか?私にしては綺麗な勝利でしたでしょう?全然不安要素なんて、」
「アンタが選んだ事なら何も言わない、だが、」
《だが?》
だが──その言葉の続きにはこんな言葉が並んだのだろう、「全てを突き抜ける様な笑顔で笑っていてほしい」と。そんならしくもない事を言ってしまいそうになる程に今のファルシュはらしくない
らしくあろうとしているのだろうが自分にはバレバレなのだ。嫌でも追いかけられ続け、その笑顔の微妙な変化にも気付く様になってしまった
「ファルシュ」
「ひゃい?!…あれ、今、名前?!」
「このアルゴリズムの解読に力を貸して欲しい」
「これは……?」
「これを解かない限り、ソウルバーナーを救出出来ない」
ブラッドシェパードが仕掛けた罠も草薙でも手を焼いている様で、草薙からチャットでそこにファルシュがいるなら力を貸して欲しいと連絡が来た
三か月前の事件でSOLテクノロジーが同じ様にPlaymakerを捕獲する為、LINK VRAINSを閉じた時もハッキングで抉じ開けたファルシュの手腕を見込んでのものだろう
「…これ、父が解析しようとしていたものと似ています。確かいつの間にか紛失していたと言っていましたが…」
「…そうか」
「父が解析していた部分で覚えている所を、そちらにお送りします」
「そんな事をしていいのか」
「どうしたんですか?今日のプレイメーカーさんは沢山、心配をしてくださるのですね
…ええ、大丈夫かと聞かれれば大丈夫ではないのでしょうが…これも私が選んだことですから!」
その時に浮かべた笑顔が今日見た中で一番ファルシュらしいものだったとPlaymakerから思わず笑みがこぼれた
「あ、後で報酬としてフレンドコード交換を…」
「それはない」
「ぐぬぅ…!分かってましたけど!分かってましたけどー!」
再びDボードに崩れ落ちるファルシュから送られてきた、一部解読されたアルゴリズムを草薙に送信しながら前言撤回も視野にいれたPlaymakerだった
送った一部解読済みのアルゴリズムが役に立ったのか、それともまた違う方面からの手助けがあったのか、無事に罠を解除して現れたSoulburnerの元へと駆け付ける
「無事で良かった」
「ソウルバーナーさん、良くご無事で!」
「ファルシュ?!どうしてここに…」
「話はまたどこかで、バウンティハンターに見つかる前にログアウトしておきましょう?」
先程、バウンティハンターが現れたという事はここにPlaymakerとSoulburnerがいる事はSOLテクノロジーに把握されているのだろう
ファルシュの言っている事もおおむね間違いではないと認められ、促されるままにPlaymakerとSoulburnerがログアウトしたのを見届けるとファルシュもその場から姿を消した
欠けた星の輪郭をなぞる事さえも
(臆病な僕には出来なくて)
(伸ばした指をそっと握った)