TURN-045 ヒナゲシの香り立つ残骸
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「オイオイ…冗談だろ?クロッシェ、それを打ち込んだ所で自殺にしかなんないの分かんない?」
「それくらい本気って奴です、恋する乙女は好きな人の為だったらどんなことだって可能にしちゃうんですよ」
「あ、あわわ…綾乃さんの目、本気と書いてマジっすよぉ…アニキ~!」
「さあ、始めましょうか」
病原体ウィルスを装填したピストル型の注射、その銃口をクロッシェが自身の首筋に運んだ時の指先をAiは見逃さなかった
それはそうだ、あのウィルスは綾乃の華奢な肩が一瞬でも力を抜けば折れそうな程に重い存在。彼女にとって忌まわしき過去に違いない、震える指先をAiは嗤いはしない、ただ利用するだけだ
「『クロッシェ、止めろっ!!!!』」
「っ…?!あ…っ?」
そう、例え一瞬の隙でも十分なのだ。現実に生きる綾乃とこの仮想空間に生きるAiとでは反射神経、体の動きや作りが違う
Playmakerの声帯模写は彼女が恋する乙女だからこそ通用した一種のスタンガンの様なもの、狙い通りに銃爪を引く前のクロッシェへ手が届いたAiの唇とが触れ合う
「隙あり」
「Ai、く…」
ああ、もしかするとクロッシェにとってはファーストキスという奴だったかもしれない、Playmakerより先に触れた唇を指で撫でてAiは思考する
救いはいらない、この悲しみもたった一人にしか分かってほしくない―だけど今はその時ではなくて、だからこそAiはこうやってクロッシェから奪うしかなかったのだ
「──お前の意思の強さはプレイメーカーにも匹敵するくらいだったよ、綾乃」
「クロッシェ!」
「……あれ、プレイメーカー、さん…の腕の中…?私、いつの間に天国に…?神様ってプレイメーカーさんの形してるのか…何ここ楽え…うぎゅっ」
「意識は定まっている様だな」
「相変わらずプレイメーカーはクロッシェに厳しいよな…大丈夫か?クロッシェ」
「だ、大丈夫です…後頭部強打だけで済んだので…」
抱きかかえていたPlaymakerが体を離した事で地面に叩きつけられた後頭部を摩りながら、クロッシェは上半身を起き上がらせる
相も変わらずリボルバーとPlaymakerは今はこちらに手を割いている余裕がない様で、それではあんまりだとSoulburnerが目覚めたばかりのクロッシェを気遣う事にした
「Aiとロボッピに何かされたみたいだけど、どこも異常はなさそうだな」
「……あの、ソウルバーナーさん」
「どうした?」
「───"Ai"って、誰ですか?」
ヒナゲシの香り立つ残骸
(忘れ物というたった1つの『真実』)
(返してほしいものも、もう分からなくて)