Memoria:2 幼き胸に刻みし友愛の証
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「来ましたね、それでは始めましょう」
「……どうして丸腰なの?」
「子供相手に本気になるのはばかばかしいのでね」
「……丸腰の人とは戦えない、それは騎士として恥ずかしい事だから……」
「そんな事言って負けるのが怖いんでしょう
これではやはりリチャード様に代わっていただくしかないですな」
幼いながらも騎士道精神を持つアスベルの言葉をビアスは嫌味で返し、尚かつ挑発じみた言葉を放ち、彼に剣を抜かせる
だがやはり大人と子供の差、そして実戦の経験でアスベルの剣はビアスに届く前に弾き返され、後ろに転げる
「アスベル様、頑張って…っ」
「っラティア…」
「遅い!それで戦っているつもりか?」
「くそぉっ!」
「な、何っ!?……なるほど、少しは訓練しているようですね、しかしここまでです!」
「そこまで!」
ラティアの声援が届いたのか力を振り絞った剣は初めてビアスを擦る、驚いた彼の顔に浮かんでいた笑みは消し去られた
子供相手にも負けたくないのかビアスは自身の武器であろう鉤爪で戦おうとするが護衛の上げた声に鍛錬は強制終了させられる、張りつめた空気を拭う様にアスベルは額の汗を拭った
「ふぅ……やっぱり本物の騎士は強いなぁ」
「すごい……ビアスと互角に戦うなんて……」
「お相手ありがとうございました、それと……大変なご無礼申し訳ありませんでしたっ!
もしよかったら、また稽古をつけて下さい」
「兄さんが大人だ……」
「どうしちゃったの!?」
「ご立派です、アスベル様っ」
「か、からかうなよ!騎士の世界では礼儀も大切なんだ!
稽古をつけてもらったら、ちゃんとお礼をしなくちゃ。俺だってそれくらい知ってるさ」
「君、騎士に興味があるのかね」
「俺、将来騎士になりたいんです」
「そうか、大きくなったら是非騎士団に入りたまえ、君は剣の素質がある」
「本当ですか!」
稽古を見ていたのか護衛は穏やかながら、確かな思考を持ってアスベルをそう賞賛する、その言葉にアスベルも素直に喜びを露にするが一方でビアスの挑発行為を嗜める
これを気にリチャードの稽古は交代させられ、邸内の警備に配置とされた、大人がいなくなり、ラティア達はアスベルへ駆け寄った
「ちょっとアスベル!すごいじゃない!」
「騎士の素質があるってさ!兄さん、さすがだな~」
「認めて頂いて良かったですね、アスベル様」
「いやあ……、勝てなかったのは残念だけど、リチャードが無理させられなくてよかったよ」
「君……」
「稽古はもうなしになったんだ、せっかくだから面白い所へいこうぜ」
自分の為に戦い、案じてくれるアスベルの言葉に漸くリチャードの堅い表情は和らぐ
これから何をするのかと聞くヒューバートに彼はソフィと出会った裏山の花畑を行くと持ち出すが日没が間近な事を指摘されると…
「じゃあお前達は残ってていいぞ、親父たちに何か聞かれたら、知らないって言ってごまかしてくれ」
「それですと私も残った方が良いのでは…」
「ラティアと一緒の方が俺は嬉しいんだ」
「は、はいっ」
「よし、じゃあいくぞ!ラティア、リチャード、ソフィ!」
そう言うとアスベルはラティアの手を引いて行く、その後ろを着いてくるリチャードとシェリアに頼まれたソフィも共に行く事に
裏山についた頃には危惧された様に日没に差し掛かったがそれでも咲き誇る花々の美しさは眼を奪われるのは違いない、その証拠にリチャードも言葉を失った
「…………!」
「相変わらずここは綺麗です…」
「ラティア、このお花はなに…?」
「これはですね…」
「美しい……」
「どうしてもリチャードにここを見せたかったんだ、せっかく王都からわざわざラントまで来たんだしさ」
「それだけ……?」
「ああそうさ、どうだ?気に入ってくれたか?」
「君という人は……」
ソフィに花の名前を教えているラティアの後ろの会話の雰囲気に安堵した様に彼女も微笑む
あの刺々しい雰囲気で他者を寄せ付けようとしなかったリチャードの心を開かせたアスベルの本質に改めて感心しているとその雰囲気を壊す様に第三者の声
「王子殿下、こちらにいらっしゃいましたか」
「ビアス……!」
「王子?思い出した!今の王様にはリチャードって名前の王子様が……」
「じゃあリチャード様がその…」
「王子殿下、護衛の者達が血眼で殿下を捜しております。彼らの手を煩わせるのは感心しませんな」
「心配をかけて悪かった、ビアス」
「いいえ心配など、私にしてみれば寧ろ好都合と言うものでして」
.