Memoria:17 手中のジャックに垣間見えるは
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「ラティア、本人がいない時に何だがこれだけは言っておく」
「はい?」
「アスベルはお前のことをメイドとして見ていない」
「それってつまり…」
「(少しは察したか?)」
「私は…お役御免ということですか…?!わ、私、どうすれば…!」
「あ~あ教官、ラティア泣かせちゃったね~」
「ラティアを苛める人、教官でも許せない」
「待てソフィ、話せば分かる」
友達以上恋人未満の平行線を辿る二人を後押ししようとしたが、彼女の天然であり鈍感は筋金入りで違う意味に捕らえられてしまった様だ
ふるふると小動物の様に体を震わせ、涙さえも浮かべたラティアを見たソフィはリスレットを取り出す始末、マリクの親切は自分の不幸を呼んでしまう結果となった
「ラティア大丈夫よ、お役御免って意味じゃないから落ち着いて?あなたに落ち度なんてどこにもないんだから
それにしても…何で男の人って言葉が足りないのかしら、もうしんっじられない!」
「うぅ…」
涙を溜めたラティアの手を取り、その手を優しく撫でフォローしたのはシェリアだった
そんな事が扉の外で起こっているとは知らないアスベルの方へと視点は変更する
「あなたは……!」
「ストラタの大統領を務めるダヴィド・パラディだ。その節はどうも、かな
正体を伏せる気はなかったが、あの場であんな格好では信用してもらえないかと思ってな」
ストラタ大統領という人物はセイブル・イゾレ、そしてロックガガンの体内から脱出したばかりの自分達の前に現れたあの貫禄のある男性だった
まさかすでに出会っていた人物が大統領とは思ってもいなかったアスベルが口籠っているとノック音が響き、その音を派生させた人物を大統領は招き入れた
招き入れられたのは濃淡色の服を纏った貴族風の男性、大統領の紹介によれば彼はヒューバートの養父であり実業家のガリード・オズウェルだと言う
逆にオズウェルにアスベルはヒューバートが召喚命令に対して寄越した人物だと伝えれば、彼は忌々しそうにヒューバートの行動を嫌悪した
「まずはアスベル君、君の話を聞こう。なんのために我が国へ来た?」
「ヒューバート・オズウェル総督は現在脅威にさらされているラント領にとって必要な人物です、その事を訴えるために参りました。彼はストラタ本国の意向に背いたために召喚命令を受けたと聞きました
しかしラント領とストラタの公式な関係に基づいて考えた場合、彼のやり方は正しい筈です。どうか彼をとがめる事なく公正かつ懸命なご判断をお願いします」
「私の下にはオズウェル総督は総督としての資質に欠ける者だと報告が入っているが」
「そんな事はありません、私だけでなくラントの民の間の評判も上々です」
「なるほど、オズウェルの話とは随分食い違っているな
私が召喚命令を出したのは君の弟に詳しい話を聞きたいと思ったためだ、我が軍はラント一帯のもっと広い地域を管理下に置ける筈だった、それに伴い輝石の採掘量ももっと増える筈だった」
そこまで言うと大統領は目線でオズウェルを自分の方へ来る様に訴える、それに従ったオズウェルが見たものは机上に置かれた自分の知らないラント領に関する報告書だった
オズウェルだけの報告では心許なかった為に彼が知らない所で大統領が他の者に調べさせたものだと言う、そこにはアスベルが託された信書の内容を裏付ける事も判明していた
「さてオズウェル、君は総督にラント周辺地域への積極的侵攻を指示していたようだな?私はそのような命令をした覚えはない、これはどういう事なのだ?
君は内乱の長期化でラント周辺が政治的に空白となれば、楽に支配できると考えたのだろう。だがそうならなかったからと言って、こちらからわざわざ事を構えようとするのはどうか?
しかもそれを私に隠れてやろうと言うのはあまりにも私を蔑ろにしていないかな?いや蔑ろどころではない、これは国家反逆罪にも等しい重大な問題行為だぞ
我が国の最高責任者は誰だ?君はいつから私に代わり大統領の地位に就いた?」
「隠れてやろうなどと滅相もございません!私はただ……」
「セルディク大公との秘密同盟から我が軍の進駐までラント政策はこれまで常に君の主導だった
だが今後かの地の事は私が直接取り仕切る、君にはここらで手を退いてもらいたい」
「なんですと……今まで私がラントを手に入れるため、どれほどの苦労をしてきたかは閣下もご存知の筈、その上で私に手を退けとおっしゃる……?」
「もし君が拒むなら、私は君の越権行為を査問委員会にかけなくてはいけなくなるぞ」
「……閣下のお心のままに」
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