Memoria:9 勇侠の志を弾劾の剣に乗せよ
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「今も王都にいらっしゃるのなら、何としてもお助けしなければと出撃の準備を整えておりました」
「心配をかけてすまなかった、集めた軍勢はこれから始まる戦いに使わせてほしい
僕は叔父セルディックを倒し、父上の無念を晴らす、デールにも力を貸してほしい」
「ははっ!無論でございます!」
「そうだ、紹介しておこう。こちらはアスベル、彼がいてくれたお陰で僕は王都を脱出する事ができた
ラティアとソフィとパスカルさん。彼女たちにもとても世話になった」
「アスベル・ラントです、お目にかかれて光栄です」
「もしや君はラント領の……」
「はっ、前領主アストンの長男です」
「そうだったか……礼を言う、よく殿下を助けてくれた」
「とんでもありません、殿下のために尽力するのは当然の事です」
「それにしてもラント領か……あの地もどうなっているのやら、今や事実上ストラタに支配されているような物だからな」
「その辺の事も含めて、詳しい状況を聞かせてほしい、その上で今後の方針を考えたい」
「かしこまりました、それではこちらへどうぞ」
リチャードからデールへのラティア達の紹介も終わり、全員は入口からデールの執務室へと案内された
詳しい状況を聞くのはアスベルとリチャードの様でラティアとソフィ、パスカルは室内を見渡していた、卓上には地図が広げられ、話は始まる
「セルディック大公は現在王都を中心とした地域を掌握しています、それとラント領に進駐しているストラタ軍の動向ですが……
今のところ、このストラタ軍が大公と連携して軍を動かす様子はありません、ただ元ラント領近くにあった輝石鉱脈が彼らの手で押さえられています」
「それだとウィンドル国内の輝石の流通がいずれ滞る可能性があるね」
「はい、事態が長期化した場合、その事も大きな問題となる可能性があります」
「そういえば、ストラタが我が国と同盟を締結したと聞いたが」
「はい、大公とストラタが以前から深いつながりを持っていたようでして」
「おそらく反乱に協力するか傍観してもらう見返りに叔父はラントを差し出したんだね」
「すまない、アスベル。君には酷な話だったね」
自分を気遣うリチャードの言葉にアスベルは頭を横に振る、そんな彼にデールはここから先は重要な話になる為、遠慮してもらいたいと部屋の退出を命ずる
だがアスベルは王都を取り戻す為、そして何よりもリチャードの力になる為に話に同席させて欲しいと頭を下げた、アスベルの熱意を聞いたリチャードが同席を頼めば、デールも嫌とは言えない
「それでは作戦についてご説明いたします、王都までは一本道ですが問題はウォールブリッジです。大公側も我が方を警戒しているのか、かなりの兵をウォールブリッジに置いています」
「正面からの力攻めはあまり上策とは言えないだろうね」
「正面から行くのが嫌なら、中に潜り込んじゃえば?」
「そうか……あの遺跡にあった装置を使えば……!」
「なるほど、先に誰かがウォールブリッジに潜入して、扉を開けるんだね」
「そんな事が可能なのですか?それができるなら、我々にとって大きな光明となりますが」
「どうかその役目を私にお命じ下さい、必ずや任務を成功させ、お役に立ってみせます!パスカル、装置を操作を頼めるか?」
「もちろん!」
「では僕も一緒に行くよ、僕は自分の手でこの戦いを遂行し、勝ちたいんだ。亡くなった父上の為にも……」
リチャードの確固たる、そして強い想いに彼に椅子に座ったままでいろとは言えない、話は彼の意志表明で幕を閉めた
星空が広がる夜中の屋敷と街とを繋げる道のそこにリチャードは一人物思いに耽り、佇んでいた、そんな彼に屋敷から出て来たアスベルが気遣う様に話しかけに行った、その背後ではソフィが物陰に隠れていた
「出発は明日の朝か、あわただしい話だな」
「アスベル……すまない、僕は君に無理を強いているのではないだろうか
騎士団が叔父方についたという事は君の知り合いだって、向こうにいるかもしれないのに、それに…何よりラティアを戦いに巻き込んでしまった」
「共に戦うと約束した時から覚悟はとっくにできている、気にしないでくれ。俺はリチャードの剣だ、存分に使ってくれればいい
ラティアの事も気にしないでいい、今度こそ、俺が守りきってみせるから」
「ありがとう、アスベル。君だけに打ち明けるけれど……本当は僕は戦争などしたくない
それでも僕は……この道を選ばざるを得ないんだ……」
「一日も早く戦いを終わらせて、平和を取り戻そう。そのための手伝いなら、俺はいくらでもする」
「ありがとう……明日の戦いは必ず勝とう、アスベル」
「ああ」
―なぜだろう……リチャードから目が離せない……
アスベルとリチャードが一緒にいるのを見ると不安になる……アスベルとリチャードは友達……なんだから……
リチャードがアスベルに悪い事をする筈ないのに……心配で……たまらなくなる……この気持ちをラティアに聞いたら…教えてくれるかな…
リチャードの剣として戦う事を決意し、その思いを汲んだアスベルの後ろでソフィが人知れず不安に駆られていたのを誰も知らない
会話を終わらせたアスベルは再び屋敷内に戻り、宛てがわれた自室で明日の為の睡眠を取ろうとすると背後から声をかけられた