Memoria:6 壊れ易い世界で不協和音の君
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「…天翔舞!」
「ぐぁっ!」
「っ?!な、そんな…」
「嘘…!だって、これは…夢…?!」
「ラティア、起きた…」
「…」
地面に付きそうな程の髪を風に靡かせ、舞い飛ぶが如く、三人を阻んでいた兵士達を切り捨てたのはその手で似使わないチャクラムに翼の様な刃がついた双刀を持った…ラティア
起きる筈が無いと思っていた彼女がこの窮地で目覚めた、それにアスベル達は目を見張るが列を作っていたフェンデル兵士達が一人の青年の槍の様な双刀で薙ぎ払われて行く
「あいつは……!?あそこにいるのはもしかして……ヒューバートか!?ヒューバート!」
その彼が七年前に引き離された自分の弟だと気付き、その戦闘に加勢する
「薙ぎ払え!衝皇震!」
「砂と散れ!」
引き離されたと言うのに変わらぬコンビネーションにより、フェンデル軍はその場に倒された
どうやらこの兵士達が最後だったらしく、辺りのフェンデル軍は一先ずは一掃され、アスベルはヒューバートへ振り返る
「ヒューバート……本当にお前なんだな、帰ってきてくれたんだな」
「少佐、掃討が終わりました」
「し、少佐?ヒューバート、お前、そんなに偉くなってたのか?」
驚きを露にするアスベルを他所にヒューバートは逃げ仰せたラントの住人達へと向かい、声を上げた
「ラントの皆さん、ご安心下さい!皆さんの仇敵のフェンデル軍は我らストラタ軍の手により、この街から駆逐されました!
皆さんはなぜ我々が来たのか疑問に思われている事でしょう、私自身がその答えとなります。私はヒューバート・オズウェル、かつての姓はラントでした。先の戦いで戦死した領主アストンの息子です!」
「ヒューバート様だ!」
「ヒューバート様がお帰りになったんだ!」
「私は今はストラタの人間ですが故郷ラントに関しては常々格別の思いを抱いてきました
ですからラントの苦境を知り、いてもたってもいられず、こうして助けに来たのです!」
かつてはこの街に住んでいた領主の息子が戻って来た事、そしてその次男が長男よりも自分達を守ってくれた事により、掌を返し、歓声を上げる
「ここで皆さんにご報告する事があります、ストラタとウィンドルはこの度同盟を締結いたしました、我々は皆さんの味方です!
我々は皆さんと共にあります。今後は共に手を携え、この地からフェンデルを追い払いましょう!」
「ヒューバート!」
「……少佐はこの後、軍議の予定です。少佐への正式なご面会は明朝までお待ち下さい」
「ヒューバート……」
民衆達を活気づかせ、その場を後にしようとするヒューバートに駆け寄りたかったがそう言われれば仕方が無かった
名残惜しげにヒューバートの背中を見ていると…
「!アスベル!」
「!ラティアっ」
「ん…っ」
後ろで物音がし、それに続き、シェリアの上げた声に振り向くとそこにはラティアが倒れていた
慌てて抱き起こすと未だに眠そうに、ぼんやりとした金色の瞳が自分を映し、涙が溢れそうになる程、喜びが胸から込み広げる
「ラティア、良かった…っやっと目を覚ましたんだな」
「…」
「何処か怪我はしていない?起きたばかりであんな風に戦って…危ないじゃない」
「…」
「?ラティア…?」
「……あなた達、だぁれ…?」
「「?!」」
「っそんな…!」
「分からないのか?俺だ!アスベルだっ」
「アス、ベル…?分か、らない…分からな、い…」
「ラティア!」
絶望と衝撃とを与えた言葉を残し、ラティアは再びアスベルの腕の中で気絶する様に眠ってしまった
彼女が目覚めた喜び、安堵の大きさ、それと同等の絶望がその場を満たしていた…
壊れ易い世界で不協和音の君
(ずれてずれて、行き着く先は何処に?)