Memoria:6 壊れ易い世界で不協和音の君
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七年ぶりとなるラティアと出会い、彼女を守るという思い以外の決意を抱き、アスベルはソフィと共に自室へ戻って来た
自室は七年前のままに姿を保ち、子供の頃はあんなに広かったが自分が成長した為に部屋は狭く感じる
「アスベル様、お茶をお持ちしました」
「フレデリック、いい所へ来た。手紙を書いたので出しておいてくれないか」
今の自分には小さく感じる机に向かって書いていたものをフレデリックへと渡す
その内容、封筒に書き記されていたそれにフレデリックは目を見開く
「これは……!騎士学校の退学届けではありませんか」
「俺は父の跡を継ぐ、俺はラント領主アストンの息子で長男なんだから」
「ケリー様にご報告いたします、きっとお喜びになるでしょう」
「ああ、それとフレデリック。フェンデル軍の野営地に関する報告書があると聞いたんだが」
「それでしたら執務室にございます、よろしければ一緒に行ってお出しいたしますか?」
「そうだな、よろしく頼む」
フェンデル軍との切羽詰まった戦い、ソフィらしき少女との出会い、そして何より…ラティアとの再会
今日一日が慌ただしく疲れも溜まっているがアスベルは決意が揺らがぬ前に執務室へと向かう事にした
以前までは父親が座っていた場所に自分が座り、そして父親が良くここで書物を読んでいた事を思い出しながら、アスベルは報告書を読み解いていた
「フレデリック、ここに書かれている内容は今もその通りか?
裏山の先にある海辺の洞窟を通れば、フェンデル軍の野営地の近くまで迫れると書いてあるが、うまく洞窟を利用すれば、野営地に奇襲をかける事もできそうだな……」
「失礼します、アスベル様
そのご様子だと新しいご領主様におなりになったのですか?」
「若輩者ではあるが、精一杯ラントの為に尽くそうと思う、バリーよろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
書物を読んでいる所にバリーが執務室へと入って来て、フレデリックの次にアスベルの領主継続に頭を下げ、祝福する
だが今はそれにも浸れずに目前の難解な状況にどうしても目がいってしまう
「早速ですがアスベル様、騎士団は動いてくれそうですか?今となってはそれが頼りで……」
「残念ながら難しそうなんだ、……自分たちの力で今の状況をなんとかしなければ」
「そうですか……」
「もちろんフェンデルへの対策は考えている」
「何かお考えがあるのですか?」
「フェンデル軍に対し、攻勢に転じようと思う
海辺にある洞窟を使って、敵の前線基地に夜襲をかけるんだ」
「なるほど、あの洞窟なら人目につかずに動けるかも」
「行軍は少人数に分かれて行い、洞窟の出口の手前で集合する
そこで夜を待ち、奇襲をかける。攻撃の指揮は俺が執る、決行は今夜だ」
「そんな急にですか?」
「激しい戦いの直後だからこそ敵に隙が生まれるんだ、今は好機だと思う
この作戦を絶対に成功させ、フェンデル軍の脅威を取り除く」
若いながらもアストンの様な意志の強さと説得力のある言葉にバリーは頷き、準備に取りかかると一礼すると執務室を後にした
彼と入れ替わる様に入って来たのは怪我人の手当が終わったシェリア
「私もその奇襲作戦に加えて下さい、フェンデルをなんとかしたいという思いは私にもあります」
「シェリア……」
「……わたしも行く」
「ありがとう、ふたりとも。よろしく頼む
よし、準備が出来次第出発しよう、昼の間に現地へ到着して、そこで夜を待ちたい」
「わかりました」
ソフィ似の少女も作戦に加わるという意志を見せてくれ、これを無下には出来ずにアスベルは彼女達と共にこの奇襲作戦に臨む
彼女等の準備が終わる前までにアスベルは再びラティアの部屋へと向かうと思わぬ人物がそこにいた
「!ここに来てたのか」
「うん、何だかこの人…ラティアを見てると安心するの」
「そうか…」
自分よりも先に室内にいたのはソフィ似の少女、少女は傍らにある椅子に座り、ラティアを見つめていた
そんな少女を優しく見つめながら、アスベルはラティアに話を聞いて貰っているかの様に呟く
「親父さえ、死ななかったら、今頃は…七年前にラティアに言った様に君を守れる騎士になれたのかな…
だけど考えるのは止めるよ、もう…どうにもならないのだから、だから…今の俺は自分に出来ることを精一杯やろうと思う」
「…アスベル?」
「シェリア、準備は終わったのか?」
「…ええ、姿が見えないと思ったら、やっぱりこの子の所にいたのね」
依然として口調が冷めたシェリアだがラティアに近付き、彼女の頭を撫でるその姿は妹を気遣う姉の様な風景だ
七年前から彼女とラティアはラントの人々から本当の姉妹の様だと言われていたが、今の自分ならその言葉に頷く事も出来る
「ラティアが起きて、帰る場所がなくならない様に戦わなきゃいけないな…」
「…ええ、そうね
七年前の様にじゃないわ、今度は私がラティアを守るわ」
「ああ、行こう」
「行ってくるわね、ラティア」
「行って来ます」
その言葉を言う際にシェリアが優しく微笑んだのを見、彼女の優しさが変わっていない事に気付き、アスベルは安堵した
奇襲に最重要とも言える海辺の洞窟へと魔物を切り捨てながら、街道の分岐点で立ち止まり、ソフィ似の少女を気遣う
自室は七年前のままに姿を保ち、子供の頃はあんなに広かったが自分が成長した為に部屋は狭く感じる
「アスベル様、お茶をお持ちしました」
「フレデリック、いい所へ来た。手紙を書いたので出しておいてくれないか」
今の自分には小さく感じる机に向かって書いていたものをフレデリックへと渡す
その内容、封筒に書き記されていたそれにフレデリックは目を見開く
「これは……!騎士学校の退学届けではありませんか」
「俺は父の跡を継ぐ、俺はラント領主アストンの息子で長男なんだから」
「ケリー様にご報告いたします、きっとお喜びになるでしょう」
「ああ、それとフレデリック。フェンデル軍の野営地に関する報告書があると聞いたんだが」
「それでしたら執務室にございます、よろしければ一緒に行ってお出しいたしますか?」
「そうだな、よろしく頼む」
フェンデル軍との切羽詰まった戦い、ソフィらしき少女との出会い、そして何より…ラティアとの再会
今日一日が慌ただしく疲れも溜まっているがアスベルは決意が揺らがぬ前に執務室へと向かう事にした
以前までは父親が座っていた場所に自分が座り、そして父親が良くここで書物を読んでいた事を思い出しながら、アスベルは報告書を読み解いていた
「フレデリック、ここに書かれている内容は今もその通りか?
裏山の先にある海辺の洞窟を通れば、フェンデル軍の野営地の近くまで迫れると書いてあるが、うまく洞窟を利用すれば、野営地に奇襲をかける事もできそうだな……」
「失礼します、アスベル様
そのご様子だと新しいご領主様におなりになったのですか?」
「若輩者ではあるが、精一杯ラントの為に尽くそうと思う、バリーよろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
書物を読んでいる所にバリーが執務室へと入って来て、フレデリックの次にアスベルの領主継続に頭を下げ、祝福する
だが今はそれにも浸れずに目前の難解な状況にどうしても目がいってしまう
「早速ですがアスベル様、騎士団は動いてくれそうですか?今となってはそれが頼りで……」
「残念ながら難しそうなんだ、……自分たちの力で今の状況をなんとかしなければ」
「そうですか……」
「もちろんフェンデルへの対策は考えている」
「何かお考えがあるのですか?」
「フェンデル軍に対し、攻勢に転じようと思う
海辺にある洞窟を使って、敵の前線基地に夜襲をかけるんだ」
「なるほど、あの洞窟なら人目につかずに動けるかも」
「行軍は少人数に分かれて行い、洞窟の出口の手前で集合する
そこで夜を待ち、奇襲をかける。攻撃の指揮は俺が執る、決行は今夜だ」
「そんな急にですか?」
「激しい戦いの直後だからこそ敵に隙が生まれるんだ、今は好機だと思う
この作戦を絶対に成功させ、フェンデル軍の脅威を取り除く」
若いながらもアストンの様な意志の強さと説得力のある言葉にバリーは頷き、準備に取りかかると一礼すると執務室を後にした
彼と入れ替わる様に入って来たのは怪我人の手当が終わったシェリア
「私もその奇襲作戦に加えて下さい、フェンデルをなんとかしたいという思いは私にもあります」
「シェリア……」
「……わたしも行く」
「ありがとう、ふたりとも。よろしく頼む
よし、準備が出来次第出発しよう、昼の間に現地へ到着して、そこで夜を待ちたい」
「わかりました」
ソフィ似の少女も作戦に加わるという意志を見せてくれ、これを無下には出来ずにアスベルは彼女達と共にこの奇襲作戦に臨む
彼女等の準備が終わる前までにアスベルは再びラティアの部屋へと向かうと思わぬ人物がそこにいた
「!ここに来てたのか」
「うん、何だかこの人…ラティアを見てると安心するの」
「そうか…」
自分よりも先に室内にいたのはソフィ似の少女、少女は傍らにある椅子に座り、ラティアを見つめていた
そんな少女を優しく見つめながら、アスベルはラティアに話を聞いて貰っているかの様に呟く
「親父さえ、死ななかったら、今頃は…七年前にラティアに言った様に君を守れる騎士になれたのかな…
だけど考えるのは止めるよ、もう…どうにもならないのだから、だから…今の俺は自分に出来ることを精一杯やろうと思う」
「…アスベル?」
「シェリア、準備は終わったのか?」
「…ええ、姿が見えないと思ったら、やっぱりこの子の所にいたのね」
依然として口調が冷めたシェリアだがラティアに近付き、彼女の頭を撫でるその姿は妹を気遣う姉の様な風景だ
七年前から彼女とラティアはラントの人々から本当の姉妹の様だと言われていたが、今の自分ならその言葉に頷く事も出来る
「ラティアが起きて、帰る場所がなくならない様に戦わなきゃいけないな…」
「…ええ、そうね
七年前の様にじゃないわ、今度は私がラティアを守るわ」
「ああ、行こう」
「行ってくるわね、ラティア」
「行って来ます」
その言葉を言う際にシェリアが優しく微笑んだのを見、彼女の優しさが変わっていない事に気付き、アスベルは安堵した
奇襲に最重要とも言える海辺の洞窟へと魔物を切り捨てながら、街道の分岐点で立ち止まり、ソフィ似の少女を気遣う