Memoria:5 朽ちた筈の秒針が息を吹き返す
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「しまった……!」
「そんな……!」
二人の命を奪おうと機械兵器の銃口から弾丸が幾重にも放たれてくる、ここまで追いつかれない様にと走って来た為に避ける体力も底をつく
一つの弾丸が二人が立つ地面を振動させ、爆風が二人を崖際まで吹き飛ばす
「くそ……また俺は……」
―また俺は何も守れないで、彼女に会えないままで終わるのか?
「そんなのは……嫌だ!」
アスベルが思いの丈を叫んだと同時に彼の体から淡い桃色の光が発生し、それに呼応する様にシェリアの体からもその光が吹き出す
その光は重なり合い、眩い光の柱となり、二人を機械兵器達から守る様に沸き立ち、姿を為す
「な、なんだ!?」
「あれは……」
収束した光は突風となり、機械兵器達をいとも簡単に吹き飛ばす
何が起きたか分からないままの二人の前に姿を為したソレはあの日の思い出通りだった
「まさか……」
「ソフィ……!」
七年前、アスベルの前で事切れたその少女は七年前のままに降り立った、その視線が見向かうは再び起動した機械兵器達
「ひとりで立ち向かう気!?」
「まずい!」
先程の突風で今動くのは一体だけ、好機は十分にある
「この名を以ちて裁け!リリジャス!」
「雷斬衝!」
先ずはシェリアの魔術が機械兵器の動きを封じる様に小さな雷をその巨体に落とす
動きが止まった兵器へとアスベルの雷を纏った剣撃が通じ、動きを制したままで攻撃を続ける
「獅子戦吼!」
「そこかっ!魔神剣!」
ソフィ似の少女が自身の闘気を兵器へ叩き付け、吹き飛ばした後を追う様にアスベルの放った斬撃が連続で当たり、兵器は動きを止めた
戦闘が終わった事により、少女と二人は見向かう、見れば見る程…少女はソフィに瓜二つ、その疑問をシェリアが戸惑いながら口にした
「ソフィ……なの?」
だがその疑問に少女は目を開閉させ、答える事はない、持ち合わせている言葉がないかの様に
「……ソフィの筈がない、そんな事あるわけがない
……ソフィはあの時……七年前に死んだんだ……」
「ソフィ……?」
「でも……まさか……記憶を失っているのか……?」
尚増す戸惑いを顔を見合わせ、交換する、そして意を決してアスベルは少女に近付く
「見て欲しいものがある、こっちへ来てくれ」
少女とシェリアを連れ、見せたいものとはこの裏山の大木に彫られた四人分の名前
「七年前にリチャードが来た時、ここでラティアとソフィも交えて四人で友情の誓いをやったんだ
この木の幹を見てくれ、どうだ?何か思い出さないか?」
木の幹に彫られた名前を少女は凝視するが直ぐに首を小さく横に振る
「わからない、でもこの木を見ていると不思議な気持ちになる
とても大切な物を見ているような、そんな気になる」
「どういう……事?」
「常識的に考えればソフィ本人と言う事はありえないと思う、だが赤の他人と言い切るにはあまりにも……あまりにも……似過ぎている
なあ、これからどうするんだ?よかったら一緒に来ないか?」
「そうした方がいいわ、ここにいたら危ないし」
「よし、急いで街へ戻ろう、あれから皆がどうなったかも心配だ」
「さあ行きましょう」
シェリアに先導されるままに少女はアスベルに撫でられた頭を終始抑えた状態で歩いて行った
その背中を追う前にアスベルは近くに咲いていたクロソフィの花を一輪摘み、彼女達を追った