Memoria:4 散るは風花、砕かれしは約束
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「アスベル……アスベル……」
気絶していたアスベルを呼ぶ声に重い目蓋を開く、そこには疲れきりながらも彼が起きた事に安堵して微笑むソフィの顔
「よかった……アスベル……目を……覚ました……」
「俺のせいだ……こんなところに連れてきたから……ラティアも…本当に、ごめん……」
「アスベルが……崖から落ちた時……あの時笑ってた理由……やっと……わかった気がする……」
「…そうだ、ラティアが…!ラティア、死んでない、よなっ?」
「だいじょうぶ…わたしが…」
抱き起こされ、目の前に血を流し倒れているラティアを見て、アスベルは泣きそうな声でそう叫ぶ
だがそんな彼を安心させる様に微笑んだソフィにラティアと同じ手段で鋭い何かがソフィを貫き上げた
「ソフィ?!」
先程ソフィが倒した筈の魔物は息絶え絶えに生きており、その腕が彼女を貫いていた
「あっ……あっ……ああっ……あっ……」
「ソフィ!?」
「あっ……が……がはっ……!が……ぐっ……!」
貫かれた腕が抜かれ、無防備に地面に落ちたソフィの貫かれた箇所からは血ではなく、光の細かな粒子が溢れ出していた
そして冷や汗を流し、苦痛の声を上げる彼女は傷をものともせずに立ち上がると初めて聞いたにも等しい大声を上げながら、再び魔物に切羽詰まった表情で立ち向かう
「こぉのぉぉぉ!!」
「待ってくれソフィ!」
「おおおお~!!」
「ソフィ~~!!」
魔物と接触した瞬間、ソフィの体が一瞬分解され、その彼女だった物質は光と風となり、空間を光で染め上げ、風で吹き荒んだ
***
「ラティア…」
何が何だか分からない内にアスベルは大人達の手により、ラントへと戻されていた
そして父、アストンの決断でヒューバートはストラタのオズウェル家の養子として出され、もう会う事は出来ないだろう
ソフィは死に、ヒューバートと同じく会う事は叶わない存在となってしまった
目の前で治療を施され、寝間着でベットに寝かされているラティアはいつ起きるか分からない…昏睡状態と陥った
「ラティア、本当にごめん…いつも俺の我が侭に付き合わせて、こんな事にさせて…っ」
「…」
「俺、決めたよ、俺は家は継がない、領主になんかならないで騎士学校に入って、騎士になってみせる
そして今度こそ…ラティアを守れる様に強くなってみせる、絶対に。その間、一緒にいれないけど…ずっと思ってるから待っててくれ
…行って来ます」
―行ってらっしゃいませ、アスベル様
ずっと…お帰りを待っています
眠っている筈のラティアの優しい、いつも自分を見送ってくれた声がアスベルには聞こえた気がした
大切な存在を一度に喪失した痛みを心に少年は守る為の騎士を選び、その門を叩いた…
散るは風花、砕かれしは約束
(その日、少年は守る為の剣を心に宿した)