Memoria:40 セピア色の過去から色めく未来へ
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嬉しそうに声を弾ませ、ソフィが消えずに済む結末に皆、表情を明るく綻ばせ、先程まで自分の消失を覚悟していたソフィも使命から解放された事に心からの笑みを咲かせた
誰も欠けることない結末の到来、悲劇の連鎖への終止符、これでやっと長きに渡る二つの星を舞台にした戦いに終わりが迎えられた様だ
「戻ろう、俺たちの帰るべき場所へ」
「「ええ!」」
「ああ!」
「うん!」
「ああ」
「うん」
「はいっ」
望むべき最良の終わりに皆の表情は晴れ晴れと希望に満ち溢れていた
自分の掌を見つめ、アスベルは自身の中で眠っているであろうラムダに訴えかける
―ラムダ……よく見ていろよ、俺たちのこれからを!
一件の解決後、間もなく皆それぞれに自分の成すべき事の為に分離し世界各地へ旅立っていった
そしてラントの領主邸ではクロソフィで埋め尽くされた花壇の前で待ちぼうけを喰らったソフィが遅刻してきたアスベルに頬を膨らませ、不満を漏らしていた
「アスベル、遅い」
「すまない、ソフィ。手が離せなくて……」
本当に申し訳なさそうに遅れて訪れたアスベルを植木鉢を持ったソフィが恨めしげに見上げ続けるもので流石のアスベルも言い返してしまう
確かに遅刻したのは自分が悪いが、そこまで恨まれる筋合いはないと言う様に
「おい、そんなに睨むなよ。それほどは遅れてないだろ」
「違う、足下」
「足下?あ……」
指摘された足下にはクロソフィが植えられた植木鉢が並んでおり、それに気付かないアスベルが蹴り倒したままになっていた
どうやらそのことが遅刻して来た事よりもソフィにとって許されないことだった様だ
「花、踏んじゃ駄目」
「すまない、つい……でもこんなにあるんだ、一本くらい……」
「駄目っ!」
「……ごめん」
「一本だけでも……駄目なの」
「そうだな……俺が悪かった、十分気をつけるよ」
語尾を荒げ、一本だから良いという考えを叱咤され、苦笑するアスベルの言葉に安心した様にソフィは頬に朱を滲ませながら微笑んで頷く
ご機嫌は取れた様だと安心しているアスベルの背後で扉の開閉音が開いたと思えば、ソフィがあ、と零し、彼の背後に笑顔を投げかける
「ラティア!」
「遅くなってごめんね、色々やってたら遅くなっちゃって……何かあったんですか?ソフィの大きな声が聞こえてましたけど……」
「俺が不注意で花を踏んでしまって、ソフィに叱られたんだ」
「そうだったんですか……でも怒られただけで済んだって事はお花は無事だったんですね、良かったです」
穏やかに花の無事を微笑むラティアにアスベルも頷く、もしも蹴り倒した衝撃で花弁でも散っていたら…考えるだけでも恐ろしい
「さてと、風花はどうなってる?」
ここへ集まった理由、それはソフィが世話し続けたクロソフィの花が風花になる前兆が現れ、それを見届ける為だ
「もうすぐ。クロソフィ、さっきから光り始めてるの」
「いよいよだな、しかし……この花壇も立派になったよな。もう植える所がないんじゃないか」
「ソフィが一日も休まずにお水をあげて、お世話した結果ですね」
「アスベルの家だけじゃなくて、他にもたくさん植えたい」
「おいおい……このままじゃいずれ世界はソフィの花だらけになるぞ」
「でもお花が咲き乱れる世界、幻想的でとてもロマンチックですね」
「……あのねラティアとアスベル、わたし夢を見たの」
嬉しそうに自分が見た夢を語るソフィをアスベルは柔らかな眼差しで耳を傾ける、ラムダ討伐という使命から解放された最近の彼女は年相応の少女らしくなり、日々の成長が本当に微笑ましい
「どんな夢を見たの?」
「大きくなった風花に乗って、どこかの花畑に飛んでいって眠っていたの
それでね、目が覚めたら……大人になっていたんだよ」
今は小さな彼女が望む成長が夢となって現れたのか、ソフィは満面の笑顔で声を弾ませ、そう言葉にしたのだった
不安げに、けれど期待に胸を膨らませていつか大人になれる日が来るだろうか、と疑問を口にする彼女に二人は確信を持って頷く
「ああ、きっとなれるさ」
「大人になったソフィ、見てみたいな。きっと綺麗になるんでしょうね」
「そう、かな?」
「なあクロソフィ、お前もそう思うだろう?」
種から花が咲く様にソフィもまた成長の芽を出す、人の一生はどこか花にも似ている、そしてその成長を見届けられたら良いと同時にアスベルは思う
ふとクロソフィの風花としての旅立ちを阻むかの様に晴れ渡っていた空と降り注ぐ陽光を厚い雲が覆い隠していく
だがそれにより派生した薄暗い闇が庭にかかるとその中でぽつぽつ、とクロソフィの花々が次々と光を灯し始める
「あ……クロソフィが……」
三人が見守る中で光を灯し始めたクロソフィ達だが、その光は次第に弱まっていく
「光が、消える……」
「そんな……」
そのまま、風花になることなく光を弱めていくクロソフィを放っておけずにアスベルは膝を折り、クロソフィを両手で包み込むと光の力がクロソフィに命を輝かせんと注がれていく
「クロソフィ……頼む……!」
「頑張って……消えないで…っ」
セピア色の過去から色めく未来へ
(雪下の命も春に目覚めん)
誰も欠けることない結末の到来、悲劇の連鎖への終止符、これでやっと長きに渡る二つの星を舞台にした戦いに終わりが迎えられた様だ
「戻ろう、俺たちの帰るべき場所へ」
「「ええ!」」
「ああ!」
「うん!」
「ああ」
「うん」
「はいっ」
望むべき最良の終わりに皆の表情は晴れ晴れと希望に満ち溢れていた
自分の掌を見つめ、アスベルは自身の中で眠っているであろうラムダに訴えかける
―ラムダ……よく見ていろよ、俺たちのこれからを!
一件の解決後、間もなく皆それぞれに自分の成すべき事の為に分離し世界各地へ旅立っていった
そしてラントの領主邸ではクロソフィで埋め尽くされた花壇の前で待ちぼうけを喰らったソフィが遅刻してきたアスベルに頬を膨らませ、不満を漏らしていた
「アスベル、遅い」
「すまない、ソフィ。手が離せなくて……」
本当に申し訳なさそうに遅れて訪れたアスベルを植木鉢を持ったソフィが恨めしげに見上げ続けるもので流石のアスベルも言い返してしまう
確かに遅刻したのは自分が悪いが、そこまで恨まれる筋合いはないと言う様に
「おい、そんなに睨むなよ。それほどは遅れてないだろ」
「違う、足下」
「足下?あ……」
指摘された足下にはクロソフィが植えられた植木鉢が並んでおり、それに気付かないアスベルが蹴り倒したままになっていた
どうやらそのことが遅刻して来た事よりもソフィにとって許されないことだった様だ
「花、踏んじゃ駄目」
「すまない、つい……でもこんなにあるんだ、一本くらい……」
「駄目っ!」
「……ごめん」
「一本だけでも……駄目なの」
「そうだな……俺が悪かった、十分気をつけるよ」
語尾を荒げ、一本だから良いという考えを叱咤され、苦笑するアスベルの言葉に安心した様にソフィは頬に朱を滲ませながら微笑んで頷く
ご機嫌は取れた様だと安心しているアスベルの背後で扉の開閉音が開いたと思えば、ソフィがあ、と零し、彼の背後に笑顔を投げかける
「ラティア!」
「遅くなってごめんね、色々やってたら遅くなっちゃって……何かあったんですか?ソフィの大きな声が聞こえてましたけど……」
「俺が不注意で花を踏んでしまって、ソフィに叱られたんだ」
「そうだったんですか……でも怒られただけで済んだって事はお花は無事だったんですね、良かったです」
穏やかに花の無事を微笑むラティアにアスベルも頷く、もしも蹴り倒した衝撃で花弁でも散っていたら…考えるだけでも恐ろしい
「さてと、風花はどうなってる?」
ここへ集まった理由、それはソフィが世話し続けたクロソフィの花が風花になる前兆が現れ、それを見届ける為だ
「もうすぐ。クロソフィ、さっきから光り始めてるの」
「いよいよだな、しかし……この花壇も立派になったよな。もう植える所がないんじゃないか」
「ソフィが一日も休まずにお水をあげて、お世話した結果ですね」
「アスベルの家だけじゃなくて、他にもたくさん植えたい」
「おいおい……このままじゃいずれ世界はソフィの花だらけになるぞ」
「でもお花が咲き乱れる世界、幻想的でとてもロマンチックですね」
「……あのねラティアとアスベル、わたし夢を見たの」
嬉しそうに自分が見た夢を語るソフィをアスベルは柔らかな眼差しで耳を傾ける、ラムダ討伐という使命から解放された最近の彼女は年相応の少女らしくなり、日々の成長が本当に微笑ましい
「どんな夢を見たの?」
「大きくなった風花に乗って、どこかの花畑に飛んでいって眠っていたの
それでね、目が覚めたら……大人になっていたんだよ」
今は小さな彼女が望む成長が夢となって現れたのか、ソフィは満面の笑顔で声を弾ませ、そう言葉にしたのだった
不安げに、けれど期待に胸を膨らませていつか大人になれる日が来るだろうか、と疑問を口にする彼女に二人は確信を持って頷く
「ああ、きっとなれるさ」
「大人になったソフィ、見てみたいな。きっと綺麗になるんでしょうね」
「そう、かな?」
「なあクロソフィ、お前もそう思うだろう?」
種から花が咲く様にソフィもまた成長の芽を出す、人の一生はどこか花にも似ている、そしてその成長を見届けられたら良いと同時にアスベルは思う
ふとクロソフィの風花としての旅立ちを阻むかの様に晴れ渡っていた空と降り注ぐ陽光を厚い雲が覆い隠していく
だがそれにより派生した薄暗い闇が庭にかかるとその中でぽつぽつ、とクロソフィの花々が次々と光を灯し始める
「あ……クロソフィが……」
三人が見守る中で光を灯し始めたクロソフィ達だが、その光は次第に弱まっていく
「光が、消える……」
「そんな……」
そのまま、風花になることなく光を弱めていくクロソフィを放っておけずにアスベルは膝を折り、クロソフィを両手で包み込むと光の力がクロソフィに命を輝かせんと注がれていく
「クロソフィ……頼む……!」
「頑張って……消えないで…っ」
セピア色の過去から色めく未来へ
(雪下の命も春に目覚めん)