Memoria:40 セピア色の過去から色めく未来へ
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《……お前はそれでいいのか。我を消せば、全てが終わるものをなぜ……》
『お前を消すとなるとソフィも一緒に消えてしまうからな、それに……人間にも可能性があるんだって事をお前に見せなきゃ気が済まない
この世界を終わらせようとした事がいかにとんでもないか、それもわからせてやる。いいかラムダ、お前は何もわかってないんだ』
ソフィを消させない為にも、世界は憎悪に塗り固められただけのものではないと教える為にも真剣な面差しのまま、微かに混乱しているラムダへとアスベルは手を差し伸べる
『さあ、手を取れ』
《……断ると言ったら?》
そう言うと最初から分かり切っていたのか、アスベルは強気に微笑み、強気に反論する
『……俺がお前の手を取るだけだ
どちらが先かなんて関係ない、手はつなぐ事に意味があるんだから』
《あくまで我と共に生きるつもりか。油断しているとお前の脆弱な自我など簡単に乗っ取ってしまうぞ》
『そう簡単に乗っ取られたりしないよう、こっちも本気でやらせてもらうさ』
決してラムダが手を取るつもりはないだろうと察し、手を下ろしても尚アスベルは姿勢を崩しはしない
そしてそれはアスベルが自分と生きるという思考を変えないだろう、とラムダも同じ様に察し、生きる為にもそれを受け入れた
《……これからはお前と我と二人だけの戦いになるという事か》
『ああ、そういうことだな。俺は望む所だ』
お互い孤独な引き下がる事は出来なくなった戦いの幕開けを受け入れた後の空間にはアスベルの呼吸使いだけが響く
《……少し長く話し過ぎたようだ、それとも……もう限界が近いのか……
アスベル……我は少し……眠らせてもらうぞ》
『ラムダ……!』
光が弱々しくなっていくラムダを受け止めようと駆け寄り、伸ばしたアスベルの手にはヒューマノイド体のラムダが収まり、ラムダの意思が弱まっていくのに連動するかの様に空間も閉ざされ始める
『ラムダの光が小さくなっていく……まさか!消えるつもりなのか!?
ラムダ、消えるな!この世界にはお前の知らない素晴らしい事がまだまだあるんだ!消える事で全てを終わらせようなんて間違ってる!
お前は知るべきだ!知らなければいけないんだ!』
一際大きく強く、アスベルはラムダが抱き続けたただ一つの願望を訴える
「ラムダ!生きるんだ!」
それは二度目のラムダの命への訴え
「あれ……?何も聞こえなくなっちゃった」
「ラムダは……消えたのか?」
「アスベル……」
「う……」
「「「「アスベル!」」」」
「ん……」
不意にアスベルが呻くものでラティア達は緊張しながらも彼を覗き込む、目を開いた彼は一体どちらなのかと
「みんな……」
皆の抱く不安を払拭する様に頭を捻りながら目を覚ましたアスベルは確かに彼本人のもので、ただ一つ今までと違う所と言えば、左目が紫色に変色している事くらいか
「アスベル……!」
「ああ……」
「アスベル!」
「良かった!」
「アスベル……」
「ああ……」
「大丈夫ですか…っ?」
アスベルが無事に目を覚ました事に笑みを零すものもいれば、安堵の息をつくものもいて、皆それぞれに喜びを体現していた
そんな中でまだ思う通りに動かない体を起こそうとするアスベルを手助けしようとラティアが背中を支え、起き上がった彼に先程の会話の結末を聞こうと仲間達は不安げに眉を寄せる
「アスベル、大丈夫!?」
「アスベルとラムダが話してるのあたしたちにも聞こえてたよ、ラムダは……消えちゃったの?」
起き抜けで未だぼんやりとし、あの後に何が起こったのか分からずにいるアスベルの手をソフィが取るもので瞳を瞬かせ、予期しないソフィの行動に驚く
「ソフィ……?何を……」
瞳を閉じたソフィはどうやらアスベルの中にいるであろうラムダの気配を探るが、その気配が今までと違うものだと気付く
「……違う、今までみたいな反応じゃないの」
「今までとは違う……?」
「それじゃ……ラムダは消えたの?」
シェリアの問いかけにソフィは首を傾げる、気配がアスベルの中にあるので消えたのと自分が感じ取った反応は違うと言ったニュアンスで
「これは……それとは違う気がする、このラムダは……消せない。消す必要がないラムダ……」
「どういう事なのだろうな?」
「ラムダは……眠ると言っていた、少し眠らせてもらうと」
「じゃあもうソフィが自分を犠牲にする必要はなくなったって事?」
「ああ」
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