Memoria:40 セピア色の過去から色めく未来へ
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傷を抑えながら、自分もその会話を聞こうとリチャードはアスベルに歩み寄り、片膝を折るも今はその会話は聞こえてこないでいる
何故自分達も干渉出来ない筈の場所での会話が聞こえるのかは分からないが、可能性としてはラントの裏庭で分けてもらったソフィの力が関与しているものが高い
「ラムダ……アスベルの精神を乗っ取るつもりなのか……?ラムダは……僕の、自らの境遇を呪う気持ちと強く同調していた
それを僕は……わかり合えていると錯覚してしまった……だから僕たちは……本当の意味で助け合う事はできなかったんだと思う……だけど、アスベルなら……」
「アスベル……」
「……」
せめて彼が帰って来る事を待ち望んでいる仲間達がいると知って貰う為にラティア、アスベルの手を両手で包み込む、さながらその姿は天に祈る聖女の様に
ー!ラティア……?
自分の帰りを待つ少女の温もりがこの手に宿った気がして、アスベルはここでも彼女に支えてもらっているのだと察し、その手を握り返す様に拳を作り、ラムダと対峙する
『あの時、俺たちが見たのはやはりお前の心だったのか』
《……他者の不幸な過去はさぞ楽しかった事だろう。……満足したか?》
『……そんなわけないだろう、満足なんて……できるわけがない
お前の過去は確かに悲しみに彩られていた、けれどそれは理由になんてならない筈だ。だから……』
《自分は乗り越えられた、だからお前も乗り越えられる筈。……そう言いたいのか?人間は強欲で残忍な生き物だな、その上……傲慢だ
理解するふりをして、他を見下しているお前も同じだ。お前の考えなど読めている、どんな御託を並べようと無駄だ》
ラムダからの言葉にアスベルは張りつめていた緊張をつり上がっていた瞳と共に和らげる、ラムダは自分の考えを読めている、と言ったが細かい部分までは読めてはいない様だ
その言葉と観察眼は訂正しなければならない、ラムダは大きな勘違いと大きなことを見逃しているのだから
『読めている……か、だったらその読みはまだまだ甘いな
俺がいつ一人で乗り切れると言った?誰しも一人では乗り越えられないことがある
けど、手を取り合い協力し合えばなんだってやれる……俺はそう思っている』
静かに、けれど強い意志を宿した瞳で彼は訴える、自分が信じる仲間と力を合わす力…団結という強さを
《協力……その言葉でだまされるのは愚かな人間という存在だけだ》
『……そうだな、確かに人間はどうしようもない生き物だ。もちろん俺も、そんなどうしようもない人間の一人さ
だが……お前は知っているはずだ、人間は決してそれだけじゃないと』
今も尚、心の奥で息衝く人物をラムダは思い返す
『誤解から悲劇が生まれ、その悲劇がさらに大きな悲劇を生んだ』
自分に笑顔を教えてくれ、自分に生きろと託したコーネルの死もまた悲劇の一因、そこから今に至るまで悲劇が連鎖していったのをラムダは知っている
そしてその悲劇の連鎖に巻き込まれ、被害者となったのはラムダも同じ、言われない仕打ちを受けたのもアスベルが言う人々の誤解から始まった
『お前がこの世に生まれてやりたかった事はそういう悲劇の連鎖なのか?
悲劇の始まりにはいつもお前の悲しみがあった、そしてその悲しみから生まれた行動の結果もお前をさらに孤独にするだけだった
お前を育てたコーネルさんは悲しませるためにお前を育てたんじゃない筈だ』
ラムダが辿って来た過去に触れて来て、追体験する中で見えたコーネルのラムダへの思いはただ純粋な子供を見守る父性に溢れたものでしかなかった
《コーネルは……我に生きよと言った、人ではない我……人の形をもたない我に》
コーネルのことを思い出させる事で憎悪に満ちた為に堅く閉ざされていた心が開いた事にアスベルは安堵した様に微笑む
やはりラムダは思った通り、ただ生きたい為に、コーネルの言葉をやり遂げようとする為にこの事態を引き起こしただけだったのだと
『生きるとは何か、なんて俺には簡単に答えられない。だがこれだけはわかる』
もう自分達に敵意も憎しみもいらない、穏やかな笑みを保ちながらアスベルは追体験し感じたコーネルがラムダと共にこの世界を訪れようとした理由を自分なりに考え、代弁する
『お前を育てたコーネルさんはお前にこの世界をもっと見せたかったんじゃないか?
生きて、生きて、この世界を知って欲しかったんだ。しかしお前は生きる事で悲しみだけを知ってしまった』
辛く理不尽な事は誰にでもある、それでもラムダに降り掛かった災難は群を抜くものであった、ラムダが世界を憎悪するのも無理は無い程に
けれど世界はそれだけではない、アスベルはそこまで思うと笑みを消し、真剣な面差しに戻る、世界はラムダが思っている程に酷いものではないのだと諭そうとして
『だけど世界には素晴らしい事もたくさんある、コーネルさんがお前に見せようとしていたのはそういう世界だったはずなんだ』
《……コーネルが見せようとした世界……》
『……なあラムダ、この世界をもう一度見てみないか?俺の中に入ったまま、一緒に生きる事で、だ』
《……我はお前を侵蝕する、お前の領域は次第に薄れていくだろう》
『俺はお前に乗っ取られたりしない』
《不可能だ、人の身で抗いきれるものではない》
『やってみなくちゃわからない
俺がお前に乗っ取られてしまうかどうか……それも含めてお前は見ていればいい』
ラムダの意思と戦い続ける意思を闘志と滾らせた瞳でアスベルは目前のラムダを射抜く、自分がどうなるかと平行して世界を見てみろと挑発的に
彼のその態度はラムダにとって不可解なものでしかない、何故態々自分を生かそうとしているのか分からなかったからだ
何故自分達も干渉出来ない筈の場所での会話が聞こえるのかは分からないが、可能性としてはラントの裏庭で分けてもらったソフィの力が関与しているものが高い
「ラムダ……アスベルの精神を乗っ取るつもりなのか……?ラムダは……僕の、自らの境遇を呪う気持ちと強く同調していた
それを僕は……わかり合えていると錯覚してしまった……だから僕たちは……本当の意味で助け合う事はできなかったんだと思う……だけど、アスベルなら……」
「アスベル……」
「……」
せめて彼が帰って来る事を待ち望んでいる仲間達がいると知って貰う為にラティア、アスベルの手を両手で包み込む、さながらその姿は天に祈る聖女の様に
ー!ラティア……?
自分の帰りを待つ少女の温もりがこの手に宿った気がして、アスベルはここでも彼女に支えてもらっているのだと察し、その手を握り返す様に拳を作り、ラムダと対峙する
『あの時、俺たちが見たのはやはりお前の心だったのか』
《……他者の不幸な過去はさぞ楽しかった事だろう。……満足したか?》
『……そんなわけないだろう、満足なんて……できるわけがない
お前の過去は確かに悲しみに彩られていた、けれどそれは理由になんてならない筈だ。だから……』
《自分は乗り越えられた、だからお前も乗り越えられる筈。……そう言いたいのか?人間は強欲で残忍な生き物だな、その上……傲慢だ
理解するふりをして、他を見下しているお前も同じだ。お前の考えなど読めている、どんな御託を並べようと無駄だ》
ラムダからの言葉にアスベルは張りつめていた緊張をつり上がっていた瞳と共に和らげる、ラムダは自分の考えを読めている、と言ったが細かい部分までは読めてはいない様だ
その言葉と観察眼は訂正しなければならない、ラムダは大きな勘違いと大きなことを見逃しているのだから
『読めている……か、だったらその読みはまだまだ甘いな
俺がいつ一人で乗り切れると言った?誰しも一人では乗り越えられないことがある
けど、手を取り合い協力し合えばなんだってやれる……俺はそう思っている』
静かに、けれど強い意志を宿した瞳で彼は訴える、自分が信じる仲間と力を合わす力…団結という強さを
《協力……その言葉でだまされるのは愚かな人間という存在だけだ》
『……そうだな、確かに人間はどうしようもない生き物だ。もちろん俺も、そんなどうしようもない人間の一人さ
だが……お前は知っているはずだ、人間は決してそれだけじゃないと』
今も尚、心の奥で息衝く人物をラムダは思い返す
『誤解から悲劇が生まれ、その悲劇がさらに大きな悲劇を生んだ』
自分に笑顔を教えてくれ、自分に生きろと託したコーネルの死もまた悲劇の一因、そこから今に至るまで悲劇が連鎖していったのをラムダは知っている
そしてその悲劇の連鎖に巻き込まれ、被害者となったのはラムダも同じ、言われない仕打ちを受けたのもアスベルが言う人々の誤解から始まった
『お前がこの世に生まれてやりたかった事はそういう悲劇の連鎖なのか?
悲劇の始まりにはいつもお前の悲しみがあった、そしてその悲しみから生まれた行動の結果もお前をさらに孤独にするだけだった
お前を育てたコーネルさんは悲しませるためにお前を育てたんじゃない筈だ』
ラムダが辿って来た過去に触れて来て、追体験する中で見えたコーネルのラムダへの思いはただ純粋な子供を見守る父性に溢れたものでしかなかった
《コーネルは……我に生きよと言った、人ではない我……人の形をもたない我に》
コーネルのことを思い出させる事で憎悪に満ちた為に堅く閉ざされていた心が開いた事にアスベルは安堵した様に微笑む
やはりラムダは思った通り、ただ生きたい為に、コーネルの言葉をやり遂げようとする為にこの事態を引き起こしただけだったのだと
『生きるとは何か、なんて俺には簡単に答えられない。だがこれだけはわかる』
もう自分達に敵意も憎しみもいらない、穏やかな笑みを保ちながらアスベルは追体験し感じたコーネルがラムダと共にこの世界を訪れようとした理由を自分なりに考え、代弁する
『お前を育てたコーネルさんはお前にこの世界をもっと見せたかったんじゃないか?
生きて、生きて、この世界を知って欲しかったんだ。しかしお前は生きる事で悲しみだけを知ってしまった』
辛く理不尽な事は誰にでもある、それでもラムダに降り掛かった災難は群を抜くものであった、ラムダが世界を憎悪するのも無理は無い程に
けれど世界はそれだけではない、アスベルはそこまで思うと笑みを消し、真剣な面差しに戻る、世界はラムダが思っている程に酷いものではないのだと諭そうとして
『だけど世界には素晴らしい事もたくさんある、コーネルさんがお前に見せようとしていたのはそういう世界だったはずなんだ』
《……コーネルが見せようとした世界……》
『……なあラムダ、この世界をもう一度見てみないか?俺の中に入ったまま、一緒に生きる事で、だ』
《……我はお前を侵蝕する、お前の領域は次第に薄れていくだろう》
『俺はお前に乗っ取られたりしない』
《不可能だ、人の身で抗いきれるものではない》
『やってみなくちゃわからない
俺がお前に乗っ取られてしまうかどうか……それも含めてお前は見ていればいい』
ラムダの意思と戦い続ける意思を闘志と滾らせた瞳でアスベルは目前のラムダを射抜く、自分がどうなるかと平行して世界を見てみろと挑発的に
彼のその態度はラムダにとって不可解なものでしかない、何故態々自分を生かそうとしているのか分からなかったからだ