Memoria:39 花開く前に朽ちさせはしない
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『ぬ、うう!おの、れ…おのれぇぇぇ!! 苦しんで死ね!デスブリンガー!』
「スカラーガンナー!」
「具現せよ、新たなる息吹!ドリームファンダム!」
「覚悟を決めろ!終わらせてもらう!歪んだ運命を!ラムダよ!永久に眠れぇ!!」
視界全てを覆う程の爆発に耐えながらも今度はヒューバートの奥の手が閃く、それは両剣、双剣、零距離射撃、そして双銃術の極地、歪んだ運命を終わらせるには相応しい技
『そこまでして我を消し去りたいのか、そんなにまで憎まれなければならないのか!
夜天の極光に慄け!落ちよ!ディザスターライト!!』
死にはしない、自分は生きろと託されたのだから、星の核まで来たというのに無に消えたりはしない
怨嗟を撒き散らしながら足掻くラムダが再び死を呼び起こすもそれに被る様に清廉な謌声がラムダの落ちかけた意識を刺す
「手向けとならんことを…!ここで全ての因縁に終止符を穿たせてもらいます!ラムダ、あなたはもう安らぎに身を委ねるべきです…!アルストロメリア!!」
未来への憧れという言葉を宿した意思の具現体はラムダを挟み込み、新たな道を開こうと眩い輝きを生み出し、消え去った
仲間全員の奥の手をその身に受けたラムダの体は崩れ去り、一様に肩で呼吸する事を余儀なくされたラティア達はまだラムダを倒した、という実感に浸れずにいた
「倒したのか……?」
「見て、星の核に原素が吸収されていくわ」
ラムダによって吸収されていた原素はラムダが倒された事によって、その身から離れ、星の核へ還っていく
「これで星の核は元に戻る、大輝石にも再び原素が行き渡るようになる」
「……世界は元通りになるんだな」
「ラムダの光が弱まってる……何にも寄生しない状態でいれば、このまま消える……のかな?」
「ラムダ……」
激しい戦いを繰り広げて来た相手なれど、ラムダの過去の片鱗を見てきたラティア達にとってはラムダの消滅は一概に喜ぶ事は出来なかった
消滅を間近に弱まっていくラムダを見つめていたソフィだったが、彼女はこの状態で信じられない言葉を発した
「……駄目、消えない」
当然、ラムダはこのまま消え行くのみと思い込んでいたラティア達はソフィの言葉に驚きを露にする
「この状態になってもラムダは永い眠りを経た後、再び力を取り戻す」
「それじゃあ、いつかまた同じことが起こるということ……?」
「そんな……」
「せっかくここまで来たのに……どうにかならないの?」
どうにかラムダを何とかし、今回と同じ事の再発を阻止したいアスベル達からソフィは離れるとラムダへと歩み寄っていく
その様子が可笑しい事に気付きながら一つの仮定が浮かぶ、対ラムダとして生まれた彼女はラムダを何とかしようと再び極論に至ったのではないかと
「お前、まさか……その光ごと一緒に消える気じゃ……」
「「「「「えっ!」」」」」
まさか、だってあれ程にソフィへ対消滅は考えるなと言ってきたのに?と信じられない面持ちでソフィを見つめていると彼女はラムダへと歩み止まると振り返った
「……みんな、今までありがとう。みんなといられて、わたしはとても幸せだった」
やはりアスベルが思いついた事は彼女の思考と同じだった様で、切なげに儚く言葉を紡ぐソフィはこのままラムダと共に消え去るつもりだ
「わたしはみんなとみんなの未来を守りたい。みんなの住むこの星を守りたい、だから……」
「待てよ!お前は俺とラティアと約束した事を忘れたのか!?」
「今のわたしが消えても、みんなの中にずっとわたしのかけらが残ってる」
「それじゃ、消えちゃうのと同じじゃない!」
「ソフィ、言ってたじゃない!クロソフィが風花になるのを見てみたいって!
世界や星が守れても……そこにあなたがいないんだったら、何の意味もない!」
自分の夢も、命も諦めて、ラティア達とその未来を、エフィネアを守りたい、だから犠牲になる
その結論に至ったソフィから力を分けてもらって、ここまで来たのに、彼女が犠牲になるという最悪の結末を防ぐ為に抗って来たというのに何てどんでん返しだ
「……前にわたしをわけて、みんなの命をつないだ時と同じ
今度はもう……みんなに会う事はできないけど……」
何とか引き止めようとするラティア達の言葉を真摯に受け止め、俯いていた顔を上げたソフィは悲しさに耐える様に眉を潜めた表情で微笑んでいた
これから自分が取ろうとしている選択を後悔しない様に、泣かない様にと
「それでも、ずっと一緒にいられるから」
引き止めたいのに、だけど他にラムダを抑え込む方法もこれ以上に全てを受け入れたソフィにかける言葉も見当たらずにラティア達は黙り込み、俯いてしまう、否この瞬間もソフィを犠牲にしないで良い方法を考え続けている
これ以上、ラティア達といれば未練が残る、それを残さない為にもラティア達に背を向け、ソフィはラムダと対面するとラムダに触れる為に片腕を上げる
その様子をただ見つめるしか、ソフィが犠牲になる事を受け入れなければならないラティア達だったがアスベルは意を決した様に顔を上げ、ラティアは唇を噛んだ
花開く前に朽ちさせはしない
(君を守る為に僕はこの力を得たのだから)