Memoria:38 夢見た現実には遠く及ばないと
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「アスベル……いい加減にしろ、僕たちの邪魔をするな!」
「よせ、リチャード!お前はラムダが何をしようとしているかわかっているのか!」
その問いかけにリチャードは当然だと言わんばかりに禍々しい笑みを浮かべる、自分はラムダを理解していると
「当然だろう、ラムダの意思は僕の意思。ラムダの希望は僕の希望だ。もうすぐ僕たちはこの世界そのものになる、僕たちの理想そのものに!
こんな汚れた世界……僕たちに優しくない世界など作り変えてしまえばいいんだ」
今までのアスベルならここでリチャードの言い分にショックを隠し切れずに黙り込む事も多かったが、この場にいる彼はそんな言葉を聞いてもリチャードから目をそらさず、更なる追求で問い詰めていく
「お前の言う理想の世界とはどんな所だ?こんな事をして実現するものなのか?」
「……僕たちが世界そのものになれば、醜い争いの元凶を地上から消し去る事が出来る。争いの元凶……それは人間の存在だ
人は己の欲のために際限なく争いを起こす、人は存在している事自体が罪であり、間違いなんだ……違うか?」
「人間を滅ぼす事で争いをなくす……?そうしたらお前はどうなるんだ?
たった一人になって、それからどうするっていうんだ!そんなやり方で争いの元を断とうなんて間違ってる……
故郷を追われた時、お前は俺に手を差し伸べてくれたな。それが俺にはとても嬉しかった。リチャード、お前ならこんな事をしなくてもその優しさで争いをなくせる筈だ」
「『黙れ!!』」
このやり方は賛同出来なくても、リチャードがかつて夢見たやり方ならいくらでも手を貸すのを厭わない、今度は自分が彼に手を差し伸べる番だとアスベルは言う
だがリチャードは自分とラムダの言葉を否定され、激昂し、体から視認出来る程の赤黒い力が放出され、ラティア達の肌を叩き付けてくる
「ものすごい気が発散している、これは……原素の力か?」
「『これでわかっただろう?今の我がいかに圧倒的な存在であるかを
君たちにはもう僕たちを止める事はできないよ、なぜなら……君たちは……我の手によってここで死ぬのだから!』」
「…必ず生き残る!」
「死ねぇい!!」
「リチャードさん……!」
覚悟していたとは言え、やはり友人に剣を向けるのは気が引けるもので赤黒い防壁を張ったリチャードを前にしてラティアは出遅れてしまった
「遠慮はしない!アストラルベルト!」
「なにっ?!」
先行して防壁を破壊しようと手刀を放ったソフィ、この一件で彼女が一番悩み苦しんだ、自分達とも対立したが最後には自分達を信じ、力を分けてくれた
そんな彼女に偉そうな口を叩いたというのにこうして立ち尽くしてる自分の言った事をラティアは再度心に奮い立たせる
―自分で決めた、穏やかな日々を、未来を綴る為にアスベル達を、私を、世界を守ってみせるって……!
「……本気で参ります、リチャードさん!お覚悟!」
「どうやらラティアも本気になったようですね」
「ああ、一番心配していたが吹っ切れた様だ。オレ達も行くぞ!」
足をその場に止めていたラティアの動向を気にしていたヒューバートとマリク、その様子を見てリチャードと剣を交えるアスベル達の後に続く
何太刀かをリチャードの体に刻み付けた所で近接をアスベル達に任せ、ラティアは背後で詠唱を紡いでいたシェリアの横に並び、仲間のフォローに回る
「逃れえぬ連鎖を絡める名を宿せ!インサイト!教官!」
「パスカル!紡ぎし詠嘆の助けとならん、スペル・エンハンス!」
「ほいさー!我が奮うは灰燼の剛腕、具現せよ!ブラドフランム!」
「散りゆく闇!破滅の序曲!…凍牙、其は決別の剣と化し我が仇なす敵を切り伏せよ!蒼剣、フリジットコフィン!」
「この程度で…!」
「きゃあっ!」
「ぐあっ!」
「く…っ」
マリクの攻撃術が当たったというのにリチャードの体はその場に崩れる事なく、その体は遠い場所で詠唱を紡ぐラティア達へと割って入り、彼女達を地面に振り払ってしまう
術技によるリチャードへの追撃が出来なくなり、そして地面に振り払われたラティア達を守る為にアスベル達も駆け出すが彼の方が行動を早く収めてしまった
「フィアフルストーム!消え去れ!!」
「これはまずい…」
「想定外…!」
「あちゃ~」
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