Memoria:38 夢見た現実には遠く及ばないと
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「開け始祖の扉!マグネティックゲート!」
「壮麗なる星彩、光を連ね、闇を裂く剣閃となれ!グランシャリオ!アスベル、止めを!」
「任せろ!裂壊桜!…さあ、先を急ごう」
仕掛けを解除した先で待ち受けていた魔物を撃破し、足を進めると下層へ進む為の装置を塞ぐ様に例の壁が出現していた
この壁の前に見た光景ではラムダはコーネルの死という代償を経て、この星に来た所までだった、この星でラムダに何があったのか知る為、過去に足を踏み入れる
――今よりも遥か昔、ある場所の街道で王都地下とフォドラの研究所で対面した姿のラムダは何人かの人間に立ち塞がれていた、その人間達はラムダの存在に恐怖し排除しようと必死だ
『来るな……この化け物め……!』
逃げ延びたフォドラと同じ、姿が違う異形の存在としてここでもラムダを受け入れようとする者は、いない
《チガウ……》
『なんなんだよ、こいつ!なんでこんなのがいるんだよ!』
《チガウンダ……!》
異形の姿としても自分にはちゃんと心がある、分かり合える、それなのに彼らは自分の言葉に耳を傾けようとしてくれない
必死に自分は化け物ではない、と声を張り上げるラムダと対峙する男達の背後に桃色の光が空より降り立ち、地についた為か光はソフィを形成した
『こ、この子は……?』
《コイツハ……》
異形であるラムダの出現と重なってのソフィの襲来に同様する人々を気にも留めず、ラムダへと彼女は歩み寄る
今の光、自分とは正反対の敵対分子…この存在は、自分を排除する為に生まれ、あの人間に送り込まれた刺客
『……目標発見、攻撃開始』
《マダ……追ってクルノカ……!ソンナニ……憎いノカ……!》
どこへ行っても、逃げても自分には安住の地などないこと、人々からの言われのない憎しみを一身に受けなければいけないことに悲しみよりも憎しみが生まれ、絶望が心に灯る
仰ぎ見ていたソフィがラムダを排除する為にその巨体へ飛びかかり、両者一歩も引かない激しい戦闘が続き、どちらか一方が消える、という事はなく、二つの存在はお互いに一方から受けた傷に共に地に伏す
――それから月日はアスベルやラティア達がソフィと出会った七年前に進み、王都地下でアスベル達を守ろうとしたソフィは再びラムダと衝突するも決着はつかず終いで深い傷をお互いに受けただけだった
『う……うぅ……』
地下の祭壇らしき場所で眠っていたリチャードは目を覚まし、目の前に広がる惨状を目の当たりにする事になる
この記憶はラティア達も知らない空白、彼があの日、ここに倒れていたのは叔父であるセルディク大公の手の者に毒を盛られ、確実に死に至らしめる為だった
『アス……ベル……?ソ……フィ……?みんな……
みんな……どうしたんだ……誰に……やられたんだ……』
弱々しく体を起こしたリチャードだったが、体内を蝕む毒によって苦しげに咳き込む
『はぁはぁ……僕もここまで……なのか……いつかは……僕にも毒をと……思っては……いたけど……まさか……こんなに早く……
死にたくない……死にたくないよ……』
予期していた事でも"死"というものは幼い彼には重く暗い恐怖、生きたいと切に願う事で自分を覆う影から逃げようと言葉を紡ぐ
そしてその思いに「死にたくない」ラムダが同調する、その心の中には永い時を経てもコーネルに託された「生きろ」という言葉が残留し続け、守ろうと行動を起こす原動力となっていた
魔物の姿から精神体となったラムダは死に抗うリチャードへと近付く、今の彼にはそれさえも自分を死へ助長させるものに映り込む
『な、なんだ……!?』
《……生きる》
『え……?』
《……生きる……のだ……!》
その言葉はラムダ自身に向けられたのか、それともかつての自分の様に死に怯えるリチャードへか、はたまた…両者へか
図らずもラムダがリチャードの中へ潜っていった為にその命は永らえ、今の暴走に至るのだが、過去の記憶は今までの時と違い、突然切断した
「急に途切れた……」
「あれで最後だったんでしょうか……」
「ソフィ……最初に見えたラムダとの戦いはいつの事だったんだ?」
「……わたしが初めてこの世界に来た時……」
「その次に見えた光景ですが……あれはぼくたちやリチャード国王ですよね」
「あの時、私たちが襲われた魔物はラムダだったのね……」
「リチャードさんの身にあんなことがあったんですね……」
「……ラムダはただ生きる事に執着しているように見えた……」
「ただ……生きたいだけ……」
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