Memoria:37 響くのは悲鳴と共鳴 命の唄
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「そんな……ラムダは元々無害だった、だなんて……」
「エメロードさんはラムダのせいでフォドラが混乱し、結果的に滅びたと言っていたが」
「これまでの情報を統合するとラムダが何らかの実験の対象になっていたのは間違いない……
その実験が原因で騒動が起きたというのも事実だろう、ただ……」
「その騒動は必ずしもラムダだけが原因ってわけじゃなかったかもしれないんだね
でも責任だけは押しつけられて悪者扱いされた……そういう事かな?」
「……ここでこれ以上、推測を重ねていても仕方がない。今は少しでも早くラムダの下へ到達する事を目指すとしよう」
「……そうですね」
各々思う所、過去にラムダの身に起こった事に対して様々な臆測が生まれながらも今のラムダは自分達にとっては確かな敵、ラムダを倒し、リチャードを助けねばならない
思考を無理矢理に閉ざし、過去を詮索するのは止め、歩き出した仲間達の背後でアスベルは暗い面持ちのままにラムダに共感していた
―ラムダも……俺と同じように運命に翻弄されて来たのか……
けれど俺には絶望から救い出してくれる仲間たちがいた……ラムダは……どうだったんだろう
今まで見てきたラムダの記憶、過去のフォドラでラムダの味方はコーネルしか見かけなかった、彼以外にラムダに救いの手を差し伸べてくれる人物はいたのか
アスベルはそれを気掛かりにしている様だ、同じ運命に翻弄された身として
そしてシェリア達と先へ歩むラティアもまた自分に恐怖を植え付けたラムダという存在に思慮を深めていた
―私を刺したラムダも……七年前の私と同じように生死を彷徨っていた
……私の時とは違う、たった一人で命の消失を経験して……その絶望や悲しみはどれほど苦しかった、のかしら……
自分の時は図らずも自分が刺された瞬間をアスベルとソフィの知る所となり、長い眠りはヒューバートとシェリアの心にも深い傷となって根付いた
意識が沈む一瞬まで誰かを思えたラティアと来たる死に抗うしか出来なかったラムダ、その痛みは理解しようとすればする程に難解になっていく
「エメロードさんの姿、私たちが知っている時とは違ったわね」
難解になっていくラムダを理解するという事にチャレンジしていたラティアに届いたシェリアのふとした疑問
確かに思い返せば、自分達が知っているエメロードは何処か無機質で温かみに欠けた人物だった、だが過去の彼女はそれらのイメージを払拭させる人物像だった
「確かに……何だか生気に満ち溢れていた、といいますか……」
「フォドラで会ったエメロードはたぶんヒューマノイドだった」
「そうだったの?」
「精神を載せ替えて……それで眠って生き続けていたの」
「そうまでしてフォドラを守りたかったのかな、実は純粋な人だったのかもね」
あの繭の中でラムダを取り込み、フォドラを復活させる為にエフィネアを犠牲にしようとしたエメロード
自分達の理屈には合わずに倒してしまったが…彼女はただフォドラを救おうとなりふり構わない様になっただけなのかもしれない
「うん、たぶんそうだと思う……でも……間違っていたんじゃないかな?」
「ソフィ……ええ、そうね。きっとそうよ、誰かを犠牲にして誰かを助けるなんて間違ってるわ。ね、ラティア」
「はい!きっともう少しだけ時間……心に余裕があれば、違う解決策が生まれたかもしれない……今の私たちみたいに」
「うん!」
犠牲を出しての救済に固執していたエメロードも時間と心に滑らかさがあれば、違う道を歩んでいたかもしれない、自分達と同じ様な犠牲を出さずに協調という方法が
ワープ装置を使い、下を目指すと今度は上層とは違った趣のエリアへと辿り着く、下から漏れる光が強まり、周辺は暗がりに包まれたここは中層だ
先に進んでいくと先程見たばかりのあの壁があり、ここまで来たら慣れたもので突破する為に足を踏み入れ、過去の断片に触れた
色褪せた記憶はフォドラのシャトル格納庫へ場面を移動し、先程の記憶でエメロードに消去された筈のラムダが操作盤を錯乱した様子でたたき壊している最中
その小さな体躯の後ろにはコーネルを連れて行った男達が床に伏していた
『あ、あ、あー!』
『ラムダ!』
泣き叫んでいたラムダにかけられた呼び掛けに肩を震わせ、振り向く
視線の先にはよろめく自分自身よりもラムダを気にかけ、歩み寄ろうと手を伸ばすコーネルがいた
『かわいそうに……すっかりおびえて』
自身の保護者に対しても先程受けた恐怖から人間を恐れる様子を見せるラムダにコーネルは優しく怯えさせぬ様にと穏やかに声をかける
『だが安心しろ、私がお前を守ってやる。何があっても』
コーネルの言葉にまだ前の様に素直に頷けないラムダにもう一度信用して貰う為にコーネルは強く願う言葉を紡ぐ
『だから、頼む。もう一度私の事を信じてくれ、お願いだ……』
『所長、勝手な事をされては困りますね』
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