Memoria:34 運命が隠したがった手向け花
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「ラムダ~~ッ!」
怒りにも似た声を張り上げ、自身の手にリスレットを装備させたソフィはラムダを追おうとするも咄嗟にアスベルが肩を掴む事で静止を余儀なくされた
「ソフィ待て!どこへ行く気だ!?」
「リチャードさんの後を追うつもりっ?」
「止めないで!ラムダを消さないと!ラムダ~~ッ!!」
「落ち着けソフィ!!」
目先のラムダに捕らわれ、使命を果たそうとなりふり構わない状態になっているソフィを行かせぬ様にとしているアスベルの目の前でリチャードは姿を消す
繭の主がいなくなった事もあってか、崩壊は刻一刻と激しさを増して行く、ここの崩壊も時間の問題だろう
「このままでは全てが崩れるかもしれんぞ、ここにいるのは危険だ!」
「どうするの!?」
「ここにいては巻き込まれる、脱出するしかありません!」
「見て!シャトルが!」
上空から繭へ侵入した際に枝に絡まれていたシャトルが運良くパスカル達の前へ降って来る、崩壊に合わせ、絡まっていた枝も崩れたのだろう
崩壊に巻き込まれぬ様に急いで乗り込めというマリクの指示に仲間達はシャトルへ早足に乗り込んでいく
最後に繭に残ったのは未だリチャード、否ラムダを追いかけようとするソフィを行かせまいとするアスベルとラティア
「アスベル、ソフィ、急いでください!」
「ラムダ~!」
「あきらめろソフィ!」
マリク達がシャトルへ乗り込むのと崩壊が早まるのに気付いたラティアが率先する様に二人へ声を上げる、最終的にアスベルはソフィを引き摺る形でシャトルへ乗り込む事となった
崩れる繭の瓦礫の中を縫い、シャトルは無事に空中へ脱出、その内部ではパスカルを覗いた全員が息を乱し、座席に座るソフィを取り囲んでいた
「はあ……はあ……」
「全員無事か?」
「……なんとか」
「はあ……はあ……!」
「ソフィ!?大丈夫!?」
「ラムダ……消さないと……!」
「やめろ!」
星の核へ向かったラムダを今も尚追いかけ、消滅しようと立ち上がるソフィを手で制したアスベルにソフィは予想外の行動を返す
「離してっ!!」
「ソフィ?!」
物静かな部類に入るソフィが荒々しい気性で自分を制そうとするアスベルの手を払い除けた、その事に驚いたのはラティアだけではない
手を払い除けられたアスベルが一番に驚いた筈だ、けれどその空気を敢えて読まずにソフィは自身の使命を叫ぶ
「ラムダを消さないと!消さないとっ!」
「ソフィ!! お前は……自分のやろうとしている事の意味が本当にわかっているのか!?
自分が消えてもラムダを倒す……それは死ぬって事なんだぞ!」
「……それがわたしが作られた理由だから」
「ラムダを倒す為に死ぬ事がお前がこの世に生まれた理由だっていうのか!?」
「そんな悲しい事を言わないで、死ぬために生まれたなんて……」
「悲しい……?」
シェリアの言葉にソフィはラティアを不思議そうに見つける、それは命を捨てる事が自分の使命なのに何故悲しむ必要があるのかという様に
ラムダを消す為に生まれた、という存在に答えを求められるラティアは彼女の言葉に抱いた思いを説く、自分の言葉が少しでも彼女の命の重さを彼女に知って貰えたらいい、と思いながら
「……人の命には必ず何かの意味があると聞いたことがあります、でもソフィの命の意味は死ぬことにあるなんて思えません、思いたくない……
命の意味は自分で見つけるべきもの、けれどソフィが自分で自分の命は死ぬためにある、と思っていることが何より悲しいの」
「ソフィは悲しくないの?そんな一方的に運命を決められて、嫌な事は嫌だって言ってもいいのよ?」
「悲しい……。……その気持ちはわたしにはよくわからない
わたしは人間じゃない、ラムダを消し去るために生まれた存在。ラムダを消してわたしも消える、それがわたしの使命」
「なんだよ……なんなんだよそれは!」
自己を否定し、自分の思いを蔑ろにし続けるソフィに怒りを露にする、作られた拳は怒りの余りに震えていた
その怒りの表現はどこか痛々しく、ラティアを眉を潜め、アスベルは以前フォドラでラティアが抱いた思いを口にした
「使命ってなんだよ……そんな使命なら、忘れたままで良かったじゃないか……!」
「……ラムダを倒さない限り、オレたちに未来がないのは確かだ
その切り札がソフィだった……一体オレたちはどうすればいいというのだ……」
「ラムダは星の核へ向かってしまった、時間はないです。でもソフィを犠牲にした先の未来に意味なんてないですよ……」
「……他に方法はないの?ソフィが犠牲になる以外にラムダを倒す方法は?」
「ねえ、なんかあるでしょ?そうでないと悲しすぎるよ、こんなの」
「わたし以外にラムダは消せない」
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