Memoria:32 標なき深い森の暗中へ
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「あなた方も見ているはずです、我々が開発した最も高性能な兵器はヒューマノイドです
自立行動をし、全環境での稼働が可能なヒューマノイドこそ、我々の決戦兵器なのです。プロトス1のような、ですね」
「……」
「え、っと発射基地へ向かいましょう、ラムダを止める為にも急がないと」
自身の使命を思い出した今、ソフィにはエメロードの言葉が酷くのしかかった、ラムダを倒す為に生み出された最終兵器
その存在、兵器として使命を成せという意図を含ませ、告げるエメロードの言葉と思考はやはりフォローしたラティアとは相容れない
テロスアステュへ戻る道はやはり来た時と同じく魔物が行く手を塞ぎ、確固撃退を余儀なくされた、そしてここでもエメロードはふと過去の事例を思い出した様だ
「ラムダが急激に活性化しているとなると今頃、暴星魔物がエフィネアを暴れまわっているかもしれません……急いだ方がいいでしょう」
「ちょっと待って下さい、暴星魔物とはなんですか?」
「とても凶暴でこの世界を壊滅させたラムダから生まれた魔物です、赤い眼を光らせた種は中でも特に強力です」
「たしかそいつは……」
「ええ、ラントや雪に閉ざされた遺跡で我々を襲ってきた魔物です」
「やつらは繭から出てきた、となるとリチャード陛下がラムダに寄生されたというのは間違いなさそうだな」
「……」
「アスベル……」
リチャードがラムダに寄生された、だがそれはラムダに彼が操られているだけなのか自分の意志で世界に混乱を招いたのか分からないからだろう、アスベルの顔色は曇っていた
そんな彼にどんな風に手を差し伸べれば、どんな言葉をかければ良いか分からないラティアの表情もまた陰っていた
様々に思う所があるもののテロスアステュ前のワープ装置で街へ向かおうとしたアスベルを真剣な面持ちでマリクが引き止めた
「アスベル……オレたちはこれからとんでもない戦いへ身を投じようとしている」
「……教官?」
「パスカルのおかげでお前たちと同じ力を得て、オレもきっと力になれるだろう。だがその前に見せてくれ」
「……!……俺の力ですか?一対一は学生時代の訓練以来ですね」
「訓練など生易しいものではない、オレは……本気だ」
「わかりました、けど俺は……!強くなって、ラティアを…みんなを守ると誓ったんですっ!」
「ではお前の覚悟をその剣に映してみせろ!」
己の理想と仰ぐマリクへ自身の誓い、その覚悟を認めて貰う為にもアスベルは自身の腰に備わったサーベルを抜き、彼へと駈ける
その場に応じた術技の使用はいつも傍で見ていた戦い通りにとても安定しており、ウォールブリッジの時よりも高まった力は確かに苦戦を強いられる
だが力が磨かれているのはアスベルも同じ、マリクが詠唱によって拘束されている瞬間を突き、アスベルは彼に言われた様に自身の覚悟を技に乗せた
「魔王炎撃波!なんとか…なったか…」
「はぁはぁ……教え子に負ける日が……とうとう来たか……」
「……教官」
「アスベル、今になって思う……オレがあの日、フェンデルを去ったのは言葉の力を信じなかったからだ。だからカーツに何も言えなかった」
「言葉の力?」
「自分の力を信じられる者は言葉の力を信じているのだろう。アスベル、言い続けろ
臆面もなくお前の信念を、お前の誓いを!さあ後は好きにしろ、これは訓練ではないのだからな」
「教官……」
騎士学校にいた頃からの自身の理想に己の覚悟と信念を認めて貰い、アスベルにも感慨深く思う所があるのだろう
「では、ブスリと」
「ちょっと待て!本当に死ぬだろうが」
「あら…?さっきまで戦ってたと思ったのですが、楽しそう…ですね?」
「気にしないでいいわよ、ラティア。先に行ってましょ」
…感慨深く思いすぎて、思考が違う方向へ行ったらしいアスベルと彼の行動を嗜めようとするマリクを影から見ていた首を傾げるラティアを連れ、シェリアはその場を立ち去った
テロスアステュへ戻り、地下一階のシャトル格納庫へ向かうとそこではエメロードに言いつけられた事を正確に達成しようとシャトル修理に追われるサイがいた
「サイ、修理は終わりましたか?」
問いかけに頷いたサイへとエメロードがデリスビットをシャトルに取り付ける様に言い渡すとパスカルがその取り付け作業に加わると言い出す
作業へ彼女が加わったのは良いものの、やる事がないラティア達はそこ等を行ったり来たりと行き場のない足を動かしていた
「あとは細かい調整を残すのみです」
「あたしの作ったデリスビットもちゃんとついてるよ」
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