Memoria:29 縋るは張りぼての最善
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「サイ、あなたがあの人たちをここまで案内してきたのですか?」
「生きていたのか……!」
「……あなた方はどこのどなたですか?」
「アスベル・ラントといいます、フォドラとは別の世界からやってきました」
「別の世界というと《エフィネア》から?封印が解除されたのですか?」
「《エフィネア》……?」
女性の事で驚愕してばかりのラティア達とは今度は逆に女性が驚くが、ラティア達には彼女が発した単語とその驚愕の要因が分からずに首を傾げる
先程のここまで自分達を誘ってきた事を肯定したサイ、と呼ばれた子供を女性が伺うと今度は首を横に振った
「そうではない?変ですね、だとするとあなた方はどうやってここへ?」
「あたしのご先祖様が途中まで作ってたシャトルを利用して飛んできたんだよ、着陸する時に壊れちゃったけど……」
「ご先祖様……もしやあなたはアンマルチアの?」
「うん、そうだよ。アンマルチア族を知ってるって事は……もしかしてアンマルチア族ってこのフォドラと関係があるって事?」
「その通りです」
ソフィだけでなくパスカルまでもがフォドラと何らかの関わりを持っていた事が判明し、ラティア達は想定外の事に思わず彼女を見てしまった
だが彼女の事に気を取られていてばかりではいられない、今は目の前に現れた女性という生き証人に証言を取らなければならない
「あなたはフォドラの方ですか?」
「はい……自己紹介が遅れましたね、私の名はエメロードといいます
まさか《エフィネア》の方とこうしてお会いする事になるとは思いませんでした」
「《エフィネア》……それがフォドラにおける、ぼくたちの世界の呼称ですか」
「なるほど、私は長い間、眠りについていたようです」
「長いってどれくらい?」
「……千年ほどになるでしょうか」
「千年!」
「そんな長い間、ここで……?」
「この世界の混乱が収まるまでと思っていたのですが……こんなに時が経っていたなんて」
「あなたがフォドラの方なら、ぜひお伺いしたい事があります。この子をご存知ありませんか?」
アスベルは体を退かし、エメロードの視界に床に寝かせたままのソフィを入れると彼女はソフィを知っているかの様な口ぶりを発するとソフィへと歩み寄る
「どうやら壊れているようですね、あなた方は《エフィネア》からこれを運んできたのですか?」
「壊れた、って……」
「そんな、物のような言い方……」
「もしやあなた方はこのプロトス1がなんなのか、ご存じないのではありませんか?」
エメロードのソフィに対する言動にあんまりだ、と言う様にラティアが眉を潜めているのを知らずに問われた言葉に彼女達は近くにいた仲間と顔を見合わせる
「このプロトス1は人間ではありません。私たちフォドラの研究者が戦闘用として開発した人型ヒューマノイドなのです」
「ヒューマノイド……?」
「人の形をした人にあらざる者です」
「人に……あらざる者……」
「だから七年経っても昔の姿のままだったんですね」
「どのような存在であろうと俺たちにとってソフィがソフィである事は変わらない
エメロードさん、俺たちはソフィを治すためにフォドラへやってきました。ソフィを治療する事は可能でしょうか?」
アスベルの言葉に膝を折り、エメロードは先程よりも事細かくソフィを視察する
彼女が言うには元々ソフィには自動修復機能なるものが備わっているのだが、それが破壊されているのが働いていない為にソフィは回復しないのだと言う
―損傷がひどい……これはもしやラムダが……
「プロトス1を修復するにはヒューマノイドの研究施設に行く必要があります、ですが……私が休眠する以前から、あそこは危険な場所でした
今ではもっとひどい状況でしょう、あなた方の生命が危険に晒される可能性は極めて高いと思われます、プロトス1の状態はあまり良くありません……それに装置が今も動くかどうかも定かではありません
それに仮に障害を乗り越えたとしてもプロトス1は元通りにならないかもしれません」
―やっぱりソフィを物扱いするのを変えるつもりはない、んだ……
フォドラではこの態度が当たり前だったとしてもこの人、苦手……かもしれない