Memoria:28 音の無い海に風が凪ぐ
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「くそっ!きりがない!」
「どうしよう……このままじゃ……」
「アスベル様!ヒューバート様!」
この事態をどう切り抜けるか、シャトル発射の時間を気にかけるアスベル達の眼に飛び込んで来たのは洞窟の出口方面から民兵達を引き連れたバリーだった
「バリー!?なぜここに!?」
「魔物の群れがこちらに飛んで行くのを見て、駆けつけたんです
さあ、皆さんは早く行って下さい」
「行こう、アスベル」
「みんな、ここは頼む!」
魔物の注意はいつの間にかバリー達に向けられ、彼とマリクに促され、その場を彼らに任せるとアスベル達は急ぎ足で格納庫へと立ち戻る
戦闘を終えたアスベル達へとカウントダウンを続けていたポアソンが急いだ様子で彼らの行動を休む暇なく促した
「皆さん、急いで中へ!まもなくシャトルを発射レーンに乗せます」
促されるままにシャトルへアスベル達が乗り込んだのを確認し、ポアソンはシャトルの出入り口を閉ざすと発射レーンへとシャトルが乗せられると格納庫内とシャトルに舌足らずなアナウンスが流れる
「カタパルト移動、シャトルエンジン臨界
射出一分前……五十八……五十七……」
格納庫外の洞窟と隣接する海底からレーンが競り上がり、海面から空の海への道を作り上げると同時に格納庫外へとシャトルが日の目を見る
それらの動作が仕上がるまでにいつの間にか二桁のカウントダウンは一桁へと差し掛かっていた
「六……五……四……三……二……一……ゼロ!シャトル発射!」
その言葉を合図にレーン上をシャトルが音速の速度で空の海目掛けて駆け出すが、それを阻む様に大量の魔物が群れを成し、目の前を覆い尽くしていた
「大変……!」
「これではシャトルが……!」
「待て!あれはなんだ!?」
魔物の群れとは違う方向からキメラを引き連れたヴェーレスに乗り込んだフーリエが現れ、群れを排除せんとばかりに彼女の瞳は鋭い
シャトル整備には現れはしなかったが結果的にフーリエは妹、そしてラティア達を助ける為に駆けつけた為に来てはくれない、と落ち込んでいたパスカルは驚く
「お姉ちゃん!?」
フーリエとヴェーレス、そしてキメラ達の存在に気付いた魔物達はシャトルの邪魔よりも彼女達の排除を優先する為に襲いかかる
向かって来る魔物達へとフーリエを乗せたヴェーレスが迎え撃つ様に火球を吐き出したのを皮切りに戦いは開始され、その合間を縫い、シャトルは進み続ける
自分達の為に道を切り開いてくれた姉の姿にパスカルは振り向く
「お姉ちゃん……まさかこんな時に助けに来てくれるなんて……」
フーリエが魔物達を引きつけている間にシャトルはレーンから離れ、単体で空へと舞い上がる
それと同時刻、シャトルが舞い上がったのと同調する様にフェンデル、ストラタの熱線照射装置が起動する
「レーザー装置、発射!」
ポアソンの操作で二つの熱線は装置から発射され、空で一つに交わるとパスカルの考え通りにシャトルが通る為の穴を開き、そこからシャトルは海を越え、世界の外へと飛び出した
後ろを振り返った先には自分達の世界が青々と見送っていた、自分達の世界を覆う様に金属状の帯が包んでいた
「あれが羅針帯……」
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