Memoria:27 白む中、花より伝うは
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「はぁ……はぁ……魔物が……来るよ……みんな……逃げて……」
「ソフィ、うなされているのね。可哀想に……」
「夢の中でもみんなを守ろうとしてくれてるんだね……」
「今、あなたがすべき事はちゃんと休むことだから…もういいの、ソフィ」
ソフィの身を案じるラティア達の耳にノック音が響き、ヒューバートが室外の者を室内に招き入れる
室内へ招かれたのは先程自分達を出迎えたフレデリック、彼は丁寧に頭を下げると用件を告げた、その用件はアスベルとヒューバートに面会したいとバリーが執務室に通されている、という事だった
ソフィの事は心配であったが態々領主邸に足を運んだバリーを蔑ろに出来ず、アスベルは彼と会う事を決めた
「ちょっと行ってくる,みんなはここでソフィの様子を見ていてくれないか?」
「お任せください」
ラティアの言葉を聞き、アスベルはヒューバートを連れ、フレデリックに続く様に自室を後にした
彼らがいなくなった室内ではラティアがソフィの額に浮かぶ汗を拭ったりとしており、その言動や行動にパスカルは不思議そうに首を傾げる
「何かここに戻ってきてラティア、いつもより礼儀正しくなってない?」
「え?そんな事はないかと……」
「あまり精神を張りつめない様にな、心配する奴が出てくる」
「は、はぁ…あ、きっとフレデリックさんを見たからでしょうか
フレデリックさんは私にメイドとしての処世術を仕込んでくださったお師匠様みたいな方ですから、それで…」
「今のラティアは私達の仲間、でしょう?もうメイドとして立ち振る舞わなくても…」
「ぜ、善処します」
シェリア達に詰め寄られ、苦笑していたラティアを残した部屋を後にしたアスベル達は執務室に通されると室内にはバリーの他にケリーとレイモンが在籍していた
どうやらラントに襲来していた魔物の群れはソフィから放たれた光もあってか無事に退治を終える事が出来たらしく、その礼に彼が来た様だ
「それとアスベル様……助けてくれてありがとうございます」
「よしてくれ、当たり前の事をしただけだ」
「ところで……お嬢さんの具合はいかがですか?」
「……今休ませているがあまり容態は良くない」
「俺たちを守ろうとしてあんな事に……」
「そうじゃない、ソフィの調子が悪くなったのは今に始まった事じゃないんだ。バリーが気にする必要はない」
「……これからはラントに残られるんですか?」
「俺にはやらなくてはならない事がある。親友を救う事、それと……ソフィの事だ」
彼はソフィを治す為にフォドラへ行かなければならない、その為にもラントに留まり続ける事は出来ないのだ
またしばらく領主がいないという状態になる為にアスベルは申し訳なさそうに謝礼し、自分がいない間のラントを頼む、という言葉を告げる彼の言葉にバリーは…
「……アスベル様、俺は長い間,ラティアが言っていた様にあなたを誤解していたような気がします」
「バリー……」
「それでは俺はこれで失礼します」
それ以上に話を続ける事もなくバリーは一礼すると執務室を出る為にここでの用事は済み、アスベルとヒューバートは自室へ戻ろうと階段を上る
道中、今は亡きアストンと幼い自分達と母が描かれた肖像画の前でアスベルは立ち止まり、父の名を呟き、一つ思う
「何を考えていたんですか?」
「親父の事だ。認めてくれない親父に反発してこの家を出た、あの頃の俺は騎士になり、強くなればラティアを含めた全てを守れると驕っていた
けれど……それだけでは駄目だった、親父の跡を継いで領主という立場になったが,それは立場を継いだに過ぎない
親父は何を思い、領主として生き死んでいったのかって」
「お父様もあなたと同じでしたよ」
「母さん……」
亡き父の心を考えていたアスベルとそれを聞いていたヒューバートの背後からケリーが歩み寄り、彼らの知らないアストンの面を、想いを語る
「お父様はいつも悩み、迷いながら皆のために何をどうすべきか考えていました
けれど皆に不安を与えぬよう、表向きは強くあろうと努力していたのです。離れて暮らすあなたたちの事をお父様は誰より心配していました
あなたたちのために良かれと思いしてきた事があなたたちを苦しめたのではないかとも……」
「あの親父がそんな風に考えていたなんて……」
「お父様は不器用な方でしたから……あなたたちへの思いをうまく言葉や態度で表せずにいつも悩んでいました
今はまだ迷う事も多くあるでしょう、しかし大切なのは答えにたどり着こうとする心……お父様がよくそうおっしゃっていました
お父様の血を継いだあなたたちなら迷いの中から答えを見つけられるでしょう、私もあなたたちふたりを応援しています。自分の信じた道を進みなさい
お父様が生きていらっしゃったら、きっと同じように言ったと思います」
「母さん……ありがとうございます」
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