Memoria:26 天井に描いた空を世界と信じた
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「孤島から魔物が出現したと聞いたが、本当なのか?」
「はい。沿岸に接近したところ、あの島の全域を覆う繭のようなところから突然出てきまして」
「我々も懸命に応戦しましたが、一体一体が強力な上、とにかく数が多く……これ以上海上に留まって交戦を継続するのは難しいと判断し、帰港した次第です
海上には今もかなりの魔物が飛び回っていて、民間船にも被害が出ている模様です」
「しばらく定期船の航行を控えるよう、指示を出す必要がありそうだな」
一旦話を切った大統領はアスベル達へ振り返る、孤島の件はリチャードが中心だと聞いていた彼は調査結果を聞き、彼への不信感を露にした
「リチャード陛下は魔物を率いて、世界征服にでも乗り出すつもりなのか……」
「そんな……」
「リチャードさん……」
「負傷兵の救護と船の損傷状況の把握を急げ。それと動ける兵と船を再編し、魔物の襲来に備えるのだ。上陸だけは絶対に阻止せねば」
「かしこまりました!」
一人の兵士が命令に従う為、又はその言葉を他の兵達に告げる為もその場を走り去る
海上には繭から出現した魔物が徘徊しストラタは上陸阻止の為の準備に追われ、ラント行きの船は出せない危惧が生まれた
「まずいな……急いで海を渡らないといけないのに」
「君たちの事は我が国の船で責任をもって運ぶ、心配はしなくていい」
「ありがとうございます、閣下」
「お気遣い感謝致します」
「君たちの好きな時にいつでも船を出そう、準備が出来たら声をかけてくれ」
準備を終え、船着き場で待つ大統領に声をかけるとフェンデルに着いた後は陸路でフェンデルを抜け、ウィンドル領に入る様に指示を聞かされた
ベラニック南の港へ向かう中で見えた孤島は兵達が言っていた様に全体を白い繭で覆われ、中は伺い知れずだった
「……うぅ」
「しっかりしろ、ソフィ」
「大……丈夫……」
体調の悪化を辿るソフィの様子を見てからか、アスベルはこの空の越えた先にフォドラが本当にあるのかという疑心暗鬼に陥ってしまう
そんな彼の迷いを振り払う為にもラティア達が次々と彼の背を押す、又は支える言葉を口にする
「それこそ雲を掴むような話だ」
「しかし、ぼくたちは行かねばなりません」
「この日のためにきっと昔のアンマルチア族がフォドラへ行く方法を残してくれていたんだよ」
「うん。これが運命だったと思えば、絶対に行ける気がしてきたわ」
「それにフォドラへ行く事だけがソフィに残された希望……私たちはそれを決して諦めたりなんか出来ません」
「そうだな、そう信じてみよう。だから今は落ち込んでいる暇なんかない
きっとあの空の先には希望があるはずだ、待っていろよ、ソフィ」
陸路から国境を越える為に国境砦へと向かうと今まで通行を制限していた兵士達がすでに上からの命令が下り、道を開放していた
兵士達が開いた道の先を抜け、砦内へと踏み込むとこの砦の警備をしていたのであろう、ラント民兵がアスベル達を見つけ、驚いた様子で駆け寄ってきた
「アスベル様!?ヒューバート様!?どうしてフェンデルから!?おふたりともストラタへ向かったと聞いていましたが……」
その言葉に答えを出すよりも前にアスベルが周辺を見渡し、ある事に気付く…今まで国境にまで進軍していたフェンデルの兵がいないのだ
ラント民兵に聞くとこの所は姿を見る事が減ったのだと言う、フェンデルからウィンドルに入る際にも見た様に上から命令が下り、撤退したのだろう
「事情が変わったんだ、今は国家間で争っている場合ではなくなったんだ。世界中にある三つの大輝石に異変が起こった
事態を解決するために各国は協力体制を整えつつあるんだ」
ここまでその情報が行き届いていなかったのか困惑するラント民兵に話をつけ、砦を抜けて海辺の洞窟へと足を踏み入れた
洞窟内を探索しながらシャトルを探していると毒海藻と呼ばれる植物が生殖する場所の壁をここに来るまでと同じ様に調べると不意に一部の壁がスライドし、奥への空間へと導く
岩の中を刳り貫いて出来た薄暗い空間には歩道が塗装され、ぽつぽつと微かな灯りが点々と灯っている
その灯りの中で異色を放つ巨大な物質、自分達が求めていたシャトルが姿を現す
「こんな所にこんな場所があったなんて……」
「これがフォドラへ行くための乗り物ですか?こんな物が空を飛ぶなんて、にわかには信じがたいですね」
「見た目からして相当な重さだと伺えますものね……」
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