Memoria:24 メモワールの底で、廻る
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「マリク……強くなったな、昔は互角だったものを……」
「オレひとりの力じゃない、仲間がいたからだ」
先程の戦闘で倒した護衛兵が目を覚まし、膝をつくカーツの背後から現れるとアスベル達へ銃を向け、向けられた方もそれに対応しようとした時、助手の叫びにも似た声が上がる
見れば、大輝石の内部の原素が急速に異常な熱を帯びて行く、パスカルが危惧していた事がとうとう前段階に差し掛かっていたのだ
呆然と事態を見上げるカーツへと助手は隣の厳つい男、改め総統閣下の命令で機構の出力を最大にしてしまった為に起こったのだという
「大変……!暴走が始まっちゃうよ!」
「このままじゃ危惧していた事態が本当に……!」
「装置を止めろ!急げ!」
だが機構と大輝石を繋ぐ連結パイプからは漏電しているのが見つかり、緊急停止機構もその影響からか働く気配がない
「こうなったら一か八か……大輝石と装置を結んでるパイプを!」
「あのパイプをどうにかするつもり?そんなの無茶だわ!」
「こうなったのはあたしの責任だもの。なんとかしないと!」
「いけない!パスカル!」
責任を負う為に漏電するパイプへと飛び込もうとするパスカルをカーツは自分の武器に遮り、その行動を制止する
「君にその役はさせられない、私に任せろ」
「カーツ!」
「うおおおお!」
パスカルの代わりに駆け出すとカーツは漏電するパイプへと躊躇いなく槍の先端を突き立てる、だがそれを伝い、漏電した電流が大量にカーツの体へ流れ込む
相当な痛みの筈だと言うのに彼はそこから逃げ出さない、死力を尽くしたその働きもあってか大輝石の熱が治まると同時に彼の体躯は崩れ落ちる
カーツへとラティア達は駆け寄るとシェリアは素早く治癒術での治療を始め、ラティアも彼女の隣へ膝をつき、同じ様に治癒術を展開する
「手伝います、シェリアッ」
「ええ!お願い!」
「カーツ、しっかりしてくれ!カーツ!」
「パスカルさんと言ったな……どうか君の手で研究を完成させてくれないか?大輝石の制御は我が国の悲願だ……なんとしても研究は続けなくてはならない
君の研究が完成すれば我が国は救われる、だから……どうか……」
「カーツ……」
「マリク……交代だ、ここから先はお前に任せた。頼む……どうか我が国の未来を導いてくれ……」
カーツ、マリクへと手を伸ばし、それに応じようと悲痛な表情で手を伸ばすもその手とカーツの手は交わる事なく、寸出の所で横に軌道はズれ、カーツの体と精神は完全に力尽きる
どこまでも、自分の命が尽きる時でも彼はこの国を憂い散った
「カーツ!しっかりしろ!死ぬな!カーツ!」
尽き行く中で彼が見た光景は悲痛な叫びを上げ、生に引き止めようとする友の声と…この国を救う希望である大輝石
最期の最期で深く分け隔てられた彼らの道は交わったのだろうか
「カーツさん……死んじゃったの……?もう……会えないの?」
「ああ……」
純粋に死というものを受けいられず、マリクの痛みを感じたソフィはカーツの前に膝をつくとすでに浮き世から解放された体に語りかける
「そんな……教官とせっかくまた会えたのに……だめだよカーツさん、戻って来なきゃだめだよ……」
「ソフィ……もういいんだ……静かに眠らせてやってくれ」
「教官……」
「なっ?なんだあれは!」
静かにカーツを弔っている中で水を差してきたのは遺跡の天井に空いた箇所から魔物へと乗り込み、リチャードが降下してきた
彼の体は依然として黒い原素を引き連れているものの、その顔は苦痛に歪み、心臓の部位を支えている
「リチャード……!!」
「ようやく見つけたぞ……これで三つ目だ」
「大輝石の原素が!このままじゃ…っ」
稼働を終えた機構に足をつけ、アスベル達にも目を暮れずにリチャードはストラタの大輝石の時同様にその内部の原素を吸収していく
その行動を止める為にもアスベルはリチャードに近付く為に彼の眼下にある機構の上に飛び乗る
「リチャード、やめろ!」
「邪魔をするな!」
「アスベル!」
説得を試みるもリチャードはこれまたストラタの時同様、細剣の先から原素を放ち、アスベルを吹き飛ばす
その衝撃で壁に叩き付けられてしまえば…そう思ったラティアは自分の身も厭わずに彼の落下地点へ先回りし、受け止めるも勢いを殺しきれずに二人して壁へ激突してしまう
「ぐっ!?」
「ああっ!」
「アスベル!?ラティア!?」
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