Memoria:43 二人の世界、足りない色
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「いや、ここで会うとは思っていなかったから」
「救護団にも陛下から協力要請があったのよ」
「そうか、シェリアがいるなら心強いな」
シェリアに再会し、嬉しそうに顔を綻ばせながら、二人の会話を聞いていたラティアに視線を向けたシェリアははっとした様子で目を見張る
はて、と首を傾げてみるが自分に何処かおかしな所でもあるのだろうか、と不思議そうにシェリアの動向を探っていたラティアも気付かない事を指摘した
「ラティア、あなた……その服、大分傷んでるわね」
「え?そう、でしょうか?着慣れてて全然気付きませんでした……」
アームカバーの袖を広げる様に両腕を胸元まで微かに上げて見る、確かによくよくじっと見てみると取れていない汚れなどが薄く滲み、解れていたり…
持ち主である自分でも気付かない事に気付いたシェリアの洞察眼にはほとほと感心してしまう、そんなラティアに気付いたシェリアはもう、と呆れた様に溜息をついた
「折角可愛いんだから、もっと身だしなみをちゃんとしなきゃ!アスベルにおねだりしてみるとか」
「えっ!」
「おいおい、シェリア……」
「それくらいしてあげなさいよ、噂で聞いたわよ?秘書として頑張ってるって。充実した生活を送れているのね……良かった」
自分の事の様にラティアが送れている平穏な日々を喜び、微笑むシェリアにラティアは胸を抑えてしまう
こうして自分は平穏な日々にいるというのに、彼女は戦場などに足を運び、その神聖術で傷付いた人々を助け続けるという渦中にある、祝福して貰えていいものなのかと
「ラティア?」
「どうかしたの?ラティア」
「あ、いえ……っ」
二つの不思議そうな視線に見つめられ、はっとラティアは首を横に振る、きっとこの胸中に沸いた言葉を現実に吐き出してしまえば、叱咤されるのは分かっていたからだ
「ああ。そうだ、シェリア、救護団の仕事はどうなんだ?」
「救護の要請が多くて、世界中飛び回ってるわ
ストラタやフェンデルにも何度行ったかわからないくらい」
三国間を行ったり来たりしている日々が続いているのだろう、そして今日もその忙しさの間を縫って、ここに来たに違いないシェリアの顔には疲労の色が見え隠れしている
「逆を言えば、それだけ魔物の被害が世界各地に残っているって事か」
「私の仕事が多いという事はそういう事になるわね、忙しい事を喜べる仕事ではないのは確かだわ。!」
ふと先程のラティアの服の事に気付いた時の様に何かに気付いたシェリアは辺りを見回し始めた
「ところでソフィは?一緒じゃないの?」
「それが……」
話に夢中で今まで気付かなかったがソフィがいない事に気付いたシェリアの言葉にアスベルは口籠ってしまう、まさか現在行方不明だと知られでもしたら…どう言えば言葉が見つからずに視線は彷徨う
だがそれは逆効果だった様でアスベルのその様子にまさかここに来られない程の傷、病気でも負ったのかとシェリアの不安を駆り立てる
「ソフィ、具合でも悪いの?」
「いや、体は平気なんだが……」
「シ、シェリア、あの……っ」
返答に困った様子のアスベルに助け舟を出すべく、ラティアが話題を変えようとしたその時、城の奥から三人を出迎えにデールが出迎えの言葉を振る
「ラント卿、それとラティアさんにシェリアさん。わざわざ来てくれて感謝する」
「デール公、ご無沙汰しております」
「陛下は謁見の間でお待ちだ、中へ入ってくれ」
思わぬ形で会話が寸断された三人はデールに勧められるがまま、リチャードが待つ玉座の間へと階段へ足を伸ばしたのだった
二 人の 世界、 足りない 色
(少女、どこに逃げる?)