Memoria:61 またいつか、遠くない未来で
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「陛下、よくぞご無事で」
「心配をかけてしまったね、すまない」
永らく国を離れていた国王の帰還を待ち望んでいたデールと騎士を先行にリチャードは城内へ戻るばかりと思われた
だが彼は一歩進んだ所で立ち止まった、それは決して彼らとの別れを名残惜しんでる訳でなく、王として抱く理想を彼らに聞いて欲しいが為
「今回のみんなとの旅で改めて平和の尊さを知る事が出来た
ウィンドルに、このエフィネアに、そしていずれはフォドラにも平和を……命溢れる未来を築いていきたい」
幼少の時代から願っていた理想が彼の中からは消えていないと、寧ろ今回の事でフォドラという星もその範囲に入った事にラティア達は喜ばしく思う
リチャードが先程、自分の未来を案じてくれた様にその理想が世界中、否星を越えて広がる事をラティアは祈る
「そのために僕が知るべき事はまだたくさんある気がするんだ
平和が戻ったら、また世界を回ってみたい。その時は一緒に来てくれるかい?アスベル、ソフィ、ラティア」
「行く」
「はい」
「ああ、もちろんだ
その時がきたら、もう一度みんなでラントの裏山に集まろう」
「ああ」
待ち合わせる場所はあの樹がある場所、自分達の絆を永遠のものと誓い合った場所で
その時はまた友情を誓い合おう、一度は壊れかけた友情を結び直し、固いものとする為に
「じゃあ、僕はここで。ありがとう、みんな」
再会の約束を胸に刻み付けたリチャードは城内へと帰還する、集合する時に少しでもラティア達に胸を張って出会える様にする為にも時間は惜しい
仲間がいなくなってから、ラティア達は港へと足を運ぶ、後はラントに戻るだけなのでシャトルは必要ない、のんびりと故郷へ帰ろうという提案は誰からのものだったか
「さて、私は……救護団に戻るわ」
「そうか……仕事、がんばれよ」
「ラティア」
「?」
ちょいちょいと手招かれたラティアは素直にシェリアの元へ足を運ぶ、アスベルやソフィに聞かれたくない事があるのだろうか…
何でしょう、と聞く言葉を覆う様に手を引っ張られ、体が彼女の方へと傾く
「いい?ラティア。アスベルは鈍感だから、ここぞとばかりにラティアがガツンと押すのよ?」
「?!シ、シェリア、何を……っ」
「それくらいがきっと丁度いいのよ。今時は女の子が男の子を引っ張っていくのも特段と可笑しくないもの」
からかっている訳ではないのだが、純真なラティアはそれだけでかぁっと頬に熱を沸騰させ、わたわたするもので思わず笑ってしまう
「きっと苦労が絶えないと思うけれど……七年前の事を乗り越えたあなただもの、きっと大丈夫ね
信じてるわ、ラティアのこと。自分のやるべき事をこなしながら、いつでもあなたを思ってる」
「シェリア……」
「私も負けない様に頑張るわ、たまにはラントに戻るから、その時は色々聞かせてちょうだいね?」
「はい!どうか息災で、シェリア」
自分は幸せ者だな、と自然に思うラティアの表情には朗らかでありながら、品のいい微笑が浮かぶ
リチャードだけでなくシェリアにまで自分の未来がより良いものである様にと願われ、これ以上にない祝福に満たされている
「アスベル、ラティアを泣かせたりしたら承知しないわよ!」
「分かってる!」
「よろしい。それじゃあ……またね」
「はい、ラントでシェリアのお帰りを待っています」
アスベルの言葉とラティアの様子に満足げに頷くシェリアは目の前の親友と握手を交わし、立ち去っていった
自分を救った力を今度は多くの人の為にと働く彼女の背中には白い翼がある様に、可憐であった
またいつか、遠くない未来で
(その時まで、)
(この青空の下で志一つに)