Memoria:60 始まりはそう、小さな祈りから
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「これからは……わたしひとりで……戦わなくちゃ……いけない」
何度も、何度も輝術を放ち、ソフィを拒むリトルクイーンだが、その攻撃の威力は目に見えて力を失っていく
「この星を……滅ぼすヒトと!」
尚もフォドラから与えられた使命に突き動かされ、戦いを強要させられる姿は少し前のソフィそのものだ
永遠という中で孤独に陥る事を恐怖し、震えるその手をソフィがそっと両手で優しく包み込む
不意に生じた温もりに驚きと、捕まってしまったと怯える様子で振り返ったリトルクイーンの瞳には優しく自分へと微笑みかけられる想いが映る
「もう戦わなくていいんだよ。ここにいるみんなはあなたの想いをわかってくれる
そしてその想いはつながっていくんだよ。みんなの子どもたちから、その子どもたちへ」
フォドラという星を愛し、身を削りながらも守ろうとしたリトルクイーンの想いは途絶える事なく、ラティア達を通し未来へと受け継がれていく
その想いを継いだ未来がリトルクイーンと共にフォドラを守ってくれる、そうすれば彼女は戦わずに済み、孤独に陥る事もないのだとソフィは語りかける
「そのたくさんの子どもたちと一緒に見守っていこうよ」
二人へと歩み寄り、会話を見守っていたラティア達と共にソフィはリトルクイーンへと手を差し伸べる、共にこの星を見守っていこうと
じっとソフィの言葉に耳を傾け続け、語りかけに没頭していたリトルクイーンの頑なであった心が解けていく、花開く様に
「一緒に……」
寄る辺を見つけ、打ち解けようとした瞬間、それを邪魔する様にリトルクイーンの体から自身を構成する原素が抜け始める
核の原素を失った今、リトルクイーンにもラティアにも彼女の崩壊を止める術は残っていない、それを良く知っているリトルクイーンは自分の命尽きる寸前まで声を紡ぐ
「……わたし……には……時間が……ないみたい……
あなたと……一緒にわたしの欠片を……つれて……いって」
消失の痛みに耐えながら伸ばされる手をソフィはすかさずに受け止める
「わたしの想いを……この星への、想いを……」
誰よりもこの星を愛し、その上に育まれる命を守ろうとした想いは原素となり、フォドラへと還っていく
その想いを自分は伝え切れない、だからどうかと今際の時に願う
「たくさんの命に、伝えて……」
「リトル……クイーン……」
ソフィの語りかけは確かにリトルクイーンの心へと届いていた、だから彼女は願った、とある星を愛し守ろうとした存在がいた事を忘れないでと
長い時をフォドラの為に費やして来た体、想いはソフィの手に小さな欠片を残し、還っていく
その小さな欠片は暖色の光を放ち、ソフィの心へとリトルクイーンの記憶、強いフォドラへの想いを託し同化する
「ソフィ!」
――そこには自分達が知る幼い少女はいなかった
七年という時間を開けても成長を遂げる事を知らない少女が、ラティア達の眼の前で大きな花へと成長した
「……ソフィ……」
突然に起きたソフィの変化に呆然とするラティア達へ振り返るソフィの瞳にはかつて、彼女が欲していた涙が灯っていた
「お前、涙が……」
「リトルクイーンが涙をくれたんだ……」
自分の頬に触れ、初めて知る涙の温度はどこかこそばくて――
かけがえのないものを抱き締めながら、嬉しそうに微笑むソフィをラティアもその喜びに共感する様に大きくなった存在を抱き締める
「ははは」
「よかったね、ソフィ……!」
「うん……!」
ーいつかフォドラに緑が戻ったら、一緒に来ようね
また、ここに……
自分の胸の内に眠るリトルクイーンの想いもそれをきっと願っている筈だ
そして、フォドラもきっと彼女の帰還を喜んでくれる筈だと
だからその時まではこの胸の中で自分達が守りたいと願う世界を見ていて欲しい――
そうと決まれば、ここに長居は無用だ。彼女に広い世界を届ける為にも自分達は戻らなければ
「みんな、帰ろう。エフィネアに」
始まりはそう、小さな祈りから
(あなたがこの星を守ろうとした様に)
(今度はわたし達があなたの想いを、守るよ)